第3章 南米事業拡大期

3. ビジネスの多角化 [2]オルタネーター

(1) マニェティ・マレッリ社回転機器事業買収とDENSO MAQUINAS ROTANTES do BRASIL LTDA.(DMBR)設立

1999年3月、デンソーはMM社の回転機器事業部門であるイタリアのマニェティ・マレッリ・マニュファクチャリング(MMM社、現DMIT)を買収した。
グループの競争力を高めるために、MM社はスターターやオルタネーター、ワイパーモーターなどの回転機器を生産するMMM社を売却し、パワートレイン事業や空調事業などに集中しようと考えていた。一方、デンソーは日系カーメーカーの欧州進出に合わせて、電装品の現地生産を考えていた。
MM社としては1990年から空調事業に関する包括提携を結び良好な関係を維持してきたデンソーへの売却を希望した。MM社とデンソーの思惑が一致し、MMM社の株式の80%をデンソーが取得した。
MM社は、1979年7月にブラジル子会社としてマニェティ・マレッリ・ド・ブラジル社を設立していた。同社はサンパウロから北西約110kmの内陸に位置するオルトランジアで、燃料噴射装置などのパワートレイン製品の製造のほか、回転機器事業に属するワイパー製品の輸入・販売を行っていた。
MMM社買収に伴い、ブラジルでも回転機器事業の譲渡が発生した。マニェティ・マレッリ・ド・ブラジル社から回転機器事業部門のみをスピンオフさせ、1999年2月にマニェティ・マレッリ・マキナス・ロタンテス社を設立した上で、1999年10月に名称を現在のDENSO MAQUINAS ROTANTES do BRASIL LTDA.(DMBR)に変更。生産拠点はそれまで通りマニェティ・マレッリ・ド・ブラジル社のオルトランジア工場内に置き、1,700㎡を賃借して続けられた。