1. 第二の創業
2017-2024
(4)サステナビリティ経営
- 2018年
- 社会課題解決と事業活動の両立を本格化するため、当社は「サステナビリティ経営」のスローガンを掲げた。当社にとって、サステナビリティ(持続可能な社会を目指す行動)は創立以来、経営の根幹としてきたものでもあった。
当社は創立以来、自動車領域において、環境・安心への取り組みで社会課題の解決に貢献してきた。この経営姿勢を、ステークホルダーにも理解・共感される形で、明確に伝えなければならない。
そうした認識が高まり、2018年に「サステナビリティ経営」をスローガンに掲げた。
当社のサステナビリティの考え方は、古くは社是における「最善の品質とサービスを以て社会に奉仕す」にも、同様の精神が織り込まれていた。創立以来、脈々と受け継がれてきた当社経営の根幹である。そして、様々な経営環境において、一貫して成長の原動力となってきたものでもあった。
今、サステナビリティは、社会から最も求められる企業経営のあり方となっていた。
さかのぼれば1990年代、環境保護意識の高まりや企業の相次ぐ不祥事を背景に、CSR(企業の社会的責任)という考え方が日本で急速に広まった。これを機会にコンプライアンスや社会貢献が重視されるようになり、企業は環境や社会への配慮と本来の事業活動をどう両立させるかを問われるようになった。
このCSRの考え方をさらに発展させたのが、2015年9月の国連サミットで採択された「SDGs(Sustainable Development Goals)」であった。
SDGsは「持続可能な開発目標」と訳され、2030年までに経済・環境・社会において、持続可能でより良い世界の実現を目指すというものであった。
当社は、従来のサステナビリティ経営を時代の要請に合わせてさらに加速すべきと考えた。そして、当社の取り組みをステークホルダーにも十分に理解し、共感してもらう。こうした活動が必要な時代になったと判断した。
そのためには、当社のサステナビリティの進捗を「見える化」することが有効であると考え、「優先取組課題(マテリアリティ)」を選定した。
参照:優先取組課題の一覧
国連のSDGsを含む様々な社会課題の中から、持続可能な社会の実現のために重要度が高く、当社が特に貢献できる分野を「環境」「安心」「企業基盤」の三つと定めた。
その各分野で「優先取組課題」を指定し、それを全社で取り組むべきものとして位置付けた。各優先取組課題については、それぞれが目指す姿と具体的な目標値であるKPI(重要業績評価指標)を設定し、目に見える形での活動の確実な進捗を図った。
- 深掘り環境分野の優先取組課題
- 環境分野では、モノづくりにおけるCO₂削減や、自動車の電動化に貢献する製品の開発・普及などに取り組むとした。
代表的な取り組みは「カーボンニュートラル」(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)であった。世界では低炭素から脱炭素に向けたカーボンニュートラルの動きが加速しており、当社はこれまでの環境経営をさらに進めることで、2035年という近未来での生産活動におけるカーボンニュートラル実現を目指すとした。
特に力を入れたのが「CO₂循環プラント」の開発であった。これは工場の生産工程で発生する排出ガスからCO₂を回収し、そこに水素を結合させてメタンガスを合成し、工場で燃料として利用するという施設であった。2020年7月にプラントが完成し、効率化や小型化といった一層の実用化への技術開発を続けるとした。
- 深掘り安心分野の優先取組課題
- 安心分野では、安全製品の開発や快適な空間を実現するサービスの提供などに取り組むとした。
特に重要な取り組みは、「交通事故ゼロ」への挑戦であった。エレクトロニクス技術とITを融合することで自動車の安全性能を向上させ、乗員に安心感を与える製品を提供することで安心・安全なモビリティ社会を目指した。
従来、衝突安全製品や予防安全製品を提供し、乗員や歩行者の衝突時の被害軽減や交通事故抑制に貢献してきたが、さらにその先を目指して交通状況に応じて認知・判断・操作を支援し、車間維持、車線変更、追い越しなどを行う高度運転支援技術の実現に注力するとした。