9. 電装(常州)燃油噴射系統有限公司(DMCF)の設立
1. 電装(常州)燃油噴射系統有限公司の設立
全世界で環境保護への意識が高まり、それとともに自動車の排ガス規制も厳しさを増しているが、中国もその例外ではない。デンソーは2006年にいち早く研修センターで燃料噴射システムCRS(コモンレールシステム)関連の技能研修を開始し、2010年までに現地で関連製品を生産する事業計画を策定した。2007年初頭、中国政府が自動車排ガス規制に関する規定(国Ⅲ:国家第3段階基準)を発表し、2008年に実施を開始すると公布した。デンソーの立場からすれば、従来の輸入による供給方式をそのまま踏襲してすべての製品の生産を日本本社工場に頼るとすれば、供給量は明らかに中国市場の需要を満たすことができない。新政策の施行に対応するのであれば、顧客のニーズにも最大限応えようと、燃料噴射システム関連製品の現地化生産を加速させることを決定した。
こうして2007年6月、電装(常州)燃油噴射系統有限公司(以下、DMCF)が設立された。デンソーグループの全面的な支援と現地関係者の一致団結した努力のおかげで、わずか1年半ですべての準備作業を終え、2009年1月にディーゼル製品の生産を正式に開始した。このDMCFの設立と操業においてはデンソーグループのお客様第一の経営理念とデンソースピリットが十分に体現されていた。DMCFの設立は電装(中国)投資(以下、DICH)そしてデンソーグループにとって非常に大きな挑戦であった。この会社の設立は、中国事業の発展における大きな障壁の突破であり、貴重な成功モデルであった。
2. DMCF黒字化拡大団結式
2015年6月26日、DMCFは黒字化拡大のための団結式を開催した。団結式では、まず長坂総経理が挨拶し、貴船総経理の時代に築いた規定の作業を順守している職場、長田総経理の時代に推進した工場のリーン化(ムダの排除)活動、DMCFのコア人材の育成、さらには後方で黙々と支援したDMCFのスタッフに対して、感謝の意を表した。またDMCFに対し、今後電装グループと中国にとってなくてはならない拠点に成長するように懸命に頑張らなければならないとの言葉があった。この決意の気持ちを忘れずに、長坂総経理のもと、会社とともに、事業の拡大・利益の拡大を目指し、中国の人びとから称賛される会社を皆でつくりあげていかなければならない。その後、来賓と会場の全従業員がともに事務局が丹精込めて制作したビデオを鑑賞した。ビデオには会社の設立から現在までの出来事が描かれ、数多くの従業員が感動の表情を浮かべていた。
その後、DICHの村上総経理が挨拶し、皆の真面目な仕事ぶりと努力に心からの敬意を表した。そしてDMCFの経営陣と全従業員がより自信をもって一致団結し、ディーゼルエンジン用コモンレールシステムの生産によって中国の環境改善に寄与し、地方政府から評価され、中国社会とデンソー中国グループにとって欠くことのできない会社となってほしいと述べた。続くデンソーの竹内事業部長もDMCFの2014年度年間黒字化達成に、心からの祝福を送った。そしてDMCFが継続的な黒字化を実現するため、「確固たる基盤」の上に立つという前提の下、三つの期待を掲げた。第一に安全優先、第二に標準作業をしっかりと守る、第三にデンソーグローバル統一品質の実現である。同時に彼はディーゼル事業部が引き続き全力で支援すると表明した。
来賓たちのスピーチの後、DMCF従業員の芮波(ゼイハ)が代表としてスピーチを行った。会社の発展と従業員の直接的な利益は密接に関係し、会社とともに呼吸し、命運を共にすることは従業員たちの職責であると彼は述べた。今日成し遂げたことを明日の出発点とし、DMCF全従業員がデンソースピリットを掲げて、EF活動(EF:Excellent Factory ダントツ工場づくり)を中心とするさまざまな活動に積極的に参加し、これからも黒字化拡大のために貢献していく。最後に、大会の秘密の特別ゲスト、カメラ付きドローンが隊列の前方に登場し、従業員と来賓が懸命に手を振ってこれに応えた。ドローンが記録した人びとの笑顔、従業員の名前が記された桜の木、これらがDMCFのより輝かしい未来を予告しているかのようだった。