トップメッセージ
- 役職
- インド地域CEO
- 名前
- 飯田 康博

今から40年前、1984年にインドデンソーグループは、インドSRF社との合弁会社(現・デンソー・インド<DNIN>)として事業を開始いたしました。その後、1999年にデンソー・ハリアナ(DNHA)、デンソー・キルロスカ・インダストリーズ(DNKI)、2001年にデンソー・サーマルシステムズプネ(DTPU)、2010年にはデンソー・インターナショナル・インド(DIIN)、2011年にデンソー・スブロス・サーバルエンジニアリングセンター・インド(DSEC)を設立、またインドSubros社への出資によるパートナーシップ強化により、事業を拡大し、現在に至っています。
これまでの歴史を振り返ると、インドデンソーグループは、インド国内の自動車産業の発展とともに徐々に成長してきたものの、不安定なインド経済の煽りを何度も受け、また多くの政府規制や制限等の影響により、幾度も経営不振に陥りました。しかしその都度、インドの社員皆が、会社を守ろうと思う強い気持ちと、決してあきらめない精神をもとに、総智・総力でこの経営不振を乗り越えてきました。またこの過程では、会社と組合が対話を続け、コミュニケーションの大切さをお互いに理解しあいながら、思いを一つにしてこの苦難に立ち向かいました。現在インドグループがこうしてオペレーションをできているのは、まさに先人達の努力と、また経営危機の際に惜しみない支援を行ってきた地域、本社の皆様のおかげであり、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。今後デンソーグループがインドの環境の中で持続的に成長していくためには、こうして何度も環境の変化を乗り越えてきた歴史に学び、先代の姿勢を次の世代が確実に受け継いでいくことが必要と考えます。
さて、現在のインドを見てみますと、2023年に中国を抜いて世界一の人口大国となり、さらにGDPも世界5位にまで躍進しました。そして同年のG20を機に、グローバルサウスのリーダー的地位を確立し、インドへの注目がいっそう高まりつつあります。
こうした中、インドモビリティ社会の向かう姿を改めて自分達自身で考察、整理してみますと、幾つかのキーワードが浮かび上がってきます。その数例を掲げてみますと、
- 多様なニーズと高い再エネ供給に応える環境に優しいマルチパスウェイ
- 裾野の広い自動車産業が、「Make in India」と雇用拡大及び人材育成に貢献し、共に成長
- 発展しつつある都市と人口比率6割を占める農村部が連携した高効率なエネルギー循環
- IT王国インド自身がイニシアティブを取って進める、「データでつながるモビリティ社会」の構築
などです。これからのインドデンソーグループは、まさに上記のキーワードに着目しながら、今まで以上に外向き志向に意識を変え、変化の予兆や潜在ニーズを素早く捉えていかなければなりません。そしてこれらを踏まえ、我々の果たすべき役割と貢献領域を、製品、モノづくり、人材育成の視点から、しっかりと見定めて、社員一丸となって挑戦していきたいと思います。さらに自社の力だけでできないことは、良きパートナーをより積極的に見つけ、連携することで、スピード感を持って大きな成果を作り出していきたいと考えます。
過去から現在へ受け継いだように、今後も未来に向かって、インドの発展とともに、持続的成長を果たすデンソーインドグループであり続けることを願います。