第1章 創立 豊星産業と日本電装との縁 1948~1979
1. 豊星産業の設立(1948年)
② 国産自動車時代の幕開けと豊星産業のスタート

1955年8月、国際車両製作という自動車整備所で国産自動車を開発した。「始発自動車」と名づけられたジープ型乗用車で、アメリカから払い下げを受けたジープのエンジンや変速機の車軸などを利用して車体を造り、ドラム缶をたたいて広げて造った韓国初の自動車であった。
併せて、同年に設立された河東煥(ハ・ドンファン)自動車製作所がバスを生産し、セナラ自動車、新進自動車、亜細亜自動車、起亜産業、現代自動車などが設立され、国産自動車の時代が幕を開けた。
こうした国産自動車時代の幕開けとともに、豊星産業は1957年に豊星産業株式会社として法人となり、本格的に自動車部品事業に参入した。10年余り前に創業の準備をしながら、将来には自動車産業が大きく成長するだろうと考えていたファン会長の予想はみごとに的中した。豊星産業は、自動車部品の国産化を目標に、技術の獲得に向け、絶え間のない努力を開始した。