1. デンソー持ち分の増資により、デンソー豊星とデンソー豊星電子に社名変更
② 企業分割とデンソー豊星のスタート
通貨危機による打撃により資金運用に困難を抱えていた豊星電機は、1998年、デンソーに豊星精密の持ち分を売却してデンソーの持ち分51%で経営権を譲渡し、デンソーとの資本合弁を計画した。デンソーは、合弁の前提条件として、自動車部品部門を独立させることを要求し、2000年5月、豊星電機は「自動車部品の競争力を高めるために人的分割形態で会社を分離する」と公式に発表し、6月に株主総会を招集して分割を決議した。
そして8月1日、ついに豊星電機(自動車部品事業部門)とPSTEC(電力計事業部門)に分社した。
PSTECはコスダック市場に残り、場外企業として新たに設立された豊星電機は、モーターをはじめとする電装品と車両用エアコンなどの自動車部品事業部門を確保してデンソーと合弁会社事業を推進し、9月8日にコスダック市場に再上場した。コスダック市場の新規上場にかかる時間が通常6カ月であることと比較すると、1カ月という速さでコスダック市場に上場したということになるが、これは企業分割を通してコスダック市場に再上場した最初の事例となった。
2000年10月、豊星電機はデンソーと自動車用小型モーターシステム製品を開発・製造・販売するデンソーの系列会社アスモを引受先として400万株の第三者割当増資を行った。

デンソーとアスモの持ち分が40%に拡大し、増資の参加の条件として、豊星電機はデンソーに経営権を譲渡することで合意した。経営権がデンソーに譲渡されることにより、2001年1月に社名もまた「デンソー豊星株式会社」に変更され、本店所在地もソウルの聖水洞から慶尚南道の昌原に変わった。
デンソー豊星の初代社長には橋口悅夫が就任することとなり、昌原工場を中心に本格的な自動車部品事業の拡張が始まった。


一方、2000年に豊星電機のデンソー持ち分が増資されたことで、2001年に豊星精密もまた「デンソー豊星電子」に社名が変更された。