第2章 勢いを蓄える(2003~2018年)

2. 広州電装有限公司(DMGZ)の設立

1. 広州電装有限公司の創立
広州電装旧工場事務棟
広州電装旧工場事務棟

1999年、広汽集団は旧・広州豪華空調器有限公司を再編し、デンソーと技術援助契約を締結し、協業を進めた。2003年、広汽零部件有限公司が豪華空調の利用可能資産を用いて電装(中国)投資有限公司と共同出資し、広州電装有限公司を設立した。再編過程では数々の困難に見舞われたが、株主双方の先見的な考え方と誠実な協力で広州電装として生まれ変わった。

広州電装は創立以来、中国の自動車工業の発展に伴い、幾多の試練を乗り越えて、走り続けてきた。20年間のたゆまない、日々の鍛錬により、業界をリードする自動車部品会社に成長した。4つの熱交換器の内製を基礎にエアコンユニット、コンデンサー、複合熱交換機、およびヒートポンプモジュール等が主要製品である。広州電装は親会社双方の優れたDNAを継承し、安全、品質、環境、そしてコンプライアンスの基盤を強固にし、技術力と組織力で競争力を確保し、お客様に感動を与える力を蓄えてきた。東風ホンダ(04年)、広汽ホンダ(04年)、広汽トヨタ自動車(06年)、広汽乗用車(10年)、長安汽車、長安フォード、広汽AION、上海汽車等数多くの完成車メーカーに製品とサービスを提供している。中国No.1の自動車用空調システム及び熱交換器工場を建設することを目標に、たゆまぬ努力により、この地域、さらには華南地区の自動車部品製造業界のリーダー企業に成長するよう努力している。

2017年3月、日々発展していく西南地区自動車産業のさらなる発展を促進するため、重慶両江新区に重慶分公司を設立した。2020年、東風ホンダに対するサポート力を強化し、中部地区の広州電装の事業基盤を固めるため、武漢市蔡甸(さいでん)開発区に武漢分公司を設立した。広州、重慶、武漢にも生産拠点を設立し、華南地域を中心に、華中、華東、西南の地域をカバーする供給レイアウトを構築した。

「先進、信頼、総智・総力」というデンソースピリットを掲げ、【ダントツであり続け、世界に感動を与え、満ち溢れる情熱で人の笑顔を開花させる】を使命とし、【4最(最新、最高、最強、最美)を追い求め、業界をリードするベンチマークになる】をビジョンとし、【コミュニケーション、協力、効率、イノベーション】をコアバリューとしている。全力を尽くし、変化を先読み、常に人より一歩先に、ダントツであり続け、DMGZパーソンのパッションと元気さで世界に感動を与える製品を作り、社会の進歩を推し進める。

2. 新工場移転

2011年、広州市の珠江デルタ一体化計画および都市発展計画の「東進(東へ進む)」の実現を加速させ、ハブとなる広州東部(新塘)交通センターを建設するとの政府の呼びかけに対応し、広州電装は、同年上期からデンソーと広汽零部件の指導の下、工場移転のための計画策定、移転先の選定、新工場の設計・企画などを開始した。

新工場事務棟
新工場事務棟
新工場鍬入れ式
新工場鍬入れ式

新工場は、旧工場から約8km離れた増城(ぞうじょう)経済技術開発区自動車工業園に位置する。新工場は2012年3月に着工、2013年2月に竣工、同年3月から一部製品の量産を開始し、その12月末までに設備の移設を完了した。今回の工場移転では、将来の生産量2.5倍増も視野に入れ、新工場の面積を1.4倍に拡大した。移転を機に、工場レイアウトの再計画、業務フローの最適化、作業環境の改善を図るとともに、新工場の生産能力拡大を機に、より高度な製造技術の導入と高効率な人材の育成に取り組み、「3最」(=最高・最新・最強)を打ち出した。新工場をより競争力のある活力溢れる工場に変貌させ、「4最ビジョン」をさらに推し進めるための基礎を築いた。

3. 20周年記念イベント
20周年記念式典
20周年記念式典
「4最」ビジョンの空撮
「4最」ビジョンの空撮

2023年7月8日、広州電装創立20周年の節目に、「練磨前進してきた20年、心を一つに未来をつくる」をテーマとする記念式典を南豊朗豪酒店(ランガムプレイス広州)で盛大に開催された。広州電装の両株主のトップや歴代出向者代表、全従業員、武漢と重慶工場従業員代表など1,500人余りが集まり、広州電装の20年に渡る数々の成果をともに見届け、ともに未来を展望し、次の20周年に期待を寄せた。 

式典のオープニングではファンタジックなライトショーが繰り広げられ、エンジンの加速音で会場全体が一気に沸き上がった。全員で20周年記念のPRビデオを鑑賞し、広州電装が先人から引き継いで未来への道を切り開き、変革・革新し、ダントツを追い求め、挑戦・飛躍した20年間をともにしみじみと味わった。一つ一つの見覚えのある画面に、誰もが血を湧きたたせ、輝かしい未来への希望が湧いてきた。バースデーセレモニーでは、会場の全員で広州電装のためにハッピーバースデーの歌を歌い、広州電装の20歳の誕生日をお祝いした。

広州電装20年の成長の過程は、中国自動車産業の勢いのある発展の縮図である。この20年の歳月の中で、中国自動車産業は絶えず急速に発展し、従来のガソリン自動車時代から「CASE」時代に入った。そして広州電装も時代の歩みとともにreborn、成長した。これらの成果はお客様からのご愛顧、株主双方からの多大なる指導と支援、歴代出向者と全従業員が協力してコツコツと重ねてきた努力と切り離すことはできない。広州電装は一歩一歩成長し、その過程の中で、コミュニケーションを大切にし、果敢に挑戦し、カイゼンを継続し、優れたものにさらに磨きをかける企業文化も形成された。これらの積み重ねが、最も貴重な財産であり、成長し続けるための礎でもある。

20周年の新たなスタート地点に立ち、先輩から継承したものを後輩に引き渡し、未来への道を切り開いていかなければならない。これまでの経験を踏まえ、長期的な視点に立脚し、未来について深く考える必要がある。現在、世界中の自動車産業が大きく変革され、自動車の自動化、スマート化、コネクティブ化、共有化への発展が加速し、スマートモビリティやスマート交通の発展も勢いがある。中国自動車業界の変革と発展のチャンスをより多くつかみ、次の輝かしい20年を作り出すため、広州電装も電動化を軸としてポートフォリオの変革を行っていく。地球にやさしく、すべての人が安心と幸せを感じられるモビリティ社会の実現に向け、業界と連携し、シナジー有るバリューチェーンを生み出し、ビジネスモデルの電動化シフトを自ら推し進め、新エネ自動車産業の発展のために広州電装の力を捧げる。社会的責任を果たすべく、省エネ生産技術の革新と応用、エネルギー構造の改善で、太陽光発電とクリーン生産を推進し、カーボンニュートラルをサポートする持続可能な発展を目指す。