藤本那菜 2017-18シーズンインタビュー

アイスホッケーを始めたきっかけ、ゴールキーパーを選んだ経緯を
教えてください

アイスホッケーを始めたのは小学校1年生のときです。父に連れられてリンクに行ったことがきっかけなのですが、フォワード、センターフォワード、ディフェンスと経験してもなかなか芽が出ず、4年生になっても高学年チームに上がれずにいました。

素質が無いんじゃないかと思い始めた頃、ちょうどゴールキーパー(GK) の6年生が卒団し「GKをやってみないか」と声をかけてもらい、挑戦することにしました。 

 

 

GKというポジションの特徴は?

止めてほしいところで安定したセーブができれば、チームは良い波に乗れるので、試合を通しての安定感・冷静さが大切です。

またGKは最終ラインなので、一つのミスが直接、試合の勝敗を左右します。責任と覚悟が必要なポジションだと思います。

 

 

競技人生で悩んだ時期は
ありますか?

2009年から2013年の4年間は、気持ちがアイスホッケーから離れ、一番迷った時期でした。

当時は大学・大学院に進んで勉学に励むことを優先し、日本代表活動も辞退しました。その間、女子日本代表チームの飯塚祐司コーチが何度も「戻って来い」と声をかけてくれたり、チームメイトも「また一緒にやろう」と気にかけてくれました。

こうした仲間の支えがあって再び代表に戻る決心をしました。

 

 

 

いま振り返ってみて、ターニングポイントがあれば教えてください

2014年、世界の大舞台で日本代表は全敗。私も試合にこそ出たものの、勝利に貢献できず、悔しい気持ちでいっぱいでした。

だからこそ他国が表彰台に上がるのを見たときに「次は私たちが!」という気持ちが強くなり、4年後に向けて自分たちに足りないものは何か、何をしなければならないのかと明確な目標を掲げることができました。この経験があったからこそ、海外(NWHL※)への挑戦に踏み切ることができました。 

※NWHL(National Women’s Hockey League) : 世界初であるアメリカの女子プロリーグ。藤本選手は2015年にNWHLのトライアウトに合格し、ニューヨーク・リベターズと契約。日本人初のNWHL選手となる。

 

 

心に残っている言葉を教えてください

NWHL時代のチームメイトの言葉で「Age is just a number. (挑戦に年齢は関係ない)」です。

当時私は27歳でチーム最年長でした。10~20代前半の選手と比べて身体の変化などを気にしていましたが、チームメイトが「年齢はただの数字で、いろいろ挑戦することには関係ない。やりたいことはどんどんやるべき!年齢を気にしているのは自分だけよ。」と笑いながら声をかけてくれました。

その言葉を聞き、変化を受け入れ、目標に向かって挑戦し続けることが大事なんだと気づきました。

 

 

女子日本代表チームが
世界と戦うために大切なことは?

体格・身長差は埋められませんが、小柄でもスピードで勝ればチャンスは生まれますし、体力面でも試合後半の大事な瞬間までスタミナが残っていれば、勝利につながります。日本代表チームの強みであるスピードと運動量を生かして世界に挑みます。 

 

 

今シーズンの女子日本代表チームに対する意気込みを教えてください

今シーズンは「表彰台」を目標に励んできました。メンバーは共に厳しいトレーニングを乗り越えてきた仲間で、家族みたいな存在です。このメンバーで戦えることを誇りに思い、仲間のために、サポートいただいている皆さんのために、プレーで恩返しができるよう頑張ります。 

今シーズンは気持ち新たに「日本を背負う」という意味を込め、ヘルメットを日本らしいデザインにしました。縁起もかつげるように水墨画風なタッチで富士山、松・竹・梅を入れています。メンバーにも、この絵を目にしたときに日本を背負ってこの場にいるんだという気持ちが伝わればと思います。 

(2017年6月インタビュー)