活動レポート

障がい者スポーツ支援活動

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■車椅子ツインバスケットボール

みなさんは車椅子ツインバスケットボール(以下、ツインバスケット)という競技をご存知ですか。一般には障がい者が行なうバスケットボールとして車椅子バスケットボールが有名ですが、ツインバスケットは下肢のみならず上肢にも障がいを持つ重度障がい者も広く参加できるように日本人によって考案されたスポーツです。

上肢障がいは主に交通事故やスポーツ中の事故により首の骨を折る(頸椎損傷(けいついそんしょう))ことに起因し、多くの選手が指を動かしたりモノを握ることに障がいを持っています。そのため通常のゴール(高さ3.05メートル)とともにフリースローサークル中央にもうひとつのゴール(高さ1.2メートル)を設けることからツインバスケットボールと呼ばれています。また障がいに応じてそれぞれの選手に1.0~4.5点の個人持ち点をつけ、プレーする5人のチーム合計持ち点が11.5点を越えないように選手を構成します。
頸椎損傷(けいついそんしょう)は握力障がい以外にもさまざまな障がいを引き起こします。たとえば損傷の度合いによって発汗作用が著しく低下します。このため、プレーで体内に熱を持った選手たちをクールダウンさせるために、タイムアウト中にサポーティングスタッフが一生懸命うちわで扇いだり霧吹きを使って熱を発散させるという光景を目にします。

デンソーは障がい者福祉の観点からツインバスケットを応援し、全国大会である日本車椅子ツインバスケットボール選手権大会を2009年度から支援しています。今年も6月13~14日に小牧市のパークアリーナ小牧を大会会場に、東北から沖縄までの12チームが参加して熱戦を繰り広げました。

日本ツインバスケットボール連盟の関係者に話を伺うと、現在のツインバスケットの課題として若い人の参加が減り、選手人数が固定化・ジリ貧傾向にあるとのことです。安全製品の充実により頸椎損傷(けいついそんしょう)に至る重大事故が減ったことにも帰因しますが、昨今の個人情報保護の観点から新しい人たちに声がけをするチャンスが減ってきました。これにより不幸にして頸椎損傷(けいついそんしょう)の障がいを負った人がツインバスケットに触れる機会も減っているようです。ツインバスケットを応援する企業として、もっとこのスポーツが正しく社会に伝わるように情報を発信していきたいと思います。

活動記録写真
通常の高さと1.2メートルの高さ。2つのゴールを設置

写真説明:2つのゴールを設けます。

写真は、試合の様子

写真説明:空中にある1つのボールをめぐっています。

写真は、試合の様子

写真説明:熱戦が繰り広げられています。