1. 世代から世代へと継承される継続的改善の教え

計画・実行・評価・改善(PDCA:Plan Do Check Act)。カイゼン。失敗とはどのようなものかを学ぶこと。成功を祝うこと。
41歳のケイティ・ウォルターズ(Katie Walters)は、課題に取り組む「デンソーWAY」によって鍛えられたおかげで、さらなる高みに到達して優れた成果を出し続けることができるようになったと語る。デンソー・マニュファクチュアリング・テネシー(DMTN)社でサプライチェーンおよび物流担当部長を務める彼女は、「成人してからずっと」デンソーで働いてきたし、それが良かったと語る。
「2004年にデンソーの若手社員として入社し、とにかく仕事をして現場でとても多くのことを学びました。日本でもここ北米でも、デンソーの継続的改善のPDCAサイクルが経営スタイルとして組織全体に浸透し、社員の学びと成長に役立っていると思います」と、彼女はいう。
「挑戦しなければ、学ぶことはできません。失敗したら失敗から学び、二度としないようにするのです。困難な時期を乗り越えなければ、成長して向上することはできません。いくつもの世界最大のイノベーションが、何年にもわたる失敗の後に生まれています。新しいことに挑戦しなければ、イノベーションを起こすことはできません」と、ウォルターズはいう。
リーマンショック、さまざまな自然災害、港湾ストライキ、新型コロナウイルス感染症など、入社して間もない時期からいくつもの厳しい状況を経験した。その中でも周りにはずっと支えとなるリーダーたちがいたと彼女は語る。不確かな中でも仕事を進めることを教え、部署を超えた協力体制の重要性を示してくれた。
「ここでは誰もがとても大きな期待を抱いていますが、それに応えるのが少々困難なこともあります。混乱が起こるたびに対処することで、将来それをうまく処理できる能力が培われます。デンソーは常に、システムをカイゼンして次回は一層早く回復できるようにする能力を持っています」と、彼女はいう。

前途有望なリーダーであるウォルターズは、部下にその理念を伝えようと努めているのだと語る。「素晴らしいことの一つは、チームの誰かが自ら予期していなかった時に成功したり新しい能力を伸ばしたりする時です」
「思うようにいかず苦労した新しい社員が、今やより強固な基盤、絆、チームワークを手に入れたと知って誇りに思う姿を見るのが好きです。それがこれまでに多くの社員を変え、危機の中で成長する術を彼らに教えてきました」と、彼女はいう。
ウォルターズは、デンソーの品質に対する取り組みと顧客のために仕事をやり遂げる姿勢は感動的だと語る。「私たちの問題解決能力が弱まることは決してありません。私たちは揺るぎません。私たちはさらにタフに働きます。他に同じようにできる会社があるか、挑戦したいほどです。お客様が第一であり、その納入の約束を守るために全力を尽くします」と、彼女はいう。
「それが私たちの理念です。それが私たちです」と、彼女は締めくくった。