第2章(1999~2010年)成長への意志が「優秀」と「最高」の差となる
1. 事業の拡大と日本のトップサプライヤーとしてのデンソーの地位の確立
(1) 顧客との密接な関係による南北への広がり ― DNKIの南部進出の基礎

第2製造部の設置
1990年代半ばのインドにおけるカーメーカーの動向:
グローバルな大企業が「自由化された」インド市場に進出し、1996~1999年にはGM社、ホンダ、現代自動車などの国際的な大手カーメーカーが参入した。
デンソーが南インドに新工場を設立した背景には、主に日本の主要顧客であるトヨタ自動車をサポートする意図があった。そのため、キルロスカグループとの合弁開始が計画された。


1998年、 デンソーとキルロスカの合弁によりデンソー・キルロスカを組織し、ベンガルール(カルナータカ州)にデンソー・キルロスカ・インダストリーズ(DNKI)を設立して南部のメーカーに対応した。


DNKIはインド地域のサーマルメーカーとして、主要顧客であるトヨタ・キルロスカ・モーター社に製品とサービスを提供する目的で1998年に設立された。
デンソー本社の専門家チームに指導を受けたフレッシュな社員チームによって、空調・冷却システムに関する製品を生産・製造する「グリーンプロジェクト」が立ち上げられた。
DNKIは過去20年間にわたってインドのトヨタ・キルロスカ・モーター社をサポートし、インドのカーメーカー向けエアコンや関連製品、バス用エアコンなどのサーマル製品を生産してきた。
強力な経営陣のもと、ベストセーフティの実践と持続可能な取り組みを通じた社会への貢献が約束されている。
国内外の顧客拡大
1999年、顧客であるトヨタ・キルロスカ・モーター社とマルチ・スズキ・インディア社への最初の納入を経て、DNKIのポートフォリオに新たな顧客が徐々に加わり始めた。
- 1999年11月にマルチ・スズキ・インディア社が加わる
- 2000年4月にヒンドゥスタン・モーターズ社(三菱)が加わる
- 2006年10月に顧客のホンダ・カーズ・インディア社に最初の納入を行い、2006年11月にはバスエアコン事業に参入して、ボルボ社と他の車体メーカーが加わった
- 2007年にDNKIは輸出事業(デンソー子会社)に参入し、2007年1月に最初の輸出を受注した。デンソー本社にも輸出を行った。それ以来、中東・アフリカ地域、アジア太平洋地域、南アメリカおよび北アメリカ地域への輸出を行っている
- 2009年、スブロス社への最初の納入
- 2010年にトヨタ・キルロスカ・モーター社からの新製品ラインのために工場を拡張