第1章 始まり(1987~2003年)

5. 電装(天津)馬達有限公司(DMTM)の設立

1. 天津阿斯莫汽車微電機有限公司の設立

1996年5月28日、天津阿斯莫汽車微電機有限公司の第1回董事会(取締役会)が同社の会議室で開かれた。会議では上級管理職の任命や組織構造が承認され、社内の各種規約や制度も承認された。この期間には王放董事長と白井義道副董事長による事前の会談が行われ、正式な操業に向け制度面の準備も円滑に行われた。1996年5月29日、天津利順徳大飯店で天津阿斯莫汽車微電機が開所式を開催した。日本のアスモの志賀拡社長と白井義道専務、豊田通商の島津常務らの重要なメンバーが、遠くから天津に駆けつけ、式典に花を添えた。

2004年5月新工場に移転し、5月18日に新工場の定礎式が行われた。新工場の順調な滑り出しに伴い、2005年12月にK型ブロワーモーター、GSパワーウインドーモーター、C型シートモーター、GPワイパーモーターなどの大量の新型モーターとそのサブアセンブリの生産ラインを導入した。生産能力を継続的に拡大し、製品品質をさらに向上させていた。

2. 天津阿斯莫汽車微電機有限公司、電装(天津)馬達有限公司に社名変更
社屋
社屋

2011年8月、中国経済の力強い成長に伴い、2期工場を拡張し、完工式を行った。2019年5月13日、天津阿斯莫汽車微電機有限公司はBF23モーター(以下、BF23)の正式な量産開始の日を迎え、この記念すべき一日を祝福するため、徳田総経理、遠山副総経理、製造部劉部長が先頭に立ち、製造課室および各関係部門のスタッフ一同で記念式典を開催した。まず徳田総経理が全参加者に、将来的に柱となる製品としてのBF23の重要性を語り、その後遠山副総経理の呼びかけで、全員で、第7生産ラインで第1号BF23の正式なラインオフを見届けた。BF23を担当する係長がこのモーターを徳田総経理の手に引き渡し、最後に一緒に集合写真を撮影した。BF23の量産により、天津阿斯莫汽車微電機に性能の優れた製品を生産できる実力があることが証明された。BF23の第7生産ラインは全自動化生産ラインで構成され、タクトタイム(部品一つの製造に必要な時間)は2.7秒である。これはデンソー中国の生産会社の中でも画期的な製品であり、中国自動車市場にさらに多くの貢献をもたらす。

2019年10月、事業の発展に伴い、天津阿斯莫汽車微電機有限公司は電装(天津)馬達有限公司(DMTM)に社名変更された。2020年9月、中国側株主が百利装備集団に変更となった。

DMTMは今では先進的な製造技術と高度な加工、検査設備を兼ね備え、デンソーの管理方式を厳格に実施している。優秀な研究開発やマネジメントのチームを有し、科学的な品質管理システムも確立した。現在は天津一汽トヨタ自動車、四川一汽トヨタ自動車、広汽トヨタ自動車、広州ホンダ、北京現代、長安スズキ、長安Ford、上海GM、東風KIA、長春一汽豊越などの自動車用マイクロモーター製品の主要なサプライヤーである。