「もうもとの職場には戻りたくない」。
開発者が本来の開発に専念できる、
そんな環境が整っている。

MaaS開発部 部長

成迫剛志

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Q1. これまでの経歴

大学を卒業後、日本IBM、伊藤忠商事、香港のIT事業会社社長、SAPジャパン、中国方正集団、ビットアイル・エクイニクスなどを経て、2016年8月デンソーに入社。コネクティッド時代のIoT推進を担当し、2017年4月にはデジタルイノベーション室を新設、同室長に就任しました。いま自動車産業は100年に一度の大変革期を迎えています。 IoT、クラウド、AI、ビッグデータなどの情報通信技術(ICT)の進展により、クルマがネットワークを介してクラウドと繋がり、リアルとサイバー空間が連携するコネクティッドカー時代を迎えようとしています。そのような中、デンソーは、従来のビジネスの枠を超え、情報通信技術を駆使し「ヒトとモノの移動」を支える次世代のサービス・ビジネスにいち早く取り組みはじめています。単に情報通信サービスを提供するのではなく、「ヒトとモノの移動」という人々の生活になくてはならないものを自分たちの持つ技術によって新しくつくりかえていく、そんな社会的意義のある仕事に携わることに大きな魅力を感じました。

Q2. 現在取り組んでいること

一言でいうと、コネクティッドカー時代におけるデジタルトランスフォーメーションへの対応するための “攻めのIT”部隊の立ち上げです。従来のパートナーやコンペティターに加えて、グローバルIT企業やシリコンバレーのITスタートアップ企業などが新たな重要なパートナーとなり、また新たなライバル企業となりつつある現在、デンソーが次世代のサービス・ビジネスで成功するためには彼らと同じ考え方、手法、ツール、そしてカルチャーを持つ必要があると考えています。 2017年4月に立ち上げたデジタルイノベーション室がこの中核となり、特にクラウドサイド、サーバーサイドのICTインフラの整備およびアプリケーションシステム開発を推進しています。2017年12月現在で既に4つの開発チームを含め、メンバーは約30人に増えました。2018年度はさらに人数規模と拡大するだけでなく、拠点も増やしていく予定です。

Q3. 大切にしていること

この取り組みで一番大切なことは、欧米のITスタートアップ企業に負けないスピード感を持つことです。 そのための一つの手段として、デジタルイノベーション室の開発チームでは、日本ではまだ一般普及に至っていないアジャイル開発を実践しています。アジャイル開発とは、10名以下の少人数の開発チーム内に、ビジネス面での意思決定者と実際にプログラムコードを書くデベロッパーが常駐し、チーム全員がエンドユーザーが本当に必要なことを意識しながら、スプリントと呼ぶ短期間の開発期間ごとにエンドユーザーが利用可能な機能を開発していく手法です。役割や所属とは関係なく全員が対等なフラットなチームとして、エンドユーザーが利用できるサービスを早く開発・実装し、ユーザーレビューを受けて改善サイクルを高速で回していく手法です。常時“ワイガヤ”で開発しているようなもので、全員がエンドユーザーのために何を作るべきか、本気で、本音で議論しています。「このほうが良いのではないか」と思ったことを、すぐその場でためらわずに言える。そんなチームづくりをしています。デンソーという伝統的な大企業のなかで、ベンチャー企業のような仕事の仕方をしていると言えるかもしれません。メンバーの中には「もうもとの職場には戻れません」という人もでてきています。