先輩社員紹介2

楽しさを知ることで、貪欲になっていく。

業務推進室は、設計者の構想を3次元CADによってモデリングする特殊技能を持った集団。技術者たちのCAD教育も役割のひとつ。2008年入社の寺澤純一は、プロダクトデザインを専攻していた大学時代、教授からの薦めもあってデンソーに就職し、この部署に配属された。
「最初はCAD設計のイメージがつかめずに苦労の連続。それが6ヶ月の研修を通じて、数値からモノを立ち上げる作業が楽しみになってきたんです」
楽しさを知ることで、さらに貪欲になっていく。研修で学んだことのない部品に出くわすと、周囲の先輩社員に質問して覚える。毎日終業の30分前は、製品の仕様書に目を通して構造や仕組みをノートに書き留める。
寺澤とデスクが隣り合わせのシニアリーダーの庄野三郎は、モデラーとしての心構えをこんなふうに語り、叱咤激励する。
「モデリングは作り終えるだけではダメ。綿密なチェックが必要なんです。それだけ向上心がないと務まらない仕事なんですよ」
最初はチェックが甘くて、庄野から注意を受けることが多かった。苦い経験から大切なことを学び、今では最低5回はチェックするようになった。

周囲の仲間が自主的に手話を覚えてくれた。

学校も家庭も聴覚障がい者だけの世界で生きてきた寺澤にとって、企業への就職は心細かった。デンソーは、そんな不安を見事に払拭してくれた。
社員が自ら設定した目標について上司と話し合う年3回の面談の際には、手話通訳者を派遣する。ミーティングのときには、資料を前方のスクリーンに映し出し、視覚的に理解しやすいように工夫する。寺澤の希望で「e-ラーニング」の受講機会も設けた。会社主催の「聴覚障がい理解研修」への参加に加えて、職場のメンバーが自発的に「手話講習会」を開き、みんなで手話を習得。最初は筆談が多かったが、最近ではコミュニケーションがさらにスムーズになった。「手話を覚えたいという先輩・同僚の気持ちが伝わってきて、とても嬉しかった」と寺澤は笑みをこぼす。

教える立場になるのが、将来の夢。

教育システムがしっかりしている会社との評価を得て、デンソーは2009年度の「日本工学教育協会賞」を受賞した。人材育成に惜しみなく力を注ぐ会社であることを、室長の山中一馬は力説する。
「モデラーとしての経験を積んだ後には、設計者やシステムエンジニアの道に進むキャリアプランも用意されています。寺澤君にも聴覚障がいという壁を乗り越えて、チャレンジしてほしいですね」
周囲からの期待通りに、寺澤は将来に向けて大きな目標を描いている。
「ゆくゆくは、新入社員の後輩たちを教える立場になりたいですね。庄野さんをはじめとするベテラン社員の方々からアドバイスをいただいていて、人に教えるということの素晴らしさを知りました」

余暇の陸上競技を通して、団結心を学ぶ。

恵まれた環境とチャンスを活かして、今のうちにスキルアップを図りたい・・・。技術者や講師になるための資格取得を目指して、現在は自宅でも勉強中。そのかたわら、寺澤は学生時代から打ち込んでいることがある。日本代表選手として活躍する陸上競技だ。2008年にはトルコで開催された「世界ろうあ者陸上大会」に、2009年には台湾での「デフリンピック」に出場した。今後も国内外の大会への参加を予定している。
仕事のある日は週3回自主練習、土日はクラブでのトレーニングを欠かさない寺澤は、仕事と陸上競技に共通するテーマを見出している。
「陸上を通してチームワークや団結力の大切さを学ぶことができるんです」
リレーや団体総合得点を競い合う経験の中で、寺澤は「総智・総力」というデンソースピリットを自ずと身につけていた。

「キャリアアップを
目指せる職場」と上司二人
「将来は新人を教える
立場になりたい」と寺澤
目標設定の面談時には
手話通訳者が同席する

職場の仲間からのメッセージ

※所属部署、役職は取材当時のものです。