3. 新理念の制定
1986-
(2)デンソー基本理念
- 1994年
- 策定した「デンソー基本理念」は、「新たな価値の創造」を核心的なキーワードに据えた。これをもとに、経営と社員、それぞれのあるべき姿を分かりやすい言葉を選んで提示した。
「デンソー基本理念」は、三つのパートに分けられた。「会社の使命」「経営の方針」「社員の行動」である。内容の異なるメッセージを、それぞれの対象に明確に伝えるためであった。
「社是」は、深い内容が簡潔にすっきりとまとめられている。しかし、文章が短いために内容の意図が伝わりにくい、あるいは人によって解釈が異なってしまうという一面もあった。
それを念頭に置いて、新理念は無理に言葉数を減らさず、伝えたいことは織り込もうという方針をとった。そのため、全体の文量が多めになり、伝えたい内容をその対象によって層別することとした。
第1のパート「会社の使命」で、時代や環境を超えた当社の本質的なあり方を提示した。ここでは「新しい価値の創造」という新たな考え方を打ち出した。当社は今後もモノづくり企業であるとの前提を置きながらも、当社の製品やサービスが提供するうれしさ、安心、社会課題解決などといった「価値」が重要であり、それらを自ら創造することこそ、当社の本質的なあり方とした。
第2のパート「経営の方針」では、会社の盛衰を左右するものは舵取りとしての「経営」であることから、これを一つのパートとしてまとめた。経営がいかにあるべきかについては、社是で示していた当社創業以来の価値観を、新たな時代に合わせて表現を改めた内容に落ち着いた。
第3のパート「社員の行動」は、新理念の実践の担い手は社員であることから、社員一人ひとりへのメッセージを織り込んだ。
デンソー基本理念は、計画体系に沿って社内に展開していく方針をとった。
具体的には、各部門の長期構想や年度計画、あるいは社員一人ひとりの活動計画を検討・作成する際に、その考え方や活動が、デンソー基本理念の価値観に照らし合わせて本当に当社に相応しいものなのかどうか。それを振り返ってよく考えてもらうことに、浸透活動の重点を置くこととした。