第3章 成長と成熟 通貨危機の克服とデンソー流の開始 2000~2017

1. デンソー持ち分の増資により、デンソー豊星とデンソー豊星電子に社名変更

① 通貨危機の克服と変化

1997年11月21日、イム・チャンヨル経済副総理の衝撃的な特別記者会見で始まった通貨危機。韓国は、国際的には計550億ドルの借金を抱える債務国となったが、かろうじて国家不渡りの事態は免れた。

しかし、IMF(国際通貨基金)は厳しい経済構造の調整を要求し、大企業から中小企業、商工業者が相次いで破産した。銀行は倒産し、株式は紙くずになり、失業者が街にあふれた。

政府の経済政策の失敗と、大企業の過大な投資がもたらした通貨危機は国民の生活を飲み込んだが、結局は崖っぷちに立たされた国民の力でそれを乗り越えた。「金集め運動」などを全国民が団結して主導し、2001年8月、約4年ぶりにIMFの管理体制から脱却した。

このように、韓国の情勢が経済回復の希望的な局面に入っていく中で、通貨危機により思うように動けなかった豊星電機もまた変化を通して新たな道を切り開いていかなければならなかった。