第4章 ビジョン 未来に向けた新たな挑戦 2018~

1. デンソー・コリア・オートモーティブ株式会社、デンソー・コリア・エレクトロニクス株式会社、デンソー・インターナショナル・コリア株式会社を合併したデンソー・コリアのスタート

① デンソー・コリアの合併背景と過程

2014年に欧州連合が導入したディーゼル車の排ガス規制「ユーロ6」をはじめとして、多様な環境規制、炭素低減の重要性が社会的に高まりを見せるにつれ、自動車産業は従来の内燃機関中心からエコカーを中心にパラダイムの転換が求められるようになった。

自動車に適用される技術もまたCASE(自動化、コネクティッド、カーシェア、電動化)と呼ばれる新たな分野が登場し、自動車は単純な移動手段でない、一人ひとりのライフスタイルを反映した一つの空間概念として認識され始めた。

韓国デンソー3社の統合社内報第1号
韓国デンソー3社の統合社内報第1号

このような時代の流れにより、2015年以降、韓国デンソーの拠点3社は、将来の競争力を確保してより一層成長するための新たな戦略として、「拠点統合運営」を構想した。資源と人材をより効率的に運営して事業体質を強化するためには、各会社に分散したリソースを統合してシナジー効果を創出する方法が最適であると判断した。究極的には、「デンソー・コリア」という一つの会社をつくり、韓国でのデンソーブランドの地位と競争力を高めることが合併の目標であった。

2016年 IT/HR ワークショップ
2016年 IT/HR ワークショップ

デンソー・コリアは2016年から一部の部署の統合を始め、2017年1月からはすべての組織をデンソー・コリアの体制で構成した。このように、法人統合は瞬く間に行われたものではなく、悲願の事業として段階的に進められた。

2018年1月、デンソー・コリアは1人の代表取締役を置く体制に整備され、経営革新宣言を発表した。また、全社員に法人統合の計画を宣言し、「経営体制の変革」「技術開発とモノづくり改革」「デンソー・コリアの核心拠点化」という重要事項を発表した。

韓国デンソー3社がDNKRに経営統合
韓国デンソー3社がDNKRに経営統合

4月には、デンソー本社の専務役員会議でデンソーの韓国拠点の法人統合が最終承認され、5月に合併契約を締結した。そして、7月1日を合併日に指定して7月2日に合併登記を完了し、統合法人デンソー・コリアがスタートした。

初代の代表取締役には、前デンソー・コリア・エレクトロニクス(2011~2015)およびデンソー・コリア・オートモーティブ(2015~2018)社長のキム・ギョンソプが就任した。

「皆さん、自動車市場の環境がこれまでになく厳しい中、当社は今、激しい競争の渦中にあります。今の競争に勝てなければ、これ以上の発展は期待できないでしょう。そこで、私たちは韓国の3社が一つとなって、『強力なデンソー・コリア』を作りたいと考えております。『強力なデンソー・コリア』になるためには、私たちの社員の一人ひとりが必死の覚悟と信念を持たなければなりません。これから私たちがつくっていかなければならないものは、私たち自身の未来とデンソー・コリアの未来です。私たちが夢見るデンソー・コリアは、環境の変化に対する迅速かつ柔軟な競争力を備えた会社です。このような私たちの夢を実現するためには、今までとは異なる徹底した体質改善で新たに生まれ変わらなければなりません」

- デンソー・コリア キム・ギョンソプ前代表取締役の就任あいさつから

キム・ギョンソプ代表取締役は、全社員が必死の覚悟と信念を持ち、デンソー・コリアに特有の長所を生かして激しい競争に勝利し、「強力なデンソー・コリア」に新たに生まれ変わらなければならないと強調した。また、第4次産業革命が到来した激変する自動車市場において、デンソー・コリアは、法人統合をはじめ、デンソー本社と連携した積極的な新技術の開発を通して、市場環境の変化に迅速かつ柔軟に対処していくものであり、国内市場はもちろん、海外市場の開拓に挑戦するつもりであると、初代代表取締役としての抱負を語った。

一方、合併は、デンソー・コリア・エレクトロニクスを中心にデンソー・コリア・オートモーティブとデンソー・インターナショナル・コリアを吸収合併した。社名は、製造・営業・技術などを統括する企業として、総合的な力を備えるとともに、特定の機能を強調せずに拠点を代表できる社名である「デンソー・コリア株式会社」とした。