3. 天津富奥電装空調有限公司(TFDA)の設立
1. 天津富奥電装空調有限公司の設立

改革開放以降、天津はその特有の強みを生かし、いち早く中国自動車産業の重要な基地の一つとなった。デンソーの重要なお客様(カーメーカー)の数多くが次々と天津で合弁工場を建設し、現地生産を開始した。このような市場環境により、天津地区におけるデンソーの事業展開がさらに早められた。2003年、電装(中国)投資有限公司(以下、DICH)と一汽グループ傘下の富奥汽車零部件股份有限公司が提携についての話し合いを始めた。提携内容は合弁工場の建設によるカーエアコンの生産で、主な供給先は天津一汽トヨタおよび周辺地区の完成車メーカーだった。提携の協議期間、双方には事業範囲・共同出資の条件などで数多くの意見の相違があった。だが将来を見据えるという共通の目標と双方の幹部クラスの良好な信頼関係という二つの要素に支えられ、同年7月に提携契約の調印式が無事行われた。10月には設立式典を開催し、天津富奥電装空調有限公司(以下、TFDA)が正式に設立された。TFDAはDICHが工場建設に投資した2番目の生産会社であり、広州汽車との合弁による広州電装(DMGZ)に引き続き、合弁工場建設プロジェクトに再び成功したことになる。このデンソーと一汽との強者連合により、デンソーの中国自動車市場開拓にさらに拍車がかかった。
中国経済の躍進と自動車市場の発展に伴い、よりお客様に寄り添い、より現地化した生産を実現するため、TFDAは2010年12月に長春分工場を開設し、続けて2012年4月に佛山分工場を開設する。今では東北、華北、華南を横断する天津、長春、佛山の3地点に工場を持ち、その生産力は大幅にアップしている。良質な製品、一流の技術、デンソーグループの先進的なマネジメントシステムに支えられ、業界の大手企業へと着実に成長していった。
2. 天津富奥電装空調、設立10周年& 500万台目エアコンラインオフ式典
2013年12月6日、TFDAが設立10周年の祝賀式典を開催した。人びとの心を奮い立たせるウオータードラムのダンスとともに、祝賀式典の序幕が開く。天津西青区の劉啓閣副区長、富奥零部件の葉凡総経理、デンソーの鹿村秋男専務(TFDA副董事長)、DICHの山田昇総経理(TFDA董事)、TFDA歴代の出向者、富奥グループとデンソーグループの関連幹部らが出席し、全従業員とともにTFDA誕生10周年を祝った。
式典の会場では、各クラスの幹部がスピーチを行い、10年の間にTFDAが成し遂げた業績を高く評価し、またTFDAに合弁会社として今後の厳しい競争環境の中でも発展していってほしいと大きな期待を寄せた。10周年祝賀式典のメインセレモニーがスタートすると、「富奥電装十周年」の7色の立体的な文字が台上からゆっくりとせり上がり、祝賀式典の盛り上がりもピークに達した。TFDA従業員たちの「作業着ダンス」の演目では、彼らのひたむきな仕事への情熱が披露され、その踊りが終わりに近づくと、TFDAの500万台目のエアコンが恭しく舞台に運ばれてきた。TFDAの歴代の総経理と副総経理がこの記念すべきエアコンにリボンをかけ、その誕生をともに見届け、ともに祝った。従業員代表が宣誓し、全従業員が会場全体を揺るがす声で3回叫んだ。「ジャーヨウ(頑張るぞ)!ジャーヨウ(頑張るぞ)!ジャーヨウ(頑張るぞ)!」。 その声に会場にいたすべての人が「富奥電装人」の会社の未来に対する揺るぎない自信をよりしっかりと感じとった。そして従業員自らが改編した『超越10年(10年を乗り越えて)』の歌声の中、祝賀式典はつつがなくその幕を閉じた。
3. 天津富奥電装空調、1,000万台目エアコンラインオフ式典
「怒涛の14年、輝ける1,000万台」。TFDAは2003年の工場建設以降、最初の天津工場から今の南北を縦断する天津、長春、佛山の3地点の工場まで、全員が総智・総力の精神でたゆまぬ努力を続けてきた。そして14年の歳月を費やし、2017年7月18日、3工場累計でエアコン生産台数1,000万台を達成した。
同日午後、TFDAの1,000万台目のエアコンのラインオフ式典が製品エリアで盛大に行われた。中国地域董事会メンバー、TCC(Thermal China Center サーマル事業中国センター、2022年にCHT<CH Thermal>に名称変更)のVIPおよびTFDA3拠点の幹部クラスとTFDA天津の全従業員がともにこの輝かしい瞬間を目撃した。すべての来賓とTFDAの3工場の幹部が現場で1,000万台目のエアコンのラインオフを見届けた後、式典が正式に開始された。式典参加者は全員でTFDA14年間の歩みのビデオを鑑賞した。会社が堅実に前へと進んできた道のりに刻み込まれた数々の思い出に、会場にいた人びとは感慨にひたり、喜びをかみしめていた。続いて、牛田総経理、張興波副総経理、甘先国董事長、木村和昌董事がそれぞれあいさつを行い、輝かしい業績を振り返るとともに、TFDAの全員に新たな期待を寄せた。幹部と来賓のスピーチの後、従業員代表が全従業員を率いて宣誓を行い、大きく響く、熱気あふれる宣誓で「富奥電装人」の意気込みと仕事への情熱を叫んだ。これと同時に、AGV(無人搬送機)がラインオフしたばかりの1,000万台目のエアコンを載せてゆっくりとメインセレモニーの舞台へと走行し、従業員代表がそれを式典のテーブルの上に運んだ。すべての来賓とTFDA3工場の幹部クラスが1,000万台目のエアコン上に記念のサインを行った。この1,000万台目のエアコンには輝かしい栄光だけでなく、夢と希望も詰め込まれていた。最後に全員で記念写真を撮影した。
4. 天津富奥電装空調、設立20周年& 2,000万台目エアコンラインオフ式典
2023年10月13日、「万物向新、聚勢而生(万物は新たな方向にむかい、新たな機運が生まれる)」をテーマにTFDAの20周年祝賀式典が会社の生産現場で盛大に行われた。TFDAの全従業員と分工場の従業員代表のほか、富奥汽車零部件の関連部門の幹部も参加。DICH、CHTの各拠点、中国地域のデンソーの各幹部、遠路はるばる駆けつけた歴代のTFDA出向者など400人余りがこの式典に参加した。
式典準備の間には、株主双方の本社や各兄弟会社からお祝いの花が次々と贈られてきた。 13時15分、招待された各来賓が順番にロビーで到着のサインを行い、TFDAのマスコットキャラクター(凱爾<カイル>&薇兒<ウェイアール>)と記念撮影。来賓用控室に案内され、TFDA3拠点の部門の素晴らしい映像を鑑賞するとともに、親しく交流した。祝賀式典の正式な開始前、会場に到着したすべての来賓は会社の上級幹部に伴われて3組に分かれ、現場参観を行った。10月13日午後3時18分、20周年祝賀式典が正式にスタートした。式典会場で、TFDA20周年をテーマとするPR映像「富奥電装 怒涛の20年」とオープニングダンス『熱烈』が披露され、式典が幕を開けた。PR映像の鑑賞とオープニングダンスの後、司会者が登場して招待された賓客を恭しく紹介した。富奥汽車零部件の董事、総経理、党委員会書記兼TFDA董事長の甘先国、デンソーのサーマルシステム事業グループ長兼TFDA副董事長の山崎康彦、TFDA総経理、董事の小池育夫が順番に登壇しあいさつした。幹部たちはTFDAの今後の発展に大いなる期待を寄せた。その後、幹部たちがともに台に上がって、TFDA20周年祝賀式典のメインセレモニーの舞台をスタートさせ、TFDA各部門の従業員代表と分工場の従業員代表がそれぞれ素晴らしい演目を披露した。
2004年の1台目のエアコンの生産から始まり、TFDAは今や2,000万台目のカーエアコンのラインオフを迎えるまでになった。未来のドアがゆっくりと開き、それとともに2,000万台目のエアコンを載せた第4世代のAGVが3工場の5年目、10年目、15年目、20年目の従業員代表に付き添われ、全員の方に向かってゆっくり走行してきた。TFDAの歴代の総経理、副総経理が全員と一緒にこれを見届け、TFDAの2,000万台目エアコンラインオフの記念薄にサインした。この歴史的な瞬間、TFDAの各部門の従業員代表が朗々と響く声で心の誓いを謳いあげた。
光陰矢の如し、20年は歴史という長い川の中ではほんの一瞬にすぎないが、押し寄せる大波のごとく実に壮大であった。協力し合いながら奮闘してきた20年はわれわれに貴重な財産を残し、ともに苦難を乗り越えてきた20年が、重い責任としてわれわれに残された。20年で成し遂げた実績をことさら誇りに思う時、まじめにこつこつと働き、会社の発展に貢献してきた新旧の従業員たちや出向者たちのことを忘れることはできない。全員の意識改革、カイゼンの精神と開拓する力があったからこそ、今のTFDAを成就させることができた。従業員が「変革、ウィンウィン、思いやり、責任、誠実、意志」という共通の価値観をともに実践し、自動車部品業界の優良企業へと成長した。これからもTFDAは安全と品質に立脚し、効率化、インテリジェント化のためのカイゼンを推進し、「中国屈指のサーマルシステムサプライヤー」という企業のビジョンを実現するため、絶えずより高い目標へと挑戦していくだろう。20周年の新しいスタート地点に立ち、新しい道を切り開いて、より輝かしい未来へと向かっていく。