7. 23年間の寄付:デンソー北米財団

DIAMの社長兼CEOであるトニー竹内が「デンソー北米財団(DNAF)」の設立をDNAFのジョン・フォールホルスト代表(左)と役員のデヴィッド・コール博士とともに2001年SAE世界会議で発表した。
ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)は言った。「われわれは得るもので生計を立て、与えるもので人生を築く」
これは、世界をより良い場所にする使命を掲げるデンソーが、何十年にもわたって指針としてきた言葉である。しかし2001年、デンソーは「さらなる取り組み」に着手して、日本を拠点とする北アメリカの自動車サプライヤーとして初めて、この地域に慈善財団を設立した。

「2011年春の暴風」が、その年の5月にアメリカ南部を襲った。 デンソー北米財団(DNAF)はこれを受けてアメリカ赤十字社に5万ドルを寄付した。 DNAFの原則の一つが、災害時、特に地元の地域社会への支援を提供することである。
デンソー北米財団(DNAF:DENSO North America Foundation)は、エンジニアリング、テクノロジー、ビジネスに焦点を合わせた高等教育機関に助成金を提供するために設立された。さらに事務局はDNAFの使命に基づき、自然災害の影響を受けているデンソーの地元の地域社会への救済金を体系化した。
2001年にデンソー・インターナショナル・アメリカ(DIAM)の社長兼CEOだったトニー竹内は、その年にデトロイトで開催された自動車技術者協会の年次世界会議で財団の設立を発表した。
異色の自動車発表会
竹内は、世界中のジャーナリストや自動車メーカー、サプライヤーで埋め尽くされた会場に向けて、デンソーの優先事項について「教育、福祉、環境保全、芸術を支援することであり、私たちは、それにさらに取り組みたいと考えている」と説明した。
それ以来デンソーは、資金調達支援、奨学金プログラム、学部研究、学生プロジェクトなど、多様な取り組みに対する助成金の申請を、北アメリカ全土の大学と教育機関に奨励してきた。
しかしさらに草の根のレベルではおそらく、業務を通じて基金の実現を支えるデンソー社員のたゆまぬ努力のおかげもあって、北アメリカ全土の学生、家族、地域社会といった普通の人々や特別な人々が、刺激を受け、支えられ、励まされ、手を差し伸べられてきた。

2008年、デンソー北米財団はアメリカの国境を越えてカナダとメキシコの大学への助成金を承認し、エンジニアリングとその関連ビジネスプログラムにおける高等教育の発展を促進した。 ゲルフ大学とコネストーガ・テクニカルカレッジが、フォーミュラレーシングカー設計プロジェクトを支援する助成金を最初に受け取った。
地域社会の向上に努めた23年間
2001年以来デンソーは使命を果たし続け、110を超える団体に1,660万ドルの助成金を提供しながら、学生がより高い教育を受け、大学が人材とコミュニティを育成し、慈善団体が災害に対応するのを支えてきた。
設立時のDNAF役員会の幹事と役員は、ジョン・フォールホルスト(John Voorhurst)(DNAF代表)、マイケル・クンマー(Michael Kummer)(DNAF収入役)、バーバラ・ウェルトハイマー(Barbara Wertheimer)(DNAF書記)であった。役員を務める他のデンソー社員として、ジェームズ・ヴォロニエキ(James Woroniecki)、スタンレー・トゥーリー(Stanley Tooley)、マーク・ジョナス(Mark Jonas)が名を連ねている。DIAMの竹内社長が顧問を務め、自動車リサーチセンターデヴィッド・コール(David Cole)博士も創設役員であった。
2024年以降
役員会は、2024年も引き続きデンソー北米財団の重点分野を支援できることを大変うれしく思っている。今年の助成金の審査と発表について、さらなる情報をお待ちいただきたい。
補足
500万ドルの基金で設立されたデンソー北米財団は、2001年に最初の助成金を授与した。最初の寄付には以下のものが含まれていた。
- 3万4,000ドル――ミシガン州バトルクリークのケロッグ・コミュニティカレッジ地域製造技術センター
- 2万ドル――テネシー州アセンズのテネシー・テクノロジーセンター
- 4万5,000ドル――ミシガン州サウスフィールドのローレンス工科大学
- 3万4,000ドル――カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア州立大学