はじめに
デンソーとインド ― 連携し、ともに成功を目指す
デンソー・インド・ファミリーの誕生とその遺産
デンソーはインドの自動車部品業界において、その最先端の技術と革新的ソリューション、そして品質に対する揺るぎない献身で知られている。業務用と自家用の二輪車および四輪車向け部品から点火プラグまで、デンソーはあらゆる製品を取り扱う信頼のブランドとなっている。しかし、最初からすべてが順風満帆だったわけではない。インドの自動車部品業界で信頼を得るまでに、デンソーは数々の政府の規制や制約、地理的な課題に直面してきた。
しかし驚くべき不滅のイノベーション精神と、インドの自動車産業の向上に対する献身が会社を前進させ、多くの人が夢物語だと思っていた数々の画期的な偉業を成し遂げることができた。デンソーの輝かしい業績を振り返る時に思い起こされるのは、会社の過去を形づくるとともにインドの未来に刺激を与え続けてきた、レジリエンス、決断力、そして夢である。
デンソーの成功の根幹にあるイノベーション
デンソーはイノベーションの力によって、少なくとも一時的に低迷を脱することができた。今やダイナモを時代遅れにしたオルタネーター。その導入を支えたのは、まさにデンソーだった。現在も先進の自動車技術で革新し、先頭に立ち、世界中の幅広い顧客に製品とサービスを提供し続けている。デンソーが紡いできた成功の物語は、努力、決断力、イノベーションへの献身を通じて大きな成果をあげようと努力する、すべての人に刺激を与えている。
デンソーグローバルネットワーク:先端技術と品質で世界をつなぐ
デンソーは年月を重ねる中で、最先端の技術と品質への献身的な取り組みで知られる自動車業界の世界的リーダーへと成長した。今や世界中のクルマに搭載されているデンソーの製品とサービスは、エンジンを始動し、快適機能と安全機能を提供し、効率的な運転に貢献している。
その成功は革新的な製品だけでなく、世界各地の顧客やパートナー企業とデンソーとをつなぐ、グローバルなネットワークにも支えられている。営業所、生産施設、研究センターのネットワークを通じて、常に業界の最前線に立ち続け、世界中の顧客と市場のニーズを先取りして対応することができるのだ。
成功は共有されてこそ持続可能
このグローバルネットワークは、総智・総力、コミュニケーション、共通の価値観という基礎の上に築かれている。デンソーの社員とパートナー企業は共通の使命のもとで団結し、革新的で持続可能なソリューションを通じて自動車産業を発展させることで、社会のために価値を創出しようと取り組んでいる。働く場所が日本、北米、欧州、アジア、インドのいずれであろうと、デンソーのチームは卓越への情熱と顧客満足に対する献身を共有している。
デンソーはこのネットワークを通じて、現地企業の俊敏性と応答性、そしてグローバル組織のリソースと能力という、両者の長所を一つにまとめることができる。これによって各市場固有のニーズに合わせた製品やサービスを提供することができると同時に、グローバルな専門知識と経験を生かしてイノベーションと効率を推進できる。
顧客とパートナー企業の所在地が世界のどこであろうとも、このグローバルネットワークを通じて世界最高クラスの技術と専門知識を利用できる。つまり、固有の課題と機会を理解して最善のソリューションの提供に尽力してくれる、信頼できるパートナーの協力を得られるということだ。つまり、世界のどこであれ、デンソーはいつでも現地でニーズに対応できることを意味する。
インドのデンソー:製品、オフィス、その他
製品 ― デンソーが作り出すもの
インドのデンソーは、スターター、オルタネーター、空調制御装置、エンジン制御装置(ECU)、インジェクター、エンジン冷却モジュールなどの多様な自動車部品を含む、幅広い製品を提供している。さらにコネクテッドカー、先進安全システム、電動化技術のための革新的なソリューションも提供している。以下はデンソーの主な事業グループである。
- パワートレイン制御システム
- 電子装置
- サーマルシステム
- 情報・安全システム
- 小型モーター
1984年に始まったデンソーのインド事業は、2024年に40周年を迎える。
デンソーはインドで事業を開始して以来、パワートレイン(エンジンマネージメントシステム)、電動化(オルタネーター、スターター、小型モーター)、空調制御装置、情報・安全(メーター、エアバッグ-ECU)などのための先進的な自動車技術、システム、部品の製造・設計業務に携わっており、グループ会社全体で4,000人を超える高度に熟練した社員が働いている。
インドのデンソーでは、二輪車や四輪車など、さまざまな車両タイプに対応した広範な製品を提供している。
地域統括拠点は本部であると同時に技術設計室でもある。
デンソー・インターナショナル・インド(DIIN)
場所-デリー首都圏マネサール、グルガオン(ハリヤナ州)
デンソー・インターナショナル・インドはインドにおけるデンソーの地域統括拠点である。
本部はインド地域における販売の拠点であり、機能ハブサービスを提供している。
ここにはデンソーの第7グローバル研究開発センターも併設されている。この研究開発センターでは顧客に技術サポートを提供し、最高レベルのサービスとサポートを顧客が受けられることを保証している。専用の研究開発センターは、インド市場固有のニーズに応える新たな製品と技術の開発を担当している。このセンターは電動化、コネクティビティ、先進安全システム向けソリューションの開発に重点を置いている。
製造部
- 統合:DNIN、DNKI、DNHAの三つの製造部
デンソー・インド(DNIN)
場所 ― デリー首都圏グレーターノイダ(ウッタル・プラデーシュ州)
デンソー・インドには二つの工場があり、一つはグレーターノイダ、もう一つはインド北部のハリドワールに位置している。デンソー・インドではオルタネーター、スターター、マグネトなどの製品を製造している。
デンソー・キルロスカ・インダストリーズ(DNKI)
場所 ― ベンガルール(カルナータカ州)
デンソー・キルロスカ・インダストリーズはデンソーの製造会社として南インドに設立された。
製造する主な製品は、自動車用エアコンとラジエーター、バス用エアコンである。
ベンガルールに位置し、南部地域のすべての主要カーメーカーに対応している。
デンソー・ハリアナ(DNHA)
場所 ― デリー首都圏マネサール、グルガオン(ハリヤナ州)
デンソー・ハリアナはインドにおける製造会社として設立されたデンソーの最初の完全子会社である。主にパワートレイン(燃料ポンプ、インジェクター、E/G ECU<エンジン制御装置>、ISCV<アイドル回転速度制御装置>)、電動化、モビリティエレクトロニクス、サーマル製品などの自動車部品を製造している。
インドの多国籍企業が多く集まるグルガオン地区、マネサールの工業拠点に位置している。
同じハリヤナ州のジャジャル地区にも別の工場がある。
サーマル製品技術工学設計室 ― DSEC
デンソー・スブロス・サーマルエンジニアリングセンター・インド(DSEC)
場所 ― デリー首都圏グレーターノイダ(ウッタル・プラデーシュ州)
主にエンジニアリング活動に関連するサーマル製品を扱う設計室。インドのカーメーカー向けサーマル製品の応用設計サービス。
単独:二つの製造部:
デンソー・サーマルシステムズ・プネ(DTPU)、場所 ― プネ(マハラシュトラ州)
デンソーテン ミンダ インド(TNMI)、場所 ― バワル、レワリ(ハリヤナ州)