第6章 課題への対応

4. 予測不可能な環境での意思決定

テネシー州マウントジュリエットにあるデンソー・ロジスティクス・ナッシュビル・テネシー(DLNT)の倉庫。
テネシー州マウントジュリエットにあるデンソー・ロジスティクス・ナッシュビル・テネシー(DLNT)の倉庫。

拠点や倉庫の拡張は、事業の発展や綿密に準備された物流予測など、多くの要因の結果であり、「進んで挑戦し、失敗し、学び、改善し、成功しようとする複数のチームを一つにまとめ上げることになる」のだと、デンソーの北米生産革新センター(NAPIC)部長、コーリー・アーノルド(Cory Arnold)はいう。

「大いにやりがいがあります。常に進化を続け、お客様のニーズに応える新たな方法を見つけながら、品質の提供に努めるのですから」と、彼は語る。彼が特に誇りにしているのは、ナッシュビルのマウントジュリエットの施設だ。ここではテネシー州の自動車製造ハブが順調な成長を遂げたことで、デンソーの南東部における倉庫拡張の設計と立ち上げが加速した。
2014年に始まったマウントジュリエットの施設のパススルー最適化倉庫業務は、デンソーの物流と保管能力の双方にメリットをもたらしていると、アーノルドはいう。「私たちは自動車製造業の成長に対応する方法を常に模索していますが、同時に雇用機会の提供など、社会のニーズに応える方法も模索しています」と、彼はいう。

「新しい拠点で新しい事業を始めるたびに雇用を創出し、そのエリアの次のレベルのリーダーを育成することで、地域社会にさらなるリソースを提供しています。それは私にとって地域の活性化です」と、彼は説明する。

2020年3月、中部テネシー州を竜巻の悲劇が襲った。地域全体から集まったデンソーのアソシエイトたちは、コミュニティの清掃活動や資金集めに手を貸し、そのデンソースピリットを存分に発揮した。2020年3月16日のDMTNウィークリーニュースにそのストーリーがある。デンソー北米財団は竜巻救援のために4万ドルを寄付した。写真はブラウント郡レスキュー隊の提供である。
2020年3月、中部テネシー州を竜巻の悲劇が襲った。地域全体から集まったデンソーのアソシエイトたちは、コミュニティの清掃活動や資金集めに手を貸し、そのデンソースピリットを存分に発揮した。2020年3月16日のDMTNウィークリーニュースにそのストーリーがある。デンソー北米財団は竜巻救援のために4万ドルを寄付した。写真はブラウント郡レスキュー隊の提供である。

「地域貢献、そしてデンソーのお客様に対する献身を心から誇りに思います。この献身は、この地にある他の企業には見られないものです」と、アーノルドはいう。彼はマウントジュリエットの施設を始動させる先駆けとなったデンソーのアーカンソーの施設の立ち上げに携わった。

デンソーの初期の、しかも徹底した物流計画が、「今まさに限界を超えそうな」ナッシュビル地域拠点にとって理想的状況を作り出したのだと、NAPICのシステムエンジニア3であるケント・ロダリ(Kent Lodari)は語る。

「物流面から見ると、その活動はデンソー・マニュファクチュアリング・テネシー(DMTN)社の社員によって運営されていました。1年の大半は、そのうちの数人がナッシュビルで倉庫における臨時の業務を担っていました。彼らはそこで月曜日から金曜日まで連携して働き、週末にはイーストテネシーの自宅へと帰っていました。そのうち拠点独自で社員を雇うようになり、メアリービルの社員らがその研修を行いました」と、彼はいう。

「事業がそれだけ急成長していて、真向かいには大企業があることで多くのチャンスに恵まれるわけですから、これはうれしい悩みといえます。近隣の他の企業が特定の季節だけに雇用するのとは対照的に、社員の採用には当然ながら競争があるものの、デンソーはより安定した通年雇用を提供することができるのです。そして私たちの経営スタイルの方が、彼らにとって魅力的だと思います」と、ロダリはいう。

デンソーが競合他社に勝っているもう一つの強みは、「縦割りの構造を取り払い、協力して仕事をしていることです。これは貨物の動きや社員の管理を可視化するためだけではありません。今だけ力を注いでいるわけでなく、この先3年から5年の計画に基づいています」と、彼はいう。

デンソーは新しい社員への投資として、「現在のシステムや、意思決定を容易にする新たな手段の使い方を教育しています。例えばSharePointでのコミュニケーションや、データ管理の新しいプログラムなどです」と、ロダリは付け加える。最大の限界は自分自身、そしてそれを越えることを目指す自分自身の意欲です。それが鍵です」

アーノルドはそう話し、デンソーは社員に「自分がなりたいものになる」ことを奨励しているのだと付け加える。「やるべきことはただ一つ。手を挙げて『それが私のやりたいことです』というのです」するとデンソーは「了解。さあ、やろう」といってくれるのです。

「それが力を与えるということです」と、彼は締めくくった。

2021年2月、冬の嵐がDLNT付近に大きな被害をもたらした。その結果、多くのアソシエイトが電力や食料の問題に苦しむことになった。真のデンソースピリットを発揮し、デンソー・マニュファクチャリング・テネシー(DMTN)から24人のアソシエイト(ブライアンディョーンズやダニー・ディメンを含む)が迅速に駆けつけ、顧客への納品を支援した。また、デンソー北米財団はアメリカ赤十字社に5万ドルの寄付を行った。このストーリーは2021年3月8日のDMTNウィークリーニュースにある。
2021年2月、冬の嵐がDLNT付近に大きな被害をもたらした。その結果、多くのアソシエイトが電力や食料の問題に苦しむことになった。真のデンソースピリットを発揮し、デンソー・マニュファクチャリング・テネシー(DMTN)から24人のアソシエイト(ブライアンディョーンズやダニー・ディメンを含む)が迅速に駆けつけ、顧客への納品を支援した。また、デンソー北米財団はアメリカ赤十字社に5万ドルの寄付を行った。このストーリーは2021年3月8日のDMTNウィークリーニュースにある。