第2章(1999~2010年)成長への意志が「優秀」と「最高」の差となる

3. ヨーロッパの法令順守で顧客をサポート、信頼と信用の基礎

(1) 基盤の構築 ― DNHA設立、新しい経営スタイル

第3製造部の設立
限られた3製品でDNHAを設立し、少数でも高品質に注力
北部に第3製造部を設立

1998年、デンソーがさらなる新会社としてデンソー・ハリアナ(DNHA)をマネサール(ハリヤナ州)で創業。
1996年、デンソーはインドにおいてエンジンマネージメントシステムに着手した。電子式燃料噴射制御装置、電子式制御装置、エアフロメーター、バキュームセンサー、水温センサー、O2センサー、スロットルボディ、インジェクター、燃料ポンプなどで構成されるシステムである。上昇が予測される顧客ニーズ、近代化ニーズ、現調化ニーズを満たすために、デンソーは新しい拠点の設置を計画した。
1998年、このためにグルガオンに25エーカーの土地を取得し、1999年に第3製造部としてデンソー・ハリアナを設立した。これはデンソー初の完全子会社であった。
1998年、DNHAは事業許可を取得し、デンソー本社との技術移転契約を締結して、マルチ・スズキ社などの北部を拠点とする四輪車メーカーに対応・サポートできる体制を整えた。

主要製品はパワートレイン製品(燃料ポンプ、インジェクター、E/G ECU<エンジン制御装置>、ISCV<アイドル回転速度制御装置>)、小型モーター、ECM(エンジン制御モジュール)であった。
2000年3月16日にマルチ・スズキ・インディア社に最初の燃料ポンプを出荷し、さらに2000年3月29日に最初のECUを出荷した。

DNHAのグランドオープニングセレモニー
2001-DNHA-開会式
2001-DNHA-開会式
2001-DNHA-開会式グループ写真
2001-DNHA-開会式グループ写真

2001年1月、DNHAの正式な立ち上げとしてグランドオープニングセレモニーが開催され、ハリヤナ州首相とデンソー岡部社長が出席した。
2001年7月にインジェクターニードルおよびホルダ用ラインが設置され、10月に燃料ポンプアーマチュア用ラインが設置された。
2002年、ECUと燃料ポンプをトヨタ・キルロスカ・モーター社に初出荷した。

インド政府による自動車政策の改革

2002年、真に世界的競争力がある経済を目指し、インド政府による政策改革が発表された。インドを国際的なハブにして、世界と同等の安全・環境基準を策定するというものである。これがデンソーにとって、規制を順守する能力を顧客に示す非常に大きな機会となった。

DNHAで新しいスタイルの経営改革を創造
参画意識を持つ小さな社会がインドの産業慣行の修正を望む

DNHA設立当初、過去の学びと長期的な産業シナリオを熟考した末に、会社の理念と使命が明確になった。

こうした理想的状況を実現するために、人間を重んじる平等、尊重、信頼を確立できるように ― すなわち、柔軟性と適応性の原則とともに生まれる平和的共存を実現できるように、すべての方針、規則、日常管理が設計された。

強く賢明なリーダーたちが、企業文化創造の使命を果たそうと懸命に取り組んだ。DNHAのメンバーは一人ひとりが会社に対する責任感と当事者意識を持ち、階級のない社会でより良い職場を共創することに誇りを持っていた。

DNHAはより大きなファミリーへと成長し、自尊心と、将来のあらゆる挑戦を受け入れる強い意思を持って、素晴らしい未来に向かって力強く歩んでいる。

2003年、DNHA第1工場でゼロエミ達成

「ベストプラクティス」を確立して環境リーダーを目指す:発生するすべての廃棄物の3R(Reduce<削減>、Recycle<リサイクル>、Re-Use<再利用>)、特に有害廃棄物の安全管理を確保するために強力な廃棄物管理システムを構築したDNHAは、完全順守を果たし、2003年12月19日に「ゼロ」エミッションを宣言した。