第3章 確立と安定

2. 適切な部品を、適切なトラックに積み込む

2007年7月12日、ミシガン州ベルビル倉庫からの初出荷が行われ、これにより北米物流センターが正式に始動した。
2007年7月12日、ミシガン州ベルビル倉庫からの初出荷が行われ、これにより北米物流センターが正式に始動した。

適切な部品を、適切なトラックに、適切なタイミングで積み込むこと。 

デンソーの北米物流センター(North America Logistics Center、NALC)の次長を務めるダン・シュライヒャー(Dan Schleicher)は、次のように語る。言葉にすると簡単に聞こえるとしても、「最も重要な社員の安全を常に守りながらの作業には、かなりの複雑さがあります」。

シュライヒャーによると、デンソーは2007年にNALCを立ち上げた。これは北米のカーメーカーへの直送の製品出荷をサポートする、DIAMの倉庫保管戦略であった。この倉庫ネットワークでは「40種類を超える幅広い製品を取り扱い、点火プラグからスターター、トラクターやコンバイン用のヘビーデューティエンジン主要構成部品、ジェットスキーやスノーモービルなどのレジャー用品まで在庫管理を行っています」。

「私たちの顧客には、日本のカーメーカー、デトロイトのビッグスリー、ハーレーダビッドソン社、ジョンディア社が含まれます。NALCでは、組み立てではなく複数の再梱包プロセスを行います」と、シュライヒャーはいう。「NALCの使命は、専門性を生かして唯一無二のサービスを提供し、お客様の期待を超えることでデンソーの成功に貢献することです」

「私たちは今年の7月で操業16周年を迎えます。この四つの倉庫で働く、220人の勤勉な人々のおかげです」と、彼はいう。「当社のお客様は非常に要求が厳しく、休暇の時期も含めて常に稼働しているため、ワークライフバランスは厳しいものになりがちです。サプライヤーは世界中にあり、貨物も常に動いています」。シュライヒャーは、NALCのメンバー一人ひとりを誇りに思っていると心から述べた。 

デンソー・ロジスティクス・ナッシュビル・テネシー(DLNT)倉庫のグランドオープニングは、2016年2月25日に開催された。このイベントは、地域全体での製品開発および製造能力を強化・拡大するためのデンソーの全体的な拡張計画の一環だった。
デンソー・ロジスティクス・ナッシュビル・テネシー(DLNT)倉庫のグランドオープニングは、2016年2月25日に開催された。このイベントは、地域全体での製品開発および製造能力を強化・拡大するためのデンソーの全体的な拡張計画の一環だった。

最大の倉庫はテネシー州マウントジュリエットのDLNTで、ナッシュビルのすぐ近くに位置している。彼によるとDLNT周辺には明確な顧客の「輪」、またはハブが存在している。これはミシシッピ川以東の内陸輸送路のほとんどがナッシュビル地域を通るためであり、「重力のゼロ地点」と呼ばれる。

NALCの拠点の組織的ネットワークを形成するほかの倉庫には、ミシガン州ベルビル、アイオワ州ウォータールー、テキサス州ラレドが含まれる。「お客様に最適な受け渡し場所を提供するための、戦略的な配置です」と、シュライヒャーはいう。
「私は自分たちの仕事の内容とやり方に、大きな誇りを持っています。職場に欠員を出さないようにするのは大変ですが、私たちはオープンな考え方で日々取り組み、カイゼンを実践し、「現地現物(実地検証)、総智・総力、挑戦」という重要なコアコンピテンシーを発揮しています」

シュライヒャーによれば、彼が特に誇りに思うのは、コロナウイルス感染症が世界的に流行して倉庫職が大幅に人員削減された際に発揮されたデンソースピリットであった。「私たちのリーダー、プランナー、そしてDIAMやほかの北米のグループ会社の多くのボランティアが、適切な部品を適切なトラックに積み込み、お客様に決して影響を与えることなくすべての顧客からの要求を確実に満たそうと、進んで取り組んでくれたのです」 

2014年3月3日、アイオワ州ウォータールーのデンソー従業員が、ジョンディア社から年間直接資材供給業者として表彰された。この賞は、供給業者に贈られる最高の賞であり、優れた品質を提供するための献身と継続的な改善への取り組みを評価したものである。
2014年3月3日、アイオワ州ウォータールーのデンソー従業員が、ジョンディア社から年間直接資材供給業者として表彰された。この賞は、供給業者に贈られる最高の賞であり、優れた品質を提供するための献身と継続的な改善への取り組みを評価したものである。