第4章(2022~2024年)インド独自のスキルと人材を生かした未来のための第2の礎の創造
1.「次」の創出と開始
(2)未来に向けた戦略2025/2030年
LTP2030将来目標
今後も環境保護に力を注ぎ続けるデンソーは、2020年のインドにおけるBS6排出基準の導入など、厳しい規制に対応する顧客をサポートすることに大きなビジネスの可能性を見いだしている。BS5を飛ばす動きによって、顧客の規制順守を支援する新たなチャンスが生まれる。さらに2030年までにBEVを10%、HEVを14%にするという政府の目標は、自動車分野における革新と変化の機会をもたらすものである。
2023年度以降に向けて考える
インドの人口増加について考える時、想起されるのは地球を大切にする共通の責任と世界経済への影響だ。この国が抱える社会問題は、解決策を開発する技術と情熱を持つデンソーが、非モビリティ分野へと転換する推進力となっている。世界で最も人口の多い国であるインドには固有の社会問題が存在しており、デンソーはこの問題に取り組んで前向きな影響を及ぼすことができる。この責任を理解しているデンソーは、インドの成長と発展を支える革新的なソリューションの開発に取り組んでいる。
「社会問題」を解決することで、どのような共感を得ることができるのか、技術と情熱でどのように解決を試みているのか、具体的にどのように内容と達成計画を考えているのか。
o 時代:モビリティ「ウェルビーイング」
2025/2030年に向けて未来を見据えるデンソーの原動力は、LTP2030ミッションの一環として「環境」と「安心」の中核的価値を掲げ、技術とスキルを生かして社会を発展させる、心からの願いである。
今後の成長をけん引する柱は、次の四つである。
- 未来の社会に向けたデンソーの技術:温度の影響を受ける物品を安全に輸送・保管する「コールドチェーン」などの革新的なソリューションを通じて、カーボンニュートラルの達成とさまざまな社会課題の解決に尽力する。
- 先見:次の変化の波を予測することは、成功を収める上で極めて重要である。変化する市場と技術の進歩に適応するために、俊敏性を優先している。
- 独自のスキルと人材:デンソーはソフトウェア資産開発への投資と優秀な技術者の獲得を通じて、変革的なビジネスイニシアチブを推進する。インドの優れた人材を活用することで、イノベーションを促進して成長に拍車を掛ける。
- 強み:インドの低コスト製造能力が、デンソーの事業を支えている。この強みによって高品質なソリューションを効率的に提供することが可能となり、グローバルリーダーとしての地位が強化される。
環境サステナビリティ、安心、人間の潜在能力をマネジメントシステムの中で優先することで、デンソーはインドの社会と産業の強化に積極的に貢献していく。