要綱
経営・会社情報
開放体制要綱 1964年8月
1. 経営理念と企業イメージの確立
- (1)我が社は社是の精神に則り、優秀な品質の製品を大量安価に提供し、かつ最善のサービスにより顧客の満足と信頼を獲得し、もって
- 1) 従業員が希望をもち安じて働き得る職場と労働条件を用意し、
- 2) 株主に公正妥当なる配当を保証し、
- 3) 会社の維持発展を確保するに足る経済力を蓄積し、
- 4) 社会の繁栄に貢献する。
これが為には、経営者と従業員は共に経営体構成員として、相協同して全能力を発揮し、企業の長期的存続と繁栄を実現するを責務とする。 - (2)電装は「世界のデンソー」になるのだ。ボッシュ、ルーカスの上に出るのだ。我々はそれに向って驀進するのだ。それが全従業員の使命なのだ。そして、それこそが従業員が幸福になれる唯一の道なのだ、ということをデンソーの思想とする。
そして、それに至る過程と年次毎の目標(里程標)を作り、目標を区切って掲げ、一歩一歩前進する。 - (3)事業部に於ては製品毎のライバルを定める。例えば「NGKに負けるな」、「今仙、三葉を追い越せ」、「打倒日立、三菱」の如く。又事業部外の各機能部は、その部の特性に応じて目標を掲げて、部毎に意思結集を計る。以上は競争相手の生産規模、人員、生産能率、技術力、財政力等の企業内容と当社のそれとを比較し、相手の力の実体を認識せしめ闘争心を振起する。
2. 従業員の生活安定と全能力の発揮
3. 新製品の積極的開発と技術提携依存の脱却
4. 事業部制の拡大高度化と監査組織の新設
5. 市販及び輸出に関する強力な自主的販売機構の確立
6. 標準品生産販売の強力な推進
7. 高生産性、高賃金主義の計画的実現
8. 割り切った実力本位の人事管理
9. 責任権限の明確化と責任体制、指導体制の確立
10. 時間尊重、業務の廃止・簡素化・スピード化
新開放体制要綱 1966年9月
日本経済は、資本取引の自由化等、いよいよ開放体制の第2次段階を迎えんとし、あらゆる領域にわたって新たなる適応力を持たなければならない現実に直面している。
昭和30年代は量的経済観を中心とした所謂高度成長経済の時代であったが、40年代は質的経済観を中心とした安定的成長を期待する方向に進むべきであり、この際、企業基盤を高度に強化して、厳しい国際経済への適応力を具備すると共に、苛烈な国際競争に不敗の体制を固めることが肝要である。即ち、先進諸国が、世界的な規模をもって高度産業社会の形成に営々として努力しつゝあるとき、我国経済の後進性と構造的弱点に対して深い反省がなされ、各企業はその規模並びに体質を国際的に通用する「世界の中の企業」に改造しなければならないのである。
この様な認識のもとに意を新たにして会社を運営していくに当り、その基本となる開放体制要綱の各項目を再検討した結果
- (1)既に着手、又は完了しており、引続き徹底、推進を強調する必要なしと思われる事項(具体的に表現されている施策類)
- (2)組織上の問題或いは、詳細に過ぎる表現で他の事項との関連で、表現修正を要すると思われる事項
- (3)その他、発表以来2ヵ年の経過により、内容的に追加又は廃止を要すると思われる事項
等があり、又、他方、41年度版長期計画における長期方針が、開放体制要綱と別個に存在するので、この際、両者の融合を計り、長期的な会社方針として、一本の形にまとめることが適切であろうという観点に立ち、開放体制要綱の修正に着手し、各部長、担当重役の検討、修正を経てまとめたものが、「新開放体制要綱」である。
従って、この「新開放体制要綱」は今後の会社運営の基本とすべきものであるから、この趣旨内容を社内各層に徹底すると共に、各項目はそれぞれの機能において長期計画に織り込み、会社をあげてその実現に努力し、所期の目的の達成を期する次第である。
1. 総合
- 1-1. 経営理念と企業目標
2. 人事
- 2-1. 全能力の発揮と人事管理
- 2-2. 高生産性高賃金の計画的実現
3. 技術・研究・開発
- 3-1. 新製品、新技術の自主的開発
- 3-2. 品質第一主義の徹底
4. 生産・販売
- 4-1. 高生産性の実現
- 4-2. 標準品生産販売の強力な推進
- 4-3. 下請企業の体質改善
- 4-4. 市販及び輸出に関する強力な自主的販売機構の確立
5. 財務
- 5-1. 企業体力の強化
- 5-2. 金融能力の強化と資金コストの低下
6. 組織管理制度
- 6-1. 指導力の向上と責任体制の確立
- 6-2. 事業部制の拡大高度化と本社機能の質的向上
国際化推進要綱 1971年4月
日本経済は、資本自由化の最終段階を迎え、いよいよ完全な開放体制下に置かれることになった。このことは国際経済への適応力を備え、厳しい国際競争の試練に耐えることは勿論、一先進国としての役割を果たさなければならない新しい段階を迎えたことを意味する。
当社は、この日に備えて昭和39年に「開放体制要綱」、41年には「新開放体制要綱」を制定し、以来この内容を諸計画に織り込み、国際競争に負けない体制作りに努力して来た。
幸い好環境に恵まれ、ある程度の成果を挙げることが出来たが、これはあくまで保護下に置かれた温室の中での企業体質強化であり、この真価が問われるのはこれからである。
従って、当社はここに決意を新たにして、この国際競争を戦い抜くために、新情勢を前向きにとらえ、世界的な視野に立ち、戦略を展開する「国際企業」へ躍進することを目指すと共に、変りゆく社会環境に適応しつつ、質・量ともに調和のとれた着実な成長発展を期したいと考える。
そこで、4月の自動車資本自由化を契機として、前要綱を各部長・担当役員が見直し、新しい情勢と当社の今後進むべき方向を検討し、総意を結集して策定したのが本「国際化推進要綱」である。この要綱は、今後の会社運営の基本とすべきものであるので、趣旨内容を社内各層に徹底すると共に、各種計画において具体化し、全社をあげてその実現に努力して、所期の目的の達成を期する次第である。
尚、特に主要10項目をビッグプロジェクトとしてとりあげ、担当機能部を中心に長期構想をたて、具体化の総合プログラムを作成し、着実に実施して行く考えである。
1. 総合
- 1-1. 経営理念と企業目標
- 1-2. 基本目標値
2. 人事
- 2-1. 人的能力の開発と全能力発揮
- 2-2. 高賃金・高福祉の実現
3. 技術・研究・開発
- 3-1. 新製品の開発と自主技術力の強化
- 3-2. 生産技術力の強化充実
- 3-3. 「品質のデンソー」の徹底
4. 生産
- 4-1. 「安全のデンソー」の徹底
- 4-2. 国際レベルの高生産性実現
- 4-3. 分工場体制の確立
- 4-4. グループ企業の総合力発揮
5. 販売
- 5-1. 世界的視野に立つ販売戦略・商品企画
- 5-2. 国内市場における絶対不敗の地位確保
- 5-3. 海外事業の拡大
6. 財務
- 6-1. 財務的な体質強化
- 6-2. 金融能力の強化と資金コスト低下
7. 組織管理制度
- 7-1. 意思決定の迅速化と合理的管理体制の確立
- 7-2. 事業部制の質的向上
経営新体制要綱 1974年10月
当社は昭和31年以来、日本経済の国際化方向に合わせ、企業としての国際競争力を長期計画的に強化して来た。資本自由化の最終段階を迎えた昭和46年に至り、更に国際企業として前進する必要を感じ、そのための経営方針として「国際化推進要綱」を策定し、企業体質の強化に取り組んで来た。
しかし、その後、国内外の企業環境は急速に変化し、今後当社が環境変化に即応しつつ事業の繁栄を図り、企業責務を全うしていくためには、幾つかの認識と対応重点を明らかにしていかねばならない段階に立ち至った。ちょうど本年は、当社創立25周年にも当たり、新方針の下に新たな構想、諸計画をスタートさせるにふさわしい機会であるので、以上の観点から現要綱を見直し、「経営新体制要綱」として、新経営方針を策定した次第である。
昭和46年以降の企業環境の変化並びに今後の見通しの中で、とくに当社として重要視し、新方針検討の過程で重点的に考慮した点は以下の諸点である。
- 1)日本経済の国際的地位の急上昇
(海外での摩擦問題) - 2)資源保有国との関係変化
(資源・エネルギー節約時代) - 3)日本経済と自動車産業の成長鈍化
(低成長下の大きい振幅) - 4)インフレの進行
(全面的なコストプッシュ環境) - 5)企業行動の社会的影響力拡大
(企業の社会的責任重視)
これらの諸変化は、いずれも複雑な国際政治・経済要因にかかわる面が多く、従来にも増して不確かな環境見通しの中で会社運営が決断される機会が増えることは、避けられないものと考えている。従って、当社としては今後の経営の基本姿勢として、適正な成長確保に努力すると同時に、社内各機能が様々な不測の変動にも対応しうる能力・体質を兼ね備える努力を指向する考えで、新要綱の内容を構成した。
尚、新要綱は現要綱に対する各部長意見を担当役員が集約見直した上で全役員が検討を重ね、まとめたもので、今後の全社運営の基本であるので、趣旨内容を社内各層に徹底すると共に、中期計画、年度計画、プロジェクト計画等を重点的かつ具体的に策定し、所期の目的の必達を期するものである。
1. 総合
- 1-1. 経営理念
- 1-2. 企業目標
- 1-3. 基本目標値
2. 安全・品質
- 2-1. 全員参加で安全にして働きやすい職場づくり
- 2-2. 「品質のデンソー」の徹底
3. 人事
- 3-1. 全能力発揮の人事管理
- 3-2. 高い能力と豊かな人間性の育成
- 3-3. 生活基盤の安定的向上
4. 技術・研究・開発
- 4-1. 新技術の開発促進
- 4-2. 流動製品並びにその工程の積極的改良
- 4-3. 新製品開発の強力な推進
5. 生産
- 5-1. 国際レベルの生産体制確保
6. 販売
- 6-1. 信用を尊ぶ販売活動
- 6-2. 国際的なシェア向上
- 6-3. 採算重視と生産の安定化
- 6-4. 国内市場における絶対不敗の地位確保
- 6-5. 海外事業の拡大充実
7. 財務
- 7-1. 財務体質の強化
- 7-2. 金融能力の強化
8. 組織管理
- 8-1. 業務の簡素化、効率化体制の確立
- 8-2. 事業部制、製作所制の改善
- 8-3. グループ企業の総合力発揮
80年代対応要綱 1979年9月
当社は昭和39年に「開放体制要綱」を作成して以来、これまでに3度にわたる改訂を重ね、企業運営の長期指針として順守してきた。
各要綱作成の背景となったものは、貿易の自由化・資本の自由化など国際化路線の進展に伴なう熾烈な国際競争への対応、並びに石油危機以後の低成長経済への新たな取組みなど、明確な危機意識と体質強化への強い決意であった。
幸いにも、この15年間の当社は、広く国際市場を対象とした事業展開と高い成長を続けることができたが、これは自動車産業の異常なまでの急成長に支えられた結果であることは勿論、要綱を中心とした企業体質強化への長期的な取組みと、国際企業への前進を目指す不断の努力によるところが大きかったと考えられる。
今回改めて新要綱の作成に取組むことを決意したのは、変化の激しいこの70年代をまずまずの業績をもって終える見通しがついた現在、当社としても次の80年代に如何なる基本理念をもって立ち向かうべきかを明らかにする必要があると判断したからであるが、同時に本年は当社の創立30周年に当るので、新たな構想の下で次の時代の事業計画をスタートさせるにふさわしい機会でもあると考えている。
先の先進国首脳会議の結論(東京宣言)からも明らかな通り、これからの時代はエネルギー節約と経済成長の調和を図るという困難な課題をかかえ、国内外の経済環境は一段と厳しくならざるを得ないが、とくに自動車産業はその影響を直接受ける立場にあるだけに、相当大きな変化を覚悟しなければならない。
このような情勢の中で、当社の今後のあるべき姿、対応すべき重点施策を定めることは大変難しい問題ではあるが、役員グループ・部次課長からの提言をもとに、統括役員会にて討議を重ね、以下の4項目を方針の柱として決定した。
- (1)10年後、1兆円企業をつくりあげる。
- (2)広く国際市場を対象に、安定した経営基盤を確保する。
- (3)事業成長を通じて、従業員の生きがいと生活の安定を図る。
- (4)上記の目標を実現するためにも、各面において実質能力の向上に努めるとともに、新たな施策に積極的に取組む。
これらの項目は、本来の企業責任を果たすために、当社の基本的な経営姿勢を安定成長の実現に置くとともに、発想を新たに積極的な行動を起こす決意を示すものである。
また、不確実な状況の下で企業運営の決断を下し、変化に対応して行かねばならない機会が益々増大すると思われるので、社内の各機能は共に有機的連携を密にして、様々な不測の事態にも迅速かつ総合的に対応し得る能力と体質を備える努力を急がなければならない。
以上の点を含め、当要綱は今後10年間の企業運営の基本とすべきものであるので、趣旨・内容を社内各層に徹底するとともに、長期年度の各計画に展開し、確実な実行を期するものである。
1. 総合
- 1-1. 経営理念
- 1-2. 企業目標
- 1-3. 基本目標値
2. 人事
- 2-1. 生活基盤の安定向上
- 2-2. 全能力発揮の組織・人事
- 2-3. 国際時代にふさわしいデンソーマンの育成
3. 技術
- 3-1. 技術開発力の強化
- 3-2. 世界に誇り得る製品づくり
- 3-3. コストダウン技術の強化・充実
4. 品質
- 4-1. 製品の信頼性向上
- 4-2. 「品質のデンソー」の徹底
5. 生産
- 5-1. 「安全のデンソー」の実現と働き易い職場づくり
- 5-2. 国際水準をリードする生産体制づくり
6. 販売
- 6-1. 総合力をいかした販売活動
- 6-2. 国内市場での絶対不敗の地位確保
- 6-3. 輸出・海外事業の拡大・充実
- 6-4. 生産の安定化
7. 財務
- 7-1. 資金の総合的運用
- 7-2. 採算管理システムの強化・充実
8. 業務運営
- 8-1. 業務体質の強化
- 8-2. 事業本部制・製作所制の改善
- 8-3. グループ企業の総力発揮
90年代対応要綱 1986年11月
当社は昭和39年以来、経営の節目毎に「要綱」を作成し、困難な事業環境を乗り切るための長期の経営指針としてきた。
改めてこれまでの経過を振り返ってみると、自動車産業の力強い成長に支えられたという面はあるものの、時々の要綱を基本に企業体質強化に向けてたゆまぬ努力を積み重ねてきたことが、好結果を生み出すもとになったといえる。その中でも、先の「80年代対応要綱」は、質量共に兼ね備えた1兆円企業を作りあげることを基本目標に、厳しさの増すこの80年代を乗り切る覚悟を示したものであったが、低成長の事業環境下であったにもかかわらず、事業の柱ともいうべきカーエアコン、エレクトロニクス関連製品、海外売上の好調に支えられて、予定より3年も先んじて目標をとらえる段階に至った。
しかしながら、ここへきて事業環境は大きく変化し、これまでの路線では次の飛躍をとうてい望み得ない状況となった。G5の話し合いをきっかけにして引き起こされた、為替の急激かつ大幅な変動は、日本経済ならびにこれを支えてきた輸出産業に甚大な被害を及ぼしつつある。その行きつく所がどのあたりであるかは全く予測のつかない状況ではあるが、最早1年前の状態に戻ることは期待しがたい。
今回、新しい要綱の作成を決意したのは、このような変化に直面して、1兆円後の次なる成長は新しい方針と施策無くしては不可能と考えたからである。変化には新たな発想をもって対処し、規模の拡大にはそれにふさわしい体制をもって臨まねばならない。これから21世紀へ向けての時代の大きな流れが、現状から発すると考えるならば、当社の企業経営はこの流れに乗るべく今から大きな方向転換が必要となる。
このような基本認識の下に、近年TQC全社活動の中で、役員・部長を中心に検討を進めてきた内容を十分に織り込み、21世紀をふまえた上で、今後10年間を行動するための経営方針としてまとめあげたものが当要綱である。その中心を貫く考えは、「自動車部品の専門企業として、世界的規模で戦略経営を展開し、グローバル・デンソーを実現すること」である。具体的には、世界的規模での事業活動を展開する中で、目指すべき世界一製品の実現を図り、世界の優良企業としてゆるぎない地位を確立することであるが、同時に新技術、新製品分野のフロンティアを切り拓くことによって、トヨタグループの発展にも大きく貢献できることを願いとしている。
なお当要綱は、役員・部次課長の提言をもとに、役員グループ、常務会等で討議を重ね、まとめられているが、その柱となる方針は以下の4項目に集約することができる。
- (1)グローバルに事業展開を行う真の世界企業として活動することにより、10年後連結売上高2兆円を達成する。
- (2)自動車分野を主要な事業基盤としつつ、周辺分野へも事業拡大・発展を続ける複合企業を実現する。
- (3)専門分野で特徴を持った関係会社を育成し、幅広く事業分担を行うことにより、グループ全体として強固な経営基盤を確立する。
- (4)これらを実現するための手段として、情報ネットワーク化を中心とする画期的なマネジメントシステムを構築する。
なお、当要綱はあえて従来からの形式を踏襲し、機能別に編成しているが、これはあらゆる部門が各機能別の目標実現に向けて、それぞれの立場で果たすべき役割を考え、社内の総力を結集するために最も適切であると判断したためである。
当社はこれから新しい世界、新しい分野に針路を進めながら、真の世界企業としての地位を確保する決意を固めたわけであり、その実現のためには以上の基本方針はいずれも欠くべからざる項目である。しかしながら、これまでの「80年代対応要綱」の実施状況を見ても明らかなように、総合的にはともかく、機能別には周辺分野における技術開発、グループ企業体制の強化等、幾つかの課題が残されている。改めていうまでもなく、いかに優れた経営戦略も実行に移さなければ無意味である。事実“素晴らしい戦略を不完全に実行”するよりも“少し良い戦略を完全に実行”する方が、組織の持てる力をはるかに大きく引き出し得ることは洋の東西を問わず多くの先例の示すところである。
当要綱の実践にあたっては、旧要綱の実施状況の反省をふまえてできる限り具体的な実行計画に展開の上、全員が試練に打ち勝つ気概を持って、一つ一つの課題を力強く推進することを期待するものである。
1. 総合
- 1-1. 経営理念
- 1-2. 基本方針
- 1-3. 基本目標
2. 営業
- 2-1. 世界一製品づくりによる世界一シェアの実現
- 2-2. 海外事業の戦略的展開
- 2-3. 市場ニーズを先取りした直納製品の開発と販売
- 2-4. 市販市場での強力な地位確保
- 2-5. 周辺事業の積極的拡大
3. 技術
- 3-1. 世界に誇り得る製品づくり
- 3-2. 新製品開発力の強化
- 3-3. 基礎研究の強化
4. 品質
- 4-1. 技術の高度化に立脚した品質保証
- 4-2. グループ品質保証システムの確立
5. 生産
- 5-1. 競争企業を一歩リードする生産体制作り
- 5-2. 戦略的な生産活動
- 5-3. グループ企業との分業体制強化
6. 人事
- 6-1. 活力を高める組織・人事
- 6-2. ニーズに即応した人材の確保と育成
- 6-3. 人間性尊重の職場づくり
7. 財務
- 7-1. 国際的な財務体制
- 7-2. 財務基盤の強化
- 7-3. 財務情報システムの確立
- 7-4. 採算管理制度の充実
8. 業務運営
- 8-1. マネジメント体制の強化
- 8-2. 戦略的分権管理体制の確立
- 8-3. グループ総合力の向上
構造変化対応要綱 1994年1月
1. 総合
- 1-1. 基本方針
- (1)経営維持に不可欠な事業成長の確保
- (2)製品競争力の強化
- (3)円高に耐え得るグローバルな事業体制づくり
- (4)厳しい事態を乗り切るためのスリムな事業体質への変革
- 1-2. 基本目標
- (1)経営維持に不可欠な事業成長の確保
- (2)製品競争力の強化
- (3)円高に耐え得るグローバルな事業体制づくり
- (4)厳しい事態を乗り切るためのスリムな事業体質への変革
- 1-3. 運営体制
2. 重点方策
- 2-1. 経営維持に不可欠な事業成長の確保
- (1)変革の方向
- (2)全社活動
- (3)機能別活動
- 2-2. 製品競争力の強化
- (1)変革の方向
- (2)全社活動
- (3)機能別活動
- 2-3. 円高に耐え得るグローバルな事業体制づくり
- (1)変革の方向
- (2)全社活動
- (3)機能別活動
- 2-4. 厳しい事態を乗り切るためのスリムな事業体質への変革
- (1)変革の方向
- (2)全社活動
- (3)機能別活動
〈電装時報での解説〉
会社は、1964年以来、経営の節目ごとに5~10年先をにらんだ「要綱」を作成し、企業運営の長期指針としてきました。「90年代対応要綱」では、グローバルに事業展開する真の世界企業の実現を目指して取り組みを進めてきましたが、景気の低迷と急激な円高の影響から、当社も目標を大幅に下回るかつてない厳しい事態に直面しています。しかも、この環境変化は一過性ではなく、日本経済全体の構造的なものであり、従来と同じ考え方ややり方ではこの難局を乗り切ることはできません。これから21世紀に向けて大きく飛躍するためにも、これまでの企業体質をあらゆる方向から見直し、強い企業体質への「変革」を実現することが必要です。
このような考え方にそって、今後の日本電装の進むべき方向を示したものが、今回の「構造変化対応要綱」であり、短期間で変革の実をあげるため、96年までの三年間の活動に限定した要綱としました。その基本的な考え方は、「製品を変革する」ことによって、望ましい事業成長の確保と国際的な製品競争力を強化し、「会社を変革する」ことによって、円高をはじめとする環境の変化に素早く対応できるグローバルかつスリムな企業体質をつくりあげようということです。
デンソーをより強く、より素晴らしい会社にするためには、皆さん全員が新要綱の内容をよく理解した上で「知恵」と「力」と「勇気」を結集して全力で変革に取り組んでいただくことが必要です。
会社変革のスタートは、皆さん一人ひとりが従来の枠にとらわれない新しい考え方で直ちに行動を起こすことから始まります。全員ががっちりとスクラムを組みながら、目標に向けて果敢にトライしていきましょう。
(『電装時報』第408号、1997年1月より)