社是

経営・会社情報

1949年12月16日、デンソーはトヨタ自動車工業から独立して設立。独立当時の苦しみを乗り越えた1956年、当時1450人いた社員のうち4割は独立後の入社であったため“創業の精神”を知らない状況であった。会社のさらなる発展のためには全社的な意思統一が不可避と考え「社是」を制定した。
社是は“企業としての社会的存在意義”と“社員としてのあり方”を明確に示したものである。

社是

一、信用を尊び責任を重んず

信用とは、人と人が交流し、時にはぶつかることによって、深く心が通じ合うことから生まれます。長い時間をかけ、日々の努力を積み重ねることでしか維持ができず、少しでも思い上がりがあると、一瞬で消え失せてしまうものです。初代社長の林虎雄は「信用は空気のようなものであり、普段はあることに気が付かないが、実に恐ろしい力がある」と言っています。
責任とは、必ずやり遂げるという約束を行動で示すことです。今、会社があるのは、デンソーで働いてきた先人たちが責任を痛感し、社会の信用を得るために大変な努力をしてきたことを決して忘れてはなりません。社員一人ひとりが信用を大切にして責任を果たしてきたからこそ、今日までデンソーが信頼を得ているのです。時間をかけてつくり上げた信用こそが会社を支えていることをかみしめ、社会やお客さまからの期待に応える強い責任感を持とう。

一、虚飾を排し和衷協力誠実事に當る

虚飾を排すとは、外見だけの飾りや見栄、私的な感情や自分の利益にとらわれず、人として誇れるような純粋で自然な気持ちに素直に従おうということです。和衷協力とは、真摯に心を重ね、正面から相手のことを思って寄り添うこと。また、誠実事に當るとは、全ての人や事に対して誠実に接すること。林虎雄は「真心を込めて、相手の真心と通じ合い、協力し合うことによって、相手と末永く続く関係を結ぶことができる。その根幹には、必ず相手を思い、誠実にすべてのことに向き合い、解決する態度と努力がなければならない」と言っています。
うわべの体裁にこだわるのではなく、真心を込めて協力し誠実に接することで、人と人との関係を永くかけがえのないものにしていこう。

一、研究と創造に努め常に時流に先んず

研究と創造に努めるとは、常に研究し、創造するために努力し、そのための探索や調査を積み重ねることです。林虎雄は「研究・設計の職種の問題だと考えてしまいがちだが、それはもちろんのこと、事務や製造など社員全員が、『これで良いのか、もっと良い方法があるはずだ』と仕事を分析し、自分の仕事を批判して、進歩を求めることが必要だ」と言っています。
時流に先んずとは、常に先を読んで、社会に先駆けて貢献し、自ら道を拓こうとする精神です。未来を見据え、時代の変化や顧客ニーズの変化を察知して進化し、一歩ずつ前に踏み出していけば、先頭を走る人になることができます。
常に研究を重ね、新しいものを自らの手でつくり上げる努力をし、未来を見据え、時代の変化を先取りして実行していこう。

一、最善の品質とサービスを以て社会に奉仕す

最善とは、変化していく社会・お客さまの一つひとつの課題に、正面から真摯に向き合い、お客さまが笑顔になることを常に考えて全力を尽くすこと。
社会に奉仕するとは、自分たちが良いと思うものをつくって売るというプロダクトアウトの考え方ではなく、お客さまが望むものを提供するというマーケットインの考え方で取り組むこと。
お客さまの期待に応え、更に新たな価値を提供し続けることができるようになろう。