DRIVEN BASE

CO2 Zeroモノづくり

基本的な考え方

デンソーは、気候変動による地球温暖化への対応として、生産分野において ①生産工程の技術開発推進、②エネルギー供給から使用部門まで全員参加による徹底した省エネ、③再生可能エネルギーの活用など積極的なCO2削減活動により、2025年度エネルギーハーフ(12年度比 CO2排出量原単位1/2)、更に2035年度カーボンニュートラル(CO2ゼロ)達成を目指し省エネルギー活動を推進しています。

CO2 目標達成状況

2022年度は、全社で2,490件の省エネ改善によりCO2原単位(単独)は、2012年度比1/2とエネルギーハーフ(50%削減)を3年前倒しで達成、またグループ会社も同様各社の積極的な省エネ活動により2012年度比51と49%削減を達成しました。



CO2排出量原単位(スコープ1&2) <グローバル>[デンソーグループ]

具体的な取り組み

(1)生産工程の技術開発推進

モノづくりカーボンニュートラル総本山活動

モノづくりCN総本山は、2021年4月に「安全品質環境本部」「モノづくりG」「環境ニュートラルシステム開発部」が集まり、結成されました。経営トップと共に全社の指針を策定し、その推進をリード、モチベートしながら2035年度のカーボンニュートラルの達成とそれらを実現させる製造技術の確立・事業化を推進しています。

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カーボンニュートラル工場ロードマップ

モノづくりCN総本山では「省エネ推進」に加え、「創エネ実証」、「再エネ調達」の3つの重点テーマに取り組んでいます。「省エネ推進」はエネルギー利用をムダにしない「愚直な省エネ活動」を継続しつつ、今後は更に抜本的な材料・プロセス変更を実現する「省エネ技術開発」とデンソーグループ全体への普及を進め、完全なカーボンニュートラルを目指しています。

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  • 【事例】 抜本的な材料・プロセス変更

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(2) 供給からエネルギー使用部門まで全員参加による徹底した省エネ

エネルギーJIT(ジャスト・イン・タイム)活動

デンソーでは、「製造用エネルギーは固定化されたインフラではなく、自在に使いこなすべき部品のひとつ」という視点のもと、必要な時に必要なだけエネルギーを使用・供給する活動を「エネルギーJIT(ジャスト・イン・タイム)活動」として展開しています。
この活動は、2009年度のリーマンショック時に経験した大幅減産に伴う原単位悪化に対応するため、生産変動に強い省エネ体質づくりとして取組んだもので、現在は、設備設計・生産活動において省エネルギーの基本的な考えとして推進しています。
2020~2022年はコロナや半導体不足の影響による減産に伴い一時、原単位悪化傾向にありましたが、エネルギー供給部門のJIT総点検、生産ラインの寄止・アイドルストップなどの対策強化および供給から使用まで各部一体となったスルー活動の展開によってコロナの影響を受ける前の2019年度比で原単位を22%向上することができました。

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* FEMS:Factory Energy Management System
建物の効率的なエネルギー使用をサポートするエネルギーマネジメントシステムの1つ。

2022年度省エネ大賞 13年連続受賞

工場で実施した改善の中で省エネ効果が大きく横展開が期待できる事例を一般財団法人省エネルギーセンター主催の省エネ大賞に積極的に応募しており、2009年度から13年連続受賞することができました。

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    資源エネルギー長官賞 受賞

    『データドリブンな省エネ活動への変革 ~ データで変える意識・組織・アクション ~』
    (安全衛生環境部)

国内外グループ会社の「エネルギーJIT活動」サポート

デンソーグループ全体への「エネルギーJIT活動」浸透にあたり、導入をサポートする活動を進めています。
具体的には、供給側・生産側の省エネ改善のうち、エネルギーJIT活動を含む汎用的かつ経済性の優れた改善案件を事例集としてまとめたPEF(Perfect Energy Factory)を2020年度に刷新し、国内外グループ会社で再点検する活動を推進しています。

(3) カーボンニュートラルな工場に向けた取り組み

デンソーはモノづくりにおけるカーボンニュートラルに向けて、再生可能エネルギー由来の電力・ガスの購入や太陽光発電などの自家発電装置の設置、ボランタリークレジットの活用など、目標達成への進捗状況と経済合理性を考慮して、計画的に導入しています。
2021年度には安城製作所、2022年度には西尾製作所、広瀬製作所、(株)デンソー福島の国内3拠点、欧州全拠点で、カーボンニュートラルを達成しています。

TOPIC エネルギー利用に関する新技術の開発

昨今のグローバルな脱炭素に向けた動きが加速する中、CO2を回収・再資源化、貯蔵、再利用する技術の確立にむけた取り組みを行っています。
例えば、これまで車載領域の開発で磨き上げてきた技術を活用し、CO2を回収して循環利用する施設であるCO2循環プラントを開発し※1、まずは安城製作所(愛知県)で実証実験を開始。また広瀬製作所、西尾製作所、(株)デンソー福島の国内モデル工場においても、水素・ガスなどを活用した新技術(SOFC※2、SOEC※3など)の実証を始めました。
将来的には、CO2循環プラントをはじめとした新技術は、社会での実用化に向けた更なる技術開発に取り組み、社内全体のカーボンニュートラルへ貢献していきます。

※1 株式会社豊田中央研究所と共同で技術を開発。
※2 SOFC(Solid Oxide Fuel Cell ): 固体酸化物形燃料電池
※3 SOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell): 固体酸化物形水電解

    • CO2plant

      愛知県安城製作所に併設されたCO2循環プラント

    • CO2plant

      CO2循環プラント内の設備

    • SOEC

      SOEC実証装置(広瀬製作所)

デンソー CO2循環プラント紹介動画




VOICE

  • 我々人類が過去に排出してきたCO2も、私たちの技術で回収するデンソーは、クルマのシステムサプライヤーとして、多くの製品を世に送り出してきました。CO2を可能な限り排出しない環境性能の高いシステム開発も行っていますが、それでもデンソーのシステムを搭載したクルマの走行時や、製品の製造途中で排出するCO2を完全になくすには至っていません。だからこそ、過去に出してしまったCO2、そしてこれからも出してしまうCO2を、自分たちの技術でしっかり回収してリサイクルしていきたい。私たちには、その責任があると考えています。
    デンソーの持つ技術を結集したCO2回収システムの自由度を生かして、将来的には、家庭やビルなどで排出されるCO2を回収し用途に応じて利用する「CO2の地産地消」も実現できるかもしれません。デンソーはパートナーの皆様とともに、カーボンリサイクルに向けた大きな流れをつくりながら、カーボンニュートラルの実現を目指していきます。

    • VOICE

      左から
      環境ニュートラルシステム開発部 事業開発室 森坂 穣
      環境ニュートラルシステム開発部 CO2システム開発室 谷 賢治
      自動車&ライフソリューション部 住設・エネマネ事業室 薄木 久瑠実

(4)物流におけるCO2 排出の削減

デンソーでは、物流改善等を通じた物流CO2排出量の削減に努めています。日本国内では物流業務を子会社の(株)デンソーロジテムに委託していますが、特定荷主のCO2排出削減の推進を社会的な責務と考え、同社と連携して以下の取り組みに注力しています。

  1. 積載率の向上

  2. 最適ルートによる省エネ輸送

  3. 生産地移管による納入先様への輸送距離短縮

  4. 工場/中継地倉庫間等の物流の効率化

  5. 燃費向上ツールの導入支援

物流CO2 排出量[(株)デンソー]
年度 2012
(基準年)
・・・ 2017 2018 2019 2020 2021 2022
千t-CO2 34.4   34.3 41.8 43.2 40.4 45.5 50.4

 2022年度より算出方法を変更しました

物流CO2 排出量(t-CO2 )/物的生産売上げ(億円)[(株)デンソー]

積載率の向上、輸送距離短縮などの物流改善を通じ、物流CO2削減に努めています。

  • energy02-img-logistics-co2-02-ja

2018年4月より、(株)アスモと(株)デンソーは事業統合いたしました
※2022年度より、(株)デンソーの標準システム管理外のため反映できていなかった輸送実績を見える化し、加算反映して、精度を高めるようにしました。