品質

サステナビリティ

当社は創業以来、お客様に信頼され、ご満足いただける安全・高品質な商品を提供することをデンソーグループサステナビリティ方針で約束している。1961年、品質管理の最高権威であるデミング賞を受賞し、今日も続く「品質第一」の思想や風土の礎とした。同賞受賞後は、「品質のデンソー」をスローガンに掲げ、“品質第一”“お客様第一”の経営を基本に、お客様からの信頼をいただいて成長してきた。

1949
12月
会社創立
1950
7月
労働争議からの再出発

4月に決着した労働争議のあと、職場には「会社はつぶれるそうだ」という噂が流れていた。これに対し岩月取締役(当時)は社員に対し、社内報創刊号で下記のように語った。

「わが社が将来も永久につぶれないという保証があるのかと言われるかもしれないが、このことについては軽々しくYesともNoとも返事しかねる。強いて言えば“それは日本電装全員(重役も含めた)の心構え次第だ”ということになる。そして、“最上の品質、最低の原価”の電装品を作り、業界第1位の会社となるよう全員が協力して頑張りとおす以外に道はない。」

会社として「品質で勝負する」ことを決意し、全社を挙げて品質基盤の強化に取り組んだ。

労働争議からの再出発
1956
3月
社是制定
1958
1月
標語「良い品 低コスト」制定

当社初の標語を制定。本格的なQC運動の展開を始める。

標語「良い品 低コスト」制定
1960
10月
QC診断開始
1961
11月
協力工場QC診断開始
11月
デミング賞受賞

当社は、1959年の年度方針でデミング賞への挑戦を表明した。翌年からは全部長・課長、係長・組長と協力工場の幹部に対してもQC教育を進めた。約2年にわたる苦闘の日々を経て、審査はまず東京事務所が1961年8月19日に、本社が9月18日から20日の3日間、そして9月27日には大阪事務所で行われた。

本社の審査が終わった後、林虎雄社長は以下のように語っている。

「審査の意義は、品質管理をどういうふうに5000人の人が理解しているか、どういうことに努力しなければならないか、ということがより大切であると再認識しました。信用のおける品物をつくる、信用のおける納期をもつ、信用のおけるサービスをするという立派な会社が日本電装であるという信用を得るために、皆さんとともに力を合わせていきたい。」

デミング賞受賞
デミング賞受賞
1962
10月
標語「品質のデンソー」制定
1964
9月
QCサークル活動導入
1973
9月
第1次「100%良品を作ろう」運動開始
11月
デンソー初 本部長賞金賞受賞

第3回全日本選抜QCサークル大会で横にらみサークル(電一製造部:当時)がデンソー初の本部長賞金賞を受賞した。

デンソー初 本部長賞金賞受賞
1976
12月
第1回日本電装品質管理大会開催
第1回日本電装品質管理大会開催
1977
1月
第2次「100%良品を作ろう」運動開始
1980
1月
第3次「100%良品を作ろう」運動開始
4月
当社初のリコール問題が発生

オルタネーターのプーリーが破断して吹き飛び、エンジンベルトが絡み走行できなくなるという不具合が発生した。

1983
1月
第1次「世界のデンソー、みんなでやるTQC」運動開始
1984
3月
額田テストコース開設

敷地面積約100万㎡で、1周約2.6㎞の舗装周回路と約2.4㎞の砂利周回路、ならびにスキッド試験路と特殊試験路が設置された。このテストコースの完成で、様々な使用環境条件を想定して実車走行試験ができるようになり、より高性能で信頼性の高い試験が可能となった。

額田テストコース開設
1986
1月
第2次「世界のデンソー、みんなでやるTQC」運動開始
1989
1月
第1次「世界のデンソー、お客様満足度100%」運動開始
1992
1月
第2次「世界のデンソー、お客様満足度100%」運動開始
1995
1月
「世界一競争力ある製品をつくろう」運動開始
1997
12月
自動車関連の全事業部でQS9000認証取得完了
自動車関連の全事業部でQS9000認証取得完了
2000
10月
「品質非常事態宣言」発令

岡部弘社長(当時)は、10月9日に「当社の品質状況は危機的な状況にあり、環境変化に対応できる品質保証体制を一刻も早く再構築する必要がある」と「品質非常事態宣言」を発令し、品質確保のため全社を挙げた計画的な取り組みを指示した。

品質管理部では「品質保証体制」「未然防止」「早期解決」の観点から、「機能展開に基づくFMEAの実施」「QAネットワークによる工程保証度の向上」など計8項目の重点実施項目を決定して展開した。

2001
11月
第1回品質向上展示会開催
11月
網走テストセンター完成

年間を通して、世界各国の特有路面・超高速・登降坂・大小コーナー・寒冷地での環境を含めた実車試験が実施可能な総合性能評価コースを整備した。

網走テストセンター完成
2003
11月
ISO/TS16949認証取得
2004
10月
髙橋朗相談役デミング賞本賞受賞
2006
1月
「品質のデンソー」復権運動開始
1月
信頼性センター設立
2010
4月
品質緊急プロジェクト発足

グローバルな品質基盤の強化に向け、品質管理部を事務局に、営業、サービス、関連事業部を巻き込んで活動した。重点取り組みは、安全な製品づくり、お客様視点の情報収集、地域軸の自立化であった。

2017
9月
IATF16949認証取得
2019
6月
「品質のデンソー」復権キャンペーンを開始

「全従業員が当社の品質状況、お客様の当社の品質に対する評価、生声を共有し、品質第一に徹して、お客様視点で日々の仕事のやり方を見つめ直す機会とする」「部門長・部長が自らの想いを部下へ伝え、その想いを基に職場単位で仕事のやり方を省みて、議論、職場の行動宣言と一人ひとりの行動へ落とし込む」という二つの狙いがあり、キャンペーン啓発用のノボリも全社の至る所に掲げられた。

「品質のデンソー」復権キャンペーンを開始
2020
6月
「Reborn21」発表

2019年以降、経営の基盤を揺るがす過去最大規模の品質問題の発生、右肩上がりの売上成長にブレーキをかける新型コロナウイルス感染症の発生など、当社を取り巻く事業環境は大きく変化した。どんな時代や環境の変化にも対応し、新たな価値を提供できる「引き締まった強靭な体質への変革」を目指し、21年度に新しいデンソーとして再出発するための変革プラン「Reborn21」を発表した。

Reborn21で掲げる変革ポイントは、「社会・お客さまのために、ワクワクする移動の未来をつくりたい。そのために『お客さまへの貢献(戦略)』『仕事の進め方』『働き方(人・組織)』の質(Value)を高める。そしてそれが、デンソーの経営・信頼の基盤である『品質のデンソー』の再出発につながる」と考えて活動を進め、2021年3月に品質の再出発を宣言した。

「Reborn21」発表