DRIVEN BASE
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コンプライアンス

基本的な考え方

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デンソーは、社会から信頼・共感されるための基盤は、各国・地域の法令順守はもちろん、グループ社員一人ひとりが高い倫理観を持って公正・誠実に行動することと考えています。この認識のもと、2006年に社員一人ひとりの行動規範を明示した「デンソーグループ社員行動指針」を制定し、研修や職場懇談会などにおいて、社員のコンプライアンス意識啓発に活用しています(国内グループを含む)。 また海外グループでも、地域本社が各国・地域の法令・慣習を反映した「地域版 社員行動指針」を作成し、コンプライアンスの徹底に努めています。

デンソーグループ社員行動指針


推進体制

デンソーは、1997年に(株)デンソーに担当取締役を委員長とする「企業倫理委員会」(現在は「リスクマネジメント会議」に統合)を設置し、合わせてグローバルベースで、各地域の統括拠点に、「コンプライアンス委員会」などの会議体、「コンプライアンスリーダー」などのコンプライアンスの推進責任者を設けるなどして、コンプライアンスを推進するグローバル体制を構築するとともに、各地域の特性を考慮した組織体制の整備、通報制度の導入・運営、啓発活動を推進しています。
さらに、定期的に日本・北米・南米・欧州・中国・東南アジア・インド・韓国の各地域の法務担当者間で、情報・課題を共有してコンプライアンス確立と維持に努めています。

具体的な取り組み

教育・啓発

デンソーは、社員一人ひとりの意識向上を目的に、社員に対する各種教育・啓発活動を継続的に実施しています。
例えば、日本においては、以下のようなコンプライアンスに関する社員教育、啓発活動を実施しており、日本以外の各地域においても、地域本社が中心となって、(株)デンソーに準じた社員教育・啓発活動を実施しています。

主な社員啓発活動[(株)デンソー]

  • コンプライアンステスト
    (社員、嘱託社員<出向者、国内外他社からの出向者、定年後再雇用者、期間従業員。国内グループ会社の社員を含む)

  • 階層別コンプライアンス教育
    (新任役員、新任役職者、新入社員、キャリア採用者、期間社員登用者など)

  • 各種法務/コンプライアンス教育
    (独禁法、下請法、輸出管理、贈収賄、情報セキュリティ、適正な経理処理など)

  • 「企業倫理月間」(毎年10月)  など

コンプライアンステスト受講者数[㈱デンソーおよび国内グループ会社] 
年度 2019 2020 2021 2022
受講者数(人) 54,033 48,622 48,748 51,152(99%)

 【注】 2021年度まではe-ラーニング以外の形式(紙等)の受講者を除く。

内部通報制度

デンソーは、各地域の実情に応じて、地域本社や各拠点において、カルテル、横領・窃盗、贈収賄や利益相反などの腐敗行為、セクハラ・パワハラなどのハラスメントや差別その他人権に関わる問題など、業務上の法令違反行為等に関し、E-mail、電話、書面、面談などで通報、相談できる内部通報制度を設けています。
例えば(株)デンソーでは、公益通報者保護法に則った「企業倫理ホットライン」を設置し、社外弁護士・企業倫理ホットライン事務局を窓口に通常の指揮系統から独立させ、匿名通報も可能な体制で運用しています。
企業倫理ホットライン運用規程においては、通報者情報についての守秘義務や、通報・相談を理由とする不利益取り扱いの禁止などが定められており、安心して利用できる制度となっています。
本制度は、社員・派遣社員・常駐外注者など(株)デンソーや国内グループ会社に勤めるすべての人はもとより、サプライヤーも利用できます。
「企業倫理ホットライン」のほか、職場における人権に関する問題については「ハラスメント相談窓口」「障がい者相談窓口」「LGBT相談窓口」などの専門相談窓口や、広く通報・相談を受け付ける「なんでも相談室」を設定しています。これらの窓口もホットライン同様に、守秘義務や不利益取り扱い禁止などを前提に運用しています。
また、地域住民の皆様等社外の方からも、「プライバシーポリシー」に則って会社webサイトから通報・相談を受け付けています。
2022年度は、「企業倫理ホットライン」には、雇用・労働・職場環境・情報管理・取引・経理関係など107件の通報・相談が寄せられ、調査・事実確認の上、適宜対処しました。その結果は、守秘義務、匿名性等を大前提に、担当役員に報告するとともに、社内イントラネットを通じて相談状況を開示しています。

企業倫理ホットライン相談件数 [㈱デンソーおよび国内グループ58社]
年度 2018 2019 2020 2021 2022
通報・相談件数
(うちグループ会社分)
89件
(25件)
130件
(27件)
74件
(24件)
103件
(44件)
107件
(46件)

活動の点検・改善

デンソーは、コンプライアンス活動が十分浸透しているか、また、コンプライアンス上の問題が潜んでいないか点検する活動を行っています。また、問題があれば、必要に応じてトップマネジメントなどに報告され、再発防止策を実施するなどの改善策を行っています。
日本を含む各地域において、定期的に監査を実施、またはコンプライアンスセルフチェックシートなどを活用し、その結果を改善に役立てています。例えば(株)デンソーでは、毎年、施策の浸透度や潜在リスクの把握を目的に「サステナビリティサーベイ」も実施しています。

サステナビリティサーベイ[㈱デンソー]

質問:社員行動指針を実践しているか? (「はい」と回答した比率)

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独占禁止法への対応

2010年2月の米国司法省による米国子会社(デンソー・インターナショナル・アメリカ)への立入調査以降、デンソーはこれを重く受け止め、従来から取り組んできた独禁法順守をさらに徹底するため、「独禁法コンプライアンス委員会」を設置。チーフコンプライアンスオフィサーを委員長とする同委員会の指揮・監督のもと、独禁法順守ルールをさらに厳格化し、順法教育の強化や、より精緻な順法監査を実施するなど、デンソーグループ全体で独禁法順守の再徹底を図っています。
今後も独禁法コンプライアンス体制をより一層強化し、再発防止の徹底を図るとともに信頼回復に努めていきます。

腐敗行為の防止

腐敗行為は、企業の正当なビジネスを阻害するだけではなく、テロ組織や犯罪組織などの反社会的勢力の資金源につながっていることが懸念されています。そのため、英国の贈収賄防止法(UKBA)や米国の海外腐敗行為防止法(FCPA)の強化など、世界各国で腐敗行為に対する規制が強化されています。
デンソーは、「デンソーグループサステナビリティ方針」に基づき、高い倫理観をもって健全かつ公正な事業活動に努めています。例えば、贈収賄や違法な政治献金・寄付、あるいは脅迫・強要・横領などの違法・不当な手段で利益や便宜を供与したり、マネー・ロンダリング・不正な国際送金あるいは反社会的勢力への資金提供などに関与することがないように、デンソーが事業活動を行うすべての地域・国の腐敗防止に関する法令の遵守した行動の実践に努めています。

贈収賄行為の防止

事業・環境の急速な変化に即応するため、各国・地域の公的機関・公務員との協働の機会の増加も予測されることから、デンソーは、担当取締役を委員長とする「贈収賄防止コンプライアンス委員会」を設置しており、チーフコンプライアンスオフィサーを委員長とする同委員会の指揮・監督のもと、贈収賄防止コンプライアンス活動を進めています。
贈収賄防止の基本方針として、「贈収賄防止グローバルポリシー」を制定し、同方針に基づき社内規程をグローバルに整備し、贈収賄を防止する仕組みを運用するとともに、社員への啓発・教育を推進しています。
サプライヤーに対しても、贈収賄防止を含む「サプライヤーサステナビリティガイドライン」を周知、自己点検を展開し、サプライヤーによる贈収賄防止にも取り組んでいます。

適正な会計処理と記録保持

会計不正につながる簿外取引や架空取引その他の虚偽の取引又はその誤解を与えるような取引を行わず、国際会計基準および各国の法令・会計基準に従った適正な会計処理を実施できるように、経費処理・棚卸などに関する会社ルール・手続きを策定・整備し、イントラネットによる情報共有や経理コンプライアンス教育の実施など、社員に周知徹底しています。
また、すべての取引及び資産の処分について合理的に詳細で、正確且つ公正に反映した会計記録(帳票や帳簿等)を作成し、保持しています。

インサイダー取引の防止

証券市場の公正性と健全性の確保、株主・投資家の信頼確保のため、デンソーは、取締役副社長を委員長とする「内部情報委員会」 及びその実務を運営する「内部情報検討会」を設置し、インサイダー取引防止の徹底に取り組んでいます。
また、内部情報管理と役員・社員の自社株式等の売買時の行動基準に関する社内規程・細則を定め、「社員行動指針」にインサイダー取引の禁止を明記したり、定期的にコンプライアンス教育を実施するなど、社員のインサイダー取引防止の意識浸透に努めています。

今後の取り組み

今後も引き続き、社員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるための仕組みを充実・強化していくとともに、デンソーグループ全体のコンプライアンス体制のレベルアップに向け、グループと連携してプログラムの強化・充実を図っていきます。