2. 事業の再構築
2017-2024
(3)社外連携の拡充
- 2019年
- 情報化の進展で競争が格段にスピードアップし、もはや自前主義だけでやれる時代ではなくなった。当社は社外連携に思い切って舵を切った。2019年ごろから共通の価値観を持つ仲間づくりをグローバルに本格化した。
2010年代に入り、情報化が急進展した。すさまじいスピードで新技術が生まれ、人々の意識や嗜好が多様化し、事業も急速に変わっていくようになった。
当社も、こうした中でスピード感をもって成長していくには、従来の自前主義だけではなく、社外連携が必要と判断した。
そのためには、志を同じくするパートナーを見出さなければならない。不慣れではあっても、世界中の頭脳・叡智と連携する道を模索していかなければならなかった。
まずトヨタグループにおいては、「ホーム&アウェイ戦略」による事業の再構築が進められた。
- 深掘りホーム&アウェイ戦略
- トヨタグループとしての競争力を強化するため、「ホーム&アウェイ」の視点で限られたリソーセスを活用し、事業の再構築を進めていく戦略をとった。
「ホーム」とは、自社で付加価値をつけることができ、競合と比較しても競争力で勝っている事業である。「アウェイ」とは、専門性において自社よりも他社の方が多くの優位性を持っている事業を指す。
こうした観点からグループ内の事業を見直し、「ホーム」の会社にその事業を集約することによって生産性を向上させ、グループ全体としての競争力を強化することを狙った。
従来は、グループ内で各社が切磋琢磨しながらも、それぞれで技術を高めてきた。それに加えて、トヨタグループとして外と闘っていく体制も強化しなければならない時代となった。これまで以上にグループの結束を強めた上で、それぞれの強みを活かし、グループとしての競争力を最大化することが求められた。
電動化の分野では、当社はアイシングループとの合弁会社 「BluE Nexus」を2019年4月に設立した。両社の持つ強みを持ち寄り、HEV(ハイブリッド車)、BEV(電気自動車)の駆動モジュールをフルラインアップで揃えることで、電動化の普及を加速させていく狙いであった。
自動運転では、トヨタグループ4社(デンソー、アイシン、アドヴィックス、ジェイテクト)の「走る、曲がる、止まる」の能力を結集した合弁会社 「J-QuAD DYNAMICS」を2019年4月に設立した。自動運転や車両制御に関する技術を持ち寄り、交通事故死傷者ゼロを目指した自動運転や先進安全の統合ソフトウェアを提供する狙いであった。
電子部品では、トヨタ自動車の広瀬工場を2020年4月から統合し、「デンソー広瀬製作所」とした。事業集約の方針に基づき、リソーセスの有効活用と競争力強化を同時に図る狙いであった。
次世代車載半導体では、2020年4月にトヨタ自動車と合弁会社「ミライズ テクノロジーズ」を設立した。トヨタ自動車の持つモビリティ視点と当社の車載視点での知見を掛け合わせることで、先行開発をさらに加速していく体制とした。
CASEに関わる新領域では、異業種や新興勢力との提携にも意欲的に取り組んだ。
新しいビジネスやテクノロジーは、価値観を共有する仲間(パートナー)同士の横断的な連携と相互の触発から生まれる。そうした考えのもと、当社は2010年代半ばから、今までになかったような社外連携を模索し、積極的に進めてきた。
社外連携にあたって、短期的には、当面必要となっているリソーセスや技術を取得することに狙いを置いた。中・長期的には、将来必要な技術や新たなビジネスモデルを獲得することを目指した。
具体的には、異業種とのアライアンスや協業については、特にコネクティッド、AI、セキュリティなどの分野において、当社にはない技術・ビジネスモデルに競争力を持つスタートアップ企業とのネットワークづくりをグローバルに推進した。
また、米国、イスラエルなど世界4カ国に新たにサテライトR&D拠点を設置し、世界でも最先端の研究機関やスタートアップ企業との提携を拡充した。