4. ダイバーシティの推進
1997-
(1)多様化する社員の活躍
- 2014年
- 社員の多様性は会社の持続的な成長に不可欠と捉え、その推進のための専門部署を新設した。重点的に取り組んだのは「女性・障がい・年齢・国籍」の四つの分野であった。
日本の労働環境は、長らく男性中心ともいわれる同質性が維持されてきた。しかし、政府は2013年に掲げた「日本再興戦略」で、女性の力を「我が国最大の潜在力」と捉え、その発揮を成長戦略の中核に位置付けた。
当社は2014年1月、「DP-ダイバーシティ推進室」を新設した。DPとは「デンソープロジェクト」の略であり、2年間で集中的に取り組むプロジェクト組織にはこうした名称を付けた。
多様な社員が職場にいて活躍している状態は、新たな気づきやチームワークを高め、総智・総力の発揮と持続的な成長には不可欠である。これがダイバーシティに対する当社の考え方であった。
- 深掘りダイバーシティ推進の考え方
- DP-ダイバーシティ推進室の設置により、従来は人事部による制度構築が中心であったダイバーシティ推進を「全社の経営課題」と位置付け、全部門で「多様な人材の活躍の場の拡大」に向けた取り組みを推進することとなった。
DP-ダイバーシティ推進室は、多様な人材が生き生きと仕事に励んでいる状態を社内につくり出すことが社会やお客様からの信頼につながり、これからの企業の持続的成長には不可欠であると考えた。そして何より、ダイバーシティ推進の取り組みには、継続と改善が重要であった。
こうした考え方に基づいて、DP-ダイバーシティ推進室は活動期間を1年延長した上で解散したが、その理念と活動は人事部や関係部門に確実に引き継がれた。
当社は「女性・障がい・年齢・国籍」の四つに重点的に取り組んだ。
「女性活躍」については、当社ではすでに育児支援の施策は拡充していたため、「女性のキャリア意識の醸成」を重要テーマとした。当時、当社の女性管理職の比率は、わが国の製造業の中でも低い水準にあった。そもそも管理職候補となる女性総合職の人数が少なかった。
そこでまず女性総合職の採用強化とキャリア形成支援に着手した。
具体的には、新卒採用強化のための女性リクルートチームの結成、キャリア採用の拡充、女性管理職の3倍増(約100人へ)を目指す登用目標の設定、上司・本人の意識改革などによるキャリア形成支援策など、幅広く取り組みを進めた。
その次のステップとして、人数では圧倒的に多い女性の一般職と技能職の活躍を推進することに目を向けた。具体策として、採用活動の強化や育児期の支援などの取り組みを拡充した。
女性活躍に続いて、DP-ダイバーシティ推進室は「障がい者」に焦点を当てた。
当時、社会全体で見ると、知的・精神障がい者の雇用が進んでいない状況であった。当社は社会課題に対応する観点から、ここに優先的に取り組むことを決めた。
2017年、障がい者雇用の特例子会社「デンソーブラッサム」を設立した。
業務内容は主に社内郵便の集配送やフロア清掃などの事務サポートであった。当社は障がいを持つ社員についても、健常者社員と同様に「人材育成」という観点を重視し、企業人としての成長にこだわった。
「年齢」と「国籍」については、人事施策の一環として、それぞれ50代社員向けキャリア支援策や定年後再雇用制度の見直し、新グローバル人事制度の導入による海外人材のトップポジションへの登用と活躍促進などを進めた。