第3章 躍進(2018年~)

2. 電装光庭汽車電子(武漢)有限公司(DNKT)の設立

社屋
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2018年5月30日、湖北省の曹広晶副省長がデンソーの専務役員・加藤之啓ら一行と会談した。この訪問はデンソーの幹部クラスによる初めての中国中部の省の訪問であり、湖北省における自動車関連の投資と技術協力を推進することを目的としていた。加藤専務役員は同省の武漢光庭社を視察し、同社と共同出資で会社(すなわち電装光庭汽車電子有限公司)を設立することを決定した。同年9月28日、武漢光庭信息技術股份有限公司(以下、光庭)とデンソーが武漢で戦略的な合弁契約の締結式を行い、電装光庭汽車電子(武漢)有限公司(以下、DNKT)が設立された。

2019年4月23日、DNKTの開所式が武漢の新技術開発区・東湖高新区で開催された。12月、中国のトヨタ自動車向け12.3インチデジタルメーターのソフトウエア開発を受注し、DNKTが先行開発したR-Car E3コア分離構造が採用された。現在、このデンソーと光庭の合弁会社は東湖高新区で登記されオフィスを構えている。

光庭とデンソーの協力関係は長期間に及んでおり、2012年から光庭はデンソーの中国での開発協力パートナーとなり、ナビゲーションの地図開発、メーターのソフトウエア開発などカーエレクトロニクス製品の開発を共同で行ってきた。この合弁では、DNKTのTier1事業資金として共同で1億元を投資している。双方が手を組んで中国市場向けのインテリジェントコックピット製品を研究開発し、コックピット製品を軸としたカーエレクトロニクス製品で中国市場に参入するとともに、ソフトウエア開発の競争力を極めデンソーグローバルの開発にも貢献していく。DNKTはインテリジェントコックピットやスマートモビリティの研究開発にも力を注ぎ、もっと安全で、もっとかしこく、もっと素晴らしいモビリティの実現を目指していく。そして今後、双方の強みとなるリソースを存分に生かし、中国の特色を持ち革新的な製品を開発することで、次世代コックピットを再定義し、ソフトウエア主導の技術革新で、製品を差別化する流れを先導し、モビリティの新境地をつくり出していく。