当社は「高品質のサービス活動」という視点から、CSNo.1を目指した体制・施策を構築して活動を展開する一方、国内有数のサービス体制の下、拡販支援活動を続けている。
創立時から、お客様の要望に沿った魅力ある製品を提供することにより、お客様に満足していただくことを経営方針の一つに位置付けていた。さらに、1953年のロバート・ボッシュ社との技術提携を機に、同社のサービス体制の充実ぶりを目の当たりにしてサービスの重要性を認識した当社は、「製品にサービスが付加されて商品になる」という基本理念を確立していった。
以来、この考え方にもとづき、以下の3点を柱としたサービス活動を展開している。
- ①お客様に満足していただき正しく安全に使用できること
- ②万が一故障が発生しても素早く安価に処置ができること
- ③製品の開発・改良に顧客の声を反映させること
活動内容は「高品質のサービスを提供する活動」と「高品質のデンソー製品をつくる活動」の2つの領域に分けられる。「高品質のサービスを提供する活動」としては、サービス拠点の設置やサービス技術・設備の開発、資料の発行、教育を実施し、併せて保証ルールの設定を行う。「高品質のデンソー製品をつくる活動」としては、市場品質情報の収集、製品改良促進を行っている。また、近年は、環境保護に関わるサービス活動へと活動分野の広がりを見せている。
1952 |
- 11月
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『デンソー月報』創刊(『デンソー技報』の前身)
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1953 |
- 7月
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「デンソーサービスカー」完成。トヨタ自販同行巡回サービス開始
初期のサービスの役割は、トヨタ自動車販売の巡回サービスと一体となって全国のカーディーラーで直接不具合を修復するサービスであった。このサービスは行く先々で歓迎され、顧客の不満を解消するとともに、当社製品への顧客の信頼を得ることに貢献した。この活動を通じて「製品にサービスが付加されて初めて安心して使える商品価値が生まれる」というサービスの基本理念が形成されていった。
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1954 |
- 8月
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デンソー指定サービスステーション(以下、SS)制度発足
デンソーアフターサービス網として指定SSの整備に着手し、24社のサービス店からなるアフターサービス体制がスタートした。1955年の第1回全国サービス店総会開催時には、41社にまで拡大した。同年には、サービス店向け講習・技術資料の発行も開始し、サービス網強化のための機能が整備されていった。
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1955 |
- 9月
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第1回SS総会開催(41社)
- 10月
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第1回SS講習会開催
カーヒーターのサービスのために、1955年には第1回SS講習会を開催し、「デンソーテクニック」の発行など、サービス網の強化のためにサービス技術の教育や資料の発行などを開始した。
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1956 |
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電装品・噴射ポンプテストベンチ開発・発売
電装品と燃料噴射ポンプのテストベンチを開発・製作し、発売した。さらにSSでの修理に必要な専用ツールであるテスタの開発・提供も始め、現在のサービス活動を支える基本機能がほぼ固まった。
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1963 |
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デンソーサービス特約店(以下、SSS)制度発足
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1970 |
- 3月
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大阪万博でバスクーラー対応
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1971 |
- 4月
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第1回 SS・SSS整備技能コンクール(電装品)を開催
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1973 |
- 6月
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サービス研修所完成
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1974 |
- 4月
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第1回ポンプSS整備技能コンクール開催
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1976 |
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海外噴射ポンプサービス網構築開始
海外サービス網の整備は、1976年頃の東南アジアでのカークーラサービス網構築に始まる。その後、米国John Deere社への噴射ポンプ納入に際してサービス網設定の要求があり、1977年に米国で本格化した。引き続きカナダでも噴射ポンプサービス網を設定し、ディーゼル化の潮流から全世界噴射ポンプサービス網を設定した。
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1978 |
- 4月
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EFIサービス認定店制度発足
1971年に導入された電子制御式燃料噴射装置(EFI:Electric Fuel Injection)に代表されるカーエレクトロニクスは、当時としては世界一厳しい排出ガス規制の導入により、エンジン制御を中心に加速した。
カーエレクトロニクス化に対応し、この時期、当社サービス研修所でカーエレクトロニクス教育を開始するなど、当社サービス店の技術力強化施策を推進した。さらに、1978年からはEFIサービス認定店制度を導入するとともに、サービスマンの資格認定制度を設け、サービス店の技術レベルの向上を図った。
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1981 |
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ラジエーターサービス協力店制度発足
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1982 |
- 11月
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マルE(電子製品内部修理)サービス店制度発足
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1987 |
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米国にリビルト品生産会社(AIMS)を設立
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1989 |
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フロンガス(R-12)回収機発売
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1995 |
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海外(カナダ)実車モニター試験制度開始
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電子製品の素子交換修理センター開設(マルESC体制)
さらなる技術革新による基板の多層化、ICの集積化・小型化に対応するため、高機能の検査ベンチの投入や高精度な修理技術を付与した電子システム製品集中修理センター(マルESC)を全国2カ所(山形・名古屋)に開設し、電子修理体制を強化した。
マルEサービス店修理体制の構築は、それまでのサービス網の構造を大きく変えていくきっかけにもなった。従来の施策は全てのデンソーサービス店が一律に同じ機能を個々に果たす事を期待するものであったが、マルEサービス店修理体制では全国で64社のマルEサービス店を他のサービス店が利用することで、サービス網として一定の機能を発揮する考え方を導入するものであった。この考え方は、その後の各種製品にも採用されることになり、特に少量生産品や高額の投資が伴う製品の修理において「集中修理店や品揃えセンター店と他のサービス店との協業体制」を生み出していった。
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1998 |
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海外向け『Service Tech』創刊(『デンソー技報』の海外版)
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1999 |
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国内CRSポンプ(HPO)修理開始
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2000 |
- 4月
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第1回グローバルサービス会議開催
世界主要拠点からサービス責任者の出席を得て、グローバルサービス体制の基盤つくりが始まった。この議論を通じ、世界を四つの地域(北米・欧州・豪亜・中国)に分け、グローバルに連携できる地域マネージメント(本社-中核拠点-販売/市場担当拠点)体制、拠点間業務委託ルール、サービス体制企画ルールなどが制定されていった。そして、グローバルサービス体制の考え方や役割、活動内容を、国内外サービススタッフを含む関係者と広く認識の共有を図るため、2002年に『グローバルサービスアウトライン』を発刊した。
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海外クレーム情報管理システム展開開始
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欧州CRSポンプ(HP2)修理開始
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2005 |
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愛知万博で燃料電池バスクーラー特別サービス体制運用
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2012 |
- 4月
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サービススピリット研修開始
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2013 |
- 7月
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カンボジア、ミャンマーにPIT&GO店開設
アジア市場にて当社主導の新たな自動車整備ネットワーク「PIT&GO」を展開した。これは、従来のエアコン、噴射ポンプなどの修理の枠を超え、クルマ全体の困り事を解決し拡販に貢献する車両整備を狙った店舗展開で、アジアでの経験をもとに、アフリカ市場へも展開を進めている。
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2018 |
- 12月
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モンゴルでHVバッテリー修理開始
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