第3章 成長と成熟 通貨危機の克服とデンソー流の開始 2000~2017

2. 自動車部品の領域拡張と売上伸長

③ 韓国デンソー販売の成長と発展

1997年の設立以降、韓国デンソー販売はデンソーの韓国現地法人として物流と販売を担当してきた。
2003年、韓国デンソー販売はデンソーウェーブのロボットの販売を開始し、小型ロボットから高可搬荷重、ロングリーチに対応する幅広い製品のラインナップにより、韓国市場におけるデンソーロボットのシェアを拡大した。

2011年 DIKR 社長賞受賞
2011年 DIKR 社長賞受賞

2004年には点火プラグとCNGバス用のイグニッションコイル、高圧ポンプ、インジェクター、コモンレール、ECUなどのディーゼル製品の直接販売を開始し、2008年にはハンディーターミナル、固定式スキャナー、ハンディースキャナー、RFIDのようなオートIDのラインナップを通して非自動車分野の製品群へと販売領域を拡大した。
2012年には自動運転のための必須技術である先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance Systems, ADAS)製品の直納を開始した。

さらに、2010年代はデンソーの韓国拠点の事業が飛躍的に成長した時期である。2010年には韓国拠点の総売上高が8,208億ウォンを突破し、1兆ウォンを超えるのは時間の問題であった。デンソー豊星、デンソー豊星電子、韓国デンソー販売など、韓国のデンソー3社の社長らは、未来への成長のエンジンは、何よりも「技術力」にあると考えていた。

韓国デンソー販売は、顧客の近くで速やかに対応し、顧客の視点で市場動向を把握するために、京畿道の義王市にテクニカルセンターを設立することを決めた。

2013年7月18日 京畿道とデンソー投資誘致調印式
2013年7月18日 京畿道とデンソー投資誘致調印式

2011年7月、韓国デンソー販売は、京畿道と5,600万ドルの投資誘致業務協約を締結し、京畿道義王市の浦一インテリジェントタウン内に敷地20,586㎡、延べ面積7,397㎡規模の地上4階と2階建ての2棟の建設を推進した。

DIKR竣工式
DIKR竣工式

2013年10月にテクニカルセンターのメインの建物が完成した。その後、風洞の増築が続き、風洞の完成により実験車に対する様々な実験が可能となった。品質満足度が高まり、顧客の信頼をより一層高めることとなった。
開発機能を備えたテクニカルセンターを建設して事業の現地化を推進し始めた韓国デンソー販売は、デンソー製品の品質改善によって営業力の強化はもちろん、韓国の自動車部品産業全般の競争力を一段階アップグレードさせるきっかけをつくった。