リスク管理

基本的な考え方

デンソーはグローバルな事業展開に伴い、多様化するリスクを最小化すべく、内部統制の一環としてリスク管理の充実・強化に取り組んでいます。
具体的には、経営被害をもたらす恐れのある事柄を「リスク(まだ現実化していない状況)」と「クライシス(現実化した緊急事態)」に区分し、事前にリスクの芽を摘む未然防止、クライシスが発生した場合に被害を最小化する迅速・的確な初動・復旧対応に注力しています。

推進体制

「リスク管理会議」を設置し、以下のとおりグループ全体のリスクおよびクライシス対応を総括管理しています。

  • 生命・信用・事業活動・財産に関し発生頻度と影響度から「55のリスク項目」を選定。それぞれに主管部署を明確にし、未然防止、初動・復旧対策の強化に取り組んでいます。
  • 定期的にデンソーグループリスク管理体制・仕組みの改善状況の確認、社内外の環境・動向を踏まえた重点活動の審議・方向付けを行っています。
  • クライシス発生時(有事)は、報告ルールに基づき、リスク管理会議事務局に情報が集約され、迅速かつ的確な初動対応する体制を敷いています。
  • 国内外の連結マネジメント会社および当社が筆頭株主であるグループ会社でも、(株)デンソーの主管部署や海外の地域本社のサポートのもと継続的なレベルアップを図っています。

リスク管理体制(平時)

具体的な取り組み

グローバルでの取り組み

(1)クライシス発生時に迅速かつ的確に対応するための体制整備

デンソーでは、クライシス発生時に迅速かつ的確に対応できるよう「クライシス・コミュニケーションマニュアル」を制定しています。当マニュアルでは、被害の最小化を図るため、事態判断、報告基準、報告ルート、社内外対応の基本等を明記しています。
さらに、事態の大きさや緊急度によって専門の「対策組織」を編成し、被害の最小化に向けた機動的な対応を可能としています。

クライシス発生時の対策組織

自然災害発生時における開設基準 [(株)デンソー]

クライシス発生時(有事)の中でも「地震・台風・大雨」については、あらかじめ災害対策本部の開設基準を設け、速やかに対応できる体制を敷いています。

地震 台風 大雨
生産拠点が所在する市町村で震度5強以上が発生した場合 圏内に入ることが確実視され、事務局が協議し本部長に進言した場合 警報が発令され雨量が50mm/時以上が予想され、事務局が協議し本部長に進言した場合

(2)グローバルな事業展開に伴い増大するリスクへの対応

サプライチェーンのグローバル化に伴い、2011年の東日本大震災やタイ洪水発生時のように、ある地域で発生したリスクの影響が他地域に波及して重大リスク化したことを教訓に、グローバルグループ経営の視点から重点リスクを設定し、対応強化を図っています。
特に、2015年度は、天津港爆発事故・パリ同時多発テロなどの海外クライシスへの迅速な対応のため、(株)デンソーが危機情報を収集し、専用サイト等にて国内外グループ会社に同時発信により共有を図るしくみの導入を推進しています。
また休日・夜間にかかわらず、確実に関係役員・関係者に初報が届くよう、ルール・しくみの改善を図っています。

日本における取り組み

(1)震災リスク対応の強化(事業継続計画の策定)

(株)デンソーおよび国内グループでは、事業継続マネジメントの観点から、デンソーグループ全体の震災リスク対応策の強化(事業継続計画「BCP【注1】」の策定)に着手。BCPの対象を次のように捉え、有事行動マニュアルの策定や減災対応のやりきりに取り組んでいます。
①有事の「初動から復旧」に至るまでの行動の見える化 ②減災対応(重要インフラ対策、代替性や工場立地などの観点から調達上のリスクが高い部品への対策)

【注1】BCP:Business Continuity Plan
地震等の大規模災害により事業が中断した場合に、目標とする時間内に事業復旧を図り、経営被害を最小化するための計画。

BCPの策定・運用

2015年度の活動状況

(2)巨大地震発生リスクへの備え

東海地方でも南海トラフを震源とする巨大地震が直近にも発生する可能性があります。(株)デンソーおよび国内グループでは、巨大地震発生に備え、社員および社員の家族も組み入れた浸透・啓発活動を展開しています。

初動対応訓練
社員および社員の家族向け啓発資料「防災すごろく」

主な取り組み(★印は(株)デンソーでの取り組み)

初動対応(避難・消火・救護)訓練の実施 毎年、製作所単位で建屋別に初動訓練(計80カ所)を実施。
「安否確認システム」を使った訓練 大規模災害時の社員の安否確認の迅速化のため、「安否確認システム」を導入。毎年2回、災害発生を想定し、安否システムへの登録訓練を実施。
2012年からは家族間で安否を確認し合える掲示板を設置。
防災意識アンケートの実施 ★ 社員の防災意識の確認と課題抽出、およびアンケートを通した社員啓発を目的に毎年実施。(2015年度回答者数:約1,000名)

(3)社員への浸透・啓発活動の拡充

リスク発生の未然防止とクライシス発生時の被害の最小化には、社員が日頃からいかにリスクを意識し、かつクライシス発生時に適切な行動がとれるかが重要です。
(株)デンソーおよび国内グループでは、社員のリスクの理解促進・意識向上に向け、さまざまな啓発活動を実施しています。

具体的浸透・啓発活動[(株)デンソー]

2004年度~ 「リスク対応ハンドブック」 地震・火災・交通事故発生時の行動を明示。
全社員に常時携帯を義務付け
2006年度~ (株)デンソー管理職向け
「リスク管理研修」
新任の部長・工場長・事業グループ等の室長を対象に
リスク管理研修を実施
(2015年度受講者数:152名)
2008年度~ 現地法人経営幹部社員向け
「リスク管理教育」
海外拠点のリスク管理強化のため、現地法人の経営幹部として
出向予定の社員向けにリスク管理教育を実施
(2015年度受講者数:15名)

今後の取り組み

今後も引き続き、リスク発生の未然防止とリスク発生時の被害の最小化に向け、リスク管理の充実・啓発に取り組んでまいります。
特に2016年度は、グループの事業活動に影響を及ぼすリスクについて重要度と対応状況を見える化し、事前対策(予防・初動)を強化していく活動を推進していきます。