第2章 成長の初期

1. こんにちは。私の名前はデンソーです。

「Vision」誌の第2巻第2号に掲載された記事によると、ミシガン州サウスフィールドにあるデンソー・インターナショナル・アメリカの従業員たちが、新しい北米本社の屋外看板を初めて見た様子が紹介されている。
「Vision」誌の第2巻第2号に掲載された記事によると、ミシガン州サウスフィールドにあるデンソー・インターナショナル・アメリカの従業員たちが、新しい北米本社の屋外看板を初めて見た様子が紹介されている。

1996年7月1日、全世界での社名変更に伴い、北米のニッポンデンソー各社は「デンソー」各社となった。刈谷市に世界本社を置くニッポンデンソーは、1996年10月1日に社名を「株式会社デンソー」に変更した。

北米の6社が1996年7月に社名を変更し、合弁会社7社(ミシガン・オートモーティブ・コンプレッサ、ピュロデンソー、アスモ・ノースカロライナ、アスモ・マニュファクチュアリング、アスモ・グリーンビル・オブ・ノースカロライナ、アメリカン・インダストリアル・マニュファクチュアリング・サービス、アソシエイテッド・フューエルポンプ・システムズ)は変更の影響を受けなかった。

1996年10月1日、日本電装の岡部社長(左から二番目)と石丸会長(右から二番目)が、日本の日本電装本社ビルで新しいデンソーの名称を公開した。
1996年10月1日、日本電装の岡部社長(左から二番目)と石丸会長(右から二番目)が、日本の日本電装本社ビルで新しいデンソーの名称を公開した。

当時、ミシガン州サウスフィールドのデンソー・インターナショナル・アメリカ(DIAM)の片岡・アンディ・晃社長は、社名変更の理由を次のように説明した。

「旧社名の『ニッポンデンソー』は、日本の自動車メーカーに電子部品を供給するという、親会社の本来の事業を表しています」と彼は言う。

「しかしデンソーは現在世界のほぼすべての大手自動車メーカーに部品を供給しており、22カ国で6万4,000人の社員(連結)が働いています。こうした会社の実態の変化は、自動車業界で積極的な役割を果たし、世界中のお客さまから信頼される企業像を構築するための、デンソーの継続的な取り組みを反映したものです」と彼は続ける。

デンソーは電装品から電子関連分野の部品システムまで事業を拡大した。この中には電子燃料噴射システム、アンチロックブレーキシステム、エアバッグシステムが含まれる。自動車以外の製品には、ファクトリーオートメーションメカニクス、モバイルマルチメディア製品、セルラ製品などがある。

旧名称 新略称 新名称
ニッポンデンソー・アメリカ DIAM デンソー・インターナショナル・アメリカ
ニッポンデンソー・カナダ DSCN デンソー・セールス・カナダ
ニッポンデンソー・オブ・ロスアンゼルス DSCA デンソー・セールス・カリフォルニア
ニッポンデンソー・マニュファクチュアリング・USA DMMI デンソー・マニュファクチュアリング・ミシガン
ニッポンデンソー・テネシー DMTN デンソー・マニュファクチュアリング・テネシー
ニッポンデンソー・メキシコ DMEX デンソー・メキシコ
新しいデンソーロゴの発表

新社名に加えて、二つの新しい形のロゴが発表された。基本形は製品、パッケージ、製品カタログ、請求書、広告に使用された。エコー版は、会社の国際的な名称が世界中に響く様子を示すものであり、名刺、レターヘッド、封筒、車両、トラックに使用された。

新しいロゴのデザインは、フランスのパリに本社を置くデザイン会社、カレ・ノワール社が担当した。 同社の最も有名なデザインは、フランスのミッテラン大統領の紋章、フランスの通貨、ロンドン紅茶のトワイニングのエンブレムである。

「Crafting the Core」の発表

2017年、デンソーは新たなスローガン「Crafting the Core」を掲げ、ブランド力をさらに高めた。 当時のグローバルプレジデントだった有馬浩二社長からの、デンソーが「多様な技術のコアを創造し、先進、信頼、総智・総力のデンソースピリットを実践することで世界と共有する」というメッセージであった。

デンソーが進化し続けるために、世界中の人々の安全と安心と幸福に貢献することが重要であると、有馬社長は強調した。そしてデンソーの社員は、会社が行うあらゆることのコアである。製品と地域社会のコアには、品質と安全に対する社員の揺るぎない献身がある。そして会社は熟練の技能とイノベーションの情熱を足場として、次世代のためにより良い世界を創造し続ける。