大西選手 引退のお知らせ
大西選手からのご挨拶
在籍した6年間の中で一番心に残っているレースは2022年の全日本選手権です。前年に主力メンバーが引退し、不安と焦りでスタートしたシーズンでした。そんな中、監督から今年の全日本選手権の目標は、これまで掲げていた“優勝”ではなく、『クォドルプル(4人乗り)で表彰台を狙う』ことだと発表されました。優勝しか見ていなかった私にとっては、目標レベルを下げるなんて・・・と複雑な気持ちでした。でも、それが現状からみた最大目標だと理解し、漕歴から視ても自分がこのクルーを引っ張っていくのだと覚悟を持って、どうしたらこのメンバーで勝てるのかを必死に探究しました。そして迎えた全日本選手権。決勝レースではクルー全員が「何が何でもやるぞ」という強い意思を持ち、スタートから果敢に攻め続け、練習の全てをレースで発揮することができました。結果は3位、メダル獲得。ゴールした瞬間、表彰台を死守できた安堵感と目標達成した満足感でいっぱいでした。3位ではあるけれど、クルーとしては100点のレースだったと自負しています。
この大会を機に、これまでの“感覚的”だったローイングが、練習中の会話を増やして動作を言語化したことにより、再現性があるローイングに変化しました。
それが翌年の社会人選手権でのシングルスカル優勝、翌々年の2連覇という結果にも繋がったと思っています。どちらも納得のいくレース運びで勝利することができ、珍しく自分自身を褒めることができる程の達成感があったことを憶えています。
また、2024年10月の国民スポーツ大会を終えてから今日まで、選手兼水上コーチという立場をいただき活動してきました。これからを担う仲間たちに、私がこれまでに培ったローイングの知識や感覚を伝承していく中で、これまでとはまた違う角度からローイングの深みを感じることができて、最後まで充実した時間を過ごすことができました。
入部当初からの目標である“全日本選手権 クォドルプル優勝”を果たすことはできませんでした。しかし、目標設定の大切さや、それに向かうまでの道のりで多くの学びを得ながら過ごせた日々は特別であり、ローイングに関わってきた時間は、私の人生において必要不可欠な時間だったと感じています。この経験をこれからの人生でも活かして、私らしく顔晴ってまいります!
最後になりますが、これまで一緒に戦ってくれたオルカリスの仲間、いつも温かい言葉をかけてくださり、社会人としての成長の場を与えてくださった職場の皆様、熱い声援を送ってくださった多くの皆様と共に歩めた6年間は、とてもとても幸せな時間でした。心から感謝申し上げます。
そしてデンソーオルカリスの挑戦はこれからも続いていきます。ご関心をお寄せいただけると嬉しいです。
本当にありがとうございました!
大西 花歩