健康経営

当社は、従業員が健康であることは、本人と家族の幸福であり、また、会社が健全に成長していくための源だと考えております。そのため、従業員の健康を経営の最重要課題の一つととらえ、心身の健康維持・増進活動と、健康な働き方を推進していきます。

デンソーエアクール健康宣言

デンソーエアクールの基本理念である、“「かけがえのない人」を育て「かけがえのない企業」になる”には、従業員一人ひとりが、健康でイキイキと個々の能力や個性を発揮することで会社が元気になり、かけがえのない存在になっていくという想いが込められています。
安全と健康を最優先し、従業員が心身ともに健康で安心して働くことができる企業づくりに努めることを宣言し、この想いを未来につないでいきます。

2024年1月1日
株式会社デンソーエアクール
代表取締役社長 宮沢 幸央

重点施策

1.健康意識の向上

従業員一人ひとりが健康でイキイキ働くために、従業員が自主的に健康を維持・増進する意識(ヘルスリテラシー)を高める取り組みを推進します。

2.こころとからだの健康づくり

従業員一人ひとりが心身ともに健康で働くことができるよう、健康保険組合と連携し、生活習慣病対策・メンタルヘルスケア・喫煙対策などに取り組みます。

3.ワークライフバランスの実現

従業員一人ひとりが仕事もプライベートも充実できるよう、多様な働き方の推進、時間外労働の低減、有給休暇取得促進等による、QOL(Quality Of Life)の向上に取り組みます。

健康推進体制

当社では、健康経営推進責任者である社長のもと、人事総務部が主体となり従業員の健康保持・増進に向け協力機関と連携を図り、自社の健康課題を把握し、健康施策を実施するとともに、 PDCAの実践により継続的な改善に取り組んでいます。

具体的な取り組みについて

1.健康の維持・増進・生活習慣病の発症予防

定期健診受診後の再・精密検査受診勧奨など治療への支援に加え、2016年度より高血圧、糖尿病など脳血管・心臓血管疾患に結び付くハイリスク者率の減少に取り組んでいます。また個人の健康課題について、定期健康診断結果、問診票などから健康行動に関する具体的な目標を数値化、よい健康行動の実践がBMI、血液データの良化につながることが確認できたためデンソーグループ共通の健康経営指標として『健康スコア』を導入し、行動変容を促し、健康増進意識の向上を図っています。

①定期健康診断の実施と精密検査・再検査の受診勧奨

精密検査・再検査の対象者に、手紙、メール、個人面談、上司を通じた受診勧奨を強化し、病気の早期発見・早期治療を図っています。また、高血圧・糖尿病の治療/未治療に関わらず病状のコントロールがうまくいくなど適切な治療について支援し、重症化を防ぐよう働きかけを行っています。

【定期健康診断受診率、精密・再検査受診率、血圧・血糖ハイリスクかつ未治療者率】
年度 2020 2021 2022 2023 目標
定期健康診断受診率(%) 100 100 100 100 100
有所見者率(%) 62.9 55.5 56.2 54.0 50
精密・再検査受診率(%) 50.0 82.4 84.7 81.9 100
血圧:ハイリスクかつ未治療者率(%)※1 7.6※3 2.5 2.6 3.1 0
血糖:ハイリスクかつ未治療者率(%)※2 2.5※3 0.8 0.6 1.5 0

※1.血圧の収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上で未治療者の割合
※2.血糖ハイリスク空腹時血糖126mg/dL以上またはHbA1c6.5%以上で未治療者の割合
※3.血圧・血糖ハイリスク未治療者率:2020は40歳以上のデータ、2021年度以降全社員データ

②教育機会を活用したヘルスリテラシーの向上

健康診断結果に基づき “健康行動”の実践状況を表した「健康スコア」についての教育、毎月の活動テーマに沿った健康情報の配信、健康Webセミナーの活用、医務室便りの配信など、健康増進に関する取り組みを行っています。

③運動習慣の定着支援を通じたヘルスリテラシーの向上

2018年度から希望者が集まって行うウォーキングイベントを開始しました。2021年度からは、コロナ過で人が集まらずに実施できるようウォーキングアプリを活用したイベントを開催することで運動促進の取り組みを実施しました。2022年度からは実施回数を年2回に増やし、また目標歩数を3,000歩から10,000歩へ徐々に引き上げました。2023年度からは健康運動指導士による筋トレやストレッチの講習を実施し、運動習慣定着の意識付けを図り、ヘルスリテラシーの向上及び行動変容を促しています。
2023年度ウォーキングイベント参加率:15.8%、満足度:4.0ポイント(5ポイント満点)、投資額:130.2(千円)(デンソー健康保険組合の補助含む)

④食生活の改善支援

朝食摂取の推奨、社員食堂でのヘルシーメニュー(1日に必要な野菜の半分が摂れるメニューなど)・小盛ご飯の提供、栄養成分・カロリーの公開により食生活の改善ができるよう支援しています。また食堂メニューアプリの導入により日々のカロリー計算が事前にでき、摂取カロリーが記録できる仕組みとなっています。食堂メニューアプリ利用率:29.6%
2023年度は骨密度測定会を開催し、個々の結果をもとに食生活に関するアドバイスを実施しました。骨密度測定会参加率:11.1%、満足度4.2ポイント(5ポイント満点)

【健康スコア】
年度 2020 2021 2022 2023 目標
BMI(%) 75.0 77.8 77.5 78.3 80
朝食摂取(%) 83.5 84.8 85.9 84.1 85
間食(%) 84.7 75.7 82.1 83.7 85
歩行(%) 45.6 44.0 45.8 47.4 50
運動(%) 21.3 24.8 25.0 28.1 30
飲酒(%) 77.5 79.5 79.1 80.1 85
睡眠(%) 68.9 66.9 65.8 67.1 70

「BMI」:良好な体型(BMI25未満)
「朝食摂取」:朝食を週5日以上とる
「間食」:間食を毎日はとらない
「歩行」:歩行や家事等の動作を60分/日以上実施
「運動」:1日30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施
「飲酒」:週1日以上休肝日、飲酒時は2合/日未満
「睡眠」:睡眠で十分休養がとれている

⑤卒煙支援・受動喫煙対策

2016年度にたばこの社内販売停止、2017年度に禁煙タイムの導入、2019年度は屋内全面禁煙とし、2021年度は構内紙巻たばこ禁止と段階的に取り組みを実施してきました。また、卒煙講習会の開催、オンライン卒煙プログラムへの参加推奨、禁煙デーの呼びかけなど、卒煙支援及び受動喫煙対策を行っています。

【喫煙率】
年度 2020 2021 2022 2023 目標
喫煙率(%) 男性 34.5 30.0 30.0 29.0 20
女性 9.1 9.3 11.3 10.9 5

⑥メタボリックシンドローム該当者への支援

特定保健指導を就業時間内に実施し、また労働安全衛生法の事後措置等を一体的に実施することで対象者が保健指導を受けやすい環境を整えており、完遂率を上げています。また、35歳から39歳のメタボリックシンドローム予備軍への生活習慣の改善支援を行い、40歳以降特定保健指導の対象とならないよう取り組んでいます。2023年度からは30歳からと年齢の幅を広げて支援を実施しています。
2023年度投資額:242(千円)(特定保健指導除く、デンソー健康保険組合の補助含む)
効果評価:2016年度特定保健指導実施率12%から2023年度93.6%まで上昇

【特定保健指導実施率、対象者率】
年度 2020 2021 2022 2023 目標
特定保健指導実施率(%) 88.8 83.5 86.1 93.6 100
特定保健指導対象者率(%) 21.7 24.8 19.4 21.1 15
【40歳未満メタボリックシンドローム該当者への生活習慣の改善支援率】
年度 2020 2021 2022 2023 目標
メタボ予備軍への生活習慣改善支援率(%) 100 100 100 100 100

2.メンタルヘルス

メンタルヘルス全般において、社外の産業保健メンタルヘルスコーディネーター(精神保健福祉士・臨床心理士等の有資格者)による支援を受け、職場環境改善及び従業員のストレス低減を図り、メンタル不調の未然防止に取り組んでいます。
2023年度投資額:2,440(千円)(ストレスチェック除く)

①こころの健康チェック(ストレスチェック)

労働安全衛生法改正以前からストレス調査を実施してきました。2016年度よりストレス調査の集団分析結果を職場にフィードバックし、職場環境改善の推進に取り組んでいます。また、高ストレス者には個別面談を行い、メンタル不調の早期ケアを実施しています。
効果評価:2016年度健康総合リスク113から2023年度99まで低下

【ストレスチェック受検率・総合健康リスク】
年度 2020 2021 2022 2023 目標
ストレスチェック実施率(%) 99.8 98.6 99.5 99.2 100
総合健康リスク 103 101 103 99 100以下

※全国平均を100とした数値で、低値ほど良好

【アブセンティーズム・プレゼンティーズム・ワークエンゲージメント】
年度 2020 2021 2022 2023 目標
アブセンティーズム(日/年) 2.2 3.7 1.4 1.6 0.7
プレゼンティーズム(%)WLQ-J 93.7 93.2 93.0 93.4 95
ワークエンゲージメント(点) 69.8 69.5 73.1 70

※「アブセンティーズム」:傷病を理由として欠勤した日数の全従業員平均
※「プレゼンティーイズム」:何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や生産性が低下している状態
 WLQ-J:健康問題による業務上の制約の状況や生産性の低下率を図る調査票で100%が最も良い値
※「ワークエンゲイジメント」:ユトレヒト・ワークエンゲージメントを参考に、従業員サーベイ(調査名:職場力調査)を実施、この職場力調査は、組織力を可視化し、より良い組織づくりに向けた活動に役立てるため、組織開発の理論に基づき、”健全性・効果性・自己革新力”の3つの観点から作成した全47設問で構成されており、エンゲージメントを”働きがい、会社・職場との結びつき”と定義し、47設問のうち、「仕事にやりがいを持っている」、「ポジティブ(意欲的)に仕事をしている」、「会社に愛着を感じている」、「職場に満足している」の4設問の回答尺度7段階のうち、ややそう思う・そう思う・非常にそう思うという肯定回答した人の割合を算出しています。

②職場環境改善の推進

職場力調査を実施し、ストレスチェック結果とともに職場にフィードバックをしています。また、健康総合リスク140以上の職場(高ストレス職場)は、社外の精神保健福祉士より詳細なアドバイスを受け職場環境の改善計画を立て実施し、1年間の状況確認を行っています。更に、風通しの良い職場環境づくりの一施策として、2022年度から2023年度にかけて従業員と会社(役員)が会話する場を設け、コミュニケーションの向上を図るとともに、従業員の声から課題として認識した項目に対し改善を実施しています。

③メンタルヘルス教育

保健師、精神保健福祉士による入社者へのメンタルヘルス教育、全従業員へのセルフケア、管理職へのラインケア及びメンタル不調予防研修を実施しストレスの低減を図ることでメンタル不調の未然防止を実施しています。

●管理職向け
・新任管理職向けメンタルヘルス教育
・ラインケア研修(職場の管理監督者が部下の心のケアをする取り組み)
・コミュニケーション研修:「心理的安全性」について考える
・メンタル不調予防研修
・メンタル不調者の分析結果を用いた研修
・アンガーマネジメント
2023年度実施研修平均:参加率99.3%、理解度4.6ポイント(5ポイント満点)、満足度4.1ポイント(5ポイント満点)

●全従業員向け
・メンタルヘルスセルフケア研修
・アサーション(最高の関係を築くためのコミュニケーションセミナー)
・メンタルタフネス
・コミュニケーションスキル
・睡眠改善
・考え方のクセと対処法
・ストレスコーピングについて
2023年度実施研修平均:参加率100%、理解度4.3ポイント(5ポイント満点)、満足度4.1ポイント(5ポイント満点)

④職場復帰支援制度の整備

こころとからだの病気で長期休業した従業員が円滑に職場復帰できるよう、短時間勤務計画書、復職支援プランの作成・実施などの職場復職支援プログラムを整備し、産業医・社外医療職・社内医療職・職場・人事が連携をとり支援しています。外部のリワークプログラムへの参加、職場復帰後も支援を継続するなど再発防止に取り組んでいます。

⑤健康相談

産業医・社内医療職に加え、社外の臨床心理士、精神保健福祉士から支援が受けられる体制を整備し、メンタル不調の早期発見、早期ケアを実施しています。

3.有給休暇、長時間勤務管理、勤続年数

①有給休暇取得促進

2016年度から、有給休暇の取得率が低い従業員が取得できるよう取り組みを実施してきました。取得日数の底上げを図ってきたことで、年間平均取得日数は2015年度の11.9日から大幅に増加しました。

【有給休暇平均取得日数】
年度 2020 2021 2022 2023
有給休暇平均取得日数(日/年) 16.0 14.8 15.2 16.7

②長時間労働管理

一般社員は長時間労働、管理職は健康管理時間(残業相当時間)の管理を実施し、産業医、医療職との面談などによる過重労働対策を行っています。また、生産性の向上を図りながら残業時間の低減に取り組んでいます。

【平均月間残業数】
年度 2020 2021 2022 2023
平均月間残業時間(h/月) 4.0 13.3 18.3 18.0

③平均勤続年数

当社で長く働き続けたいという従業員が増加するよう、健康でイキイキと働ける職場づくりを推進しています。

【平均勤続年数】
年度 2020 2021 2022 2023
平均勤続年数(年) 16.0 15.8 16.5 17.0

4.感染症対策

感染予防の観点から基本方針や対応マニュアルを策定しており、日常の予防及び万が一発生した際は必要な感染対策を実施していきます。

①感染症拡大防止策

新型コロナウイルス感染拡大時は一般的な対策に加え、テレワーク・オンライン会議の推進、オフィスへのパーテーション設置、体調不良時の出社制限などを実施し、社内まん延を防止しました。
今後、新たな感染症等の感染拡大に備え、基本方針、対応マニュアルに基づき従業員の健康と事業継続を両立させるための防疫リスク管理を行っています。

②インフルエンザ

インフルエンザワクチンの社内接種実施、接種費用の補助を行い予防接種を受けやすい環境を整備しています。

③風しん

定期健康診断にて希望者に抗体検査を行っています。

5.がん予防・治療と仕事の両立支援

定期健康診断時のがん検診実施、治療と仕事の両立支援など、がんの第1次から第3次予防を推進しています。

①がん予防

定期健診以外の人間ドック受診費用補助及び各種がん検診の費用を補助し、早期発見・早期治療を支援しています。
また、がん専門医によるセミナーの開催、全従業員へのがん読本の配布など、がん予防の啓発活動を行っています。

②治療と仕事の両立について

治療と仕事の両立支援プログラムを整備し、有給休暇の時間単位取得、治療に合わせた個別の就業上の配慮など、治療しながら働く従業員の支援を実施しています。

6.個人が抱える課題と仕事の両立支援

育児、介護、長期的な病気治療など、個人が抱える課題と仕事の両立を図るため、労使にて構成するwith work推進委員会を設置し両立支援につながる制度検討、導入などを行っています。

7.女性特有の健康課題への対応

毎年実施していた女性従業員対象の健康課題セミナーを2022年度から全従業員を対象に開催し、女性の健康づくり及び女性特有の疾患について正しい知識の習得と、乳がん・子宮がん検診受診奨励を行っています。2023年度は管理職向けのプログラムを新たに開催し、女性特有の健康課題への理解の促進を図りました。また健康支援サービスアプリにより、オンラインによる婦人科専門医への相談、正しい知識を習得するための情報収集が可能となっています。
2023年度管理職向け女性特有の健康課題セミナー参加率:81.2%、理解度:4.0ポイント、満足度3.8ポイント(5ポイント満点)

効果評価

2016年度より健康経営に取り組んできた効果として、ストレスチェックの総合健康リスクの低下、アブセンティーズムの良化、ワークエンゲージメントの向上などが挙げられます。今後も従業員の健康づくりや働きやすい職場環境の実現に向けた取り組みの効果検証と改善を行っていきます。

健康経営に関する認定について

当社は2024年3月11日付けで経済産業省と日本健康会議が共同で選定する「健康経営優良法人」に7年連続で認定されました。

  • スポーツエールカンパニー

2024年1月23日付けでスポーツ庁が選定する「スポーツエールカンパニー」に選定されました。