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CAREER-LIFE

2022.11.15

人の命に関わる仕事、ADASミリ波レーダーのアンテナ設計

世界一安全な車を実現するため、小さなことを愚直に積み重ねる

仕事がバリバリできる憧れのあの人も、仕事中にはちょっと近寄りがたいあの人も、一歩オフサイトに出て、様々な壁を取りのぞいて話をしはじめると、すごく悩んでいたり、ピュアな願いが見えてきたりするもの。

社員インタビュー「実現力リレートーク」では、リラックスダイアログを通じて、多彩なプロフェッショナルたちの仕事の根幹にある原動力やwill(夢・志)に迫ります。

今回ご登場いただくのは、AD&ADAS技術2部にてミリ波レーダー開発・量産設計に従事する青木 一浩さんです。

青木さんは、ADAS(Advanced Driver Assist System:先進運転支援システム)向け製品であるGSP(Global Safety Package)で使われるミリ波レーダーの開発・量産設計を担当している技術者です。ミリ波レーダーとは電波を使って自車両周辺の物標を検知するセンサー。その中でも、電波の送受信に使うアンテナ設計を専門としています。GSP2、GSP3の設計を手がけた後、現在は次々世代センサーのコンセプト検討を担当しています。

まっすぐな眼差しと力強い言葉で、大きな夢を語ってくれた青木さん。

「交通事故で亡くなる人をゼロにしたい。人の命を守りたい」
「デンソーのADASで世界一を目指す」「社長になりたい」

一点の曇りもなく言い切る青木さん。でもその裏側には、凡事徹底を心がける愚直な一人の技術者の姿がありました。

彼が本気で目指す、夢。そして見据える未来とは────

それでは青木さんの設計にかける情熱に耳を傾けながら、その素顔を覗いてみましょう。

この記事の目次

    人の命を守る仕事がしたい。ADASミリ波レーダーに使うアンテナを設計

    ―まず最初に、青木さんが取り組んでいるプロジェクトについて教えてください。

    青木:車のADASミリ波レーダーに使うアンテナを設計しています。ADASは先進運転支援システムの略で、ぶつからない車や自動ブレーキって聞いたことありますか?

    ―はい、テレビのCMでもよく見かけます!人や物に反応して自動で止まったり、危険を知らせてくれたりする機能ですよね。

    青木:おっしゃる通りです。デンソーが量産しているADAS向け製品のGSPには大きく2つのセンサーがありまして、一つはカメラで周囲を認識する画像センサー。もう一つが、電波を使って周囲を認識する「ミリ波レーダー」です。私が担当しているミリ波レーダーは、電波で、車の周辺に存在する人やモノを捉え、それら対象物の距離や速度や方角を検知することができます。
    その情報を活用して、車が安全に走れるように車速を制御したり、車と対象物がぶつかることが予測された場合にアラートを出したり、車に緊急ブレーキをかけたりしています。その電波を出すときに必要なアンテナを設計するのが、私の仕事です。

    青木さんがアンテナ設計したミリ波レーダー

    ―なるほど。ドライバーが気づかない危険をセンサーが事前に検知してくれることで、事故が回避できる。青木さんのような技術者のおかげで、車の安全性能がどんどん上がっているのですね。

    青木:ありがとうございます。人の命に関わる仕事なので、完璧な製品を世に送り出すことが求められます。だからこそ大変な側面もありますが、「交通事故で亡くなる人を減らしたい。一人でも多くの命を助けたい」という強い気持ちが、自分を突き動かしてくれています。

    ―そのような想いは、入社当初からあったのでしょうか?

    青木:そうですね、今の仕事には運命のような巡り合わせを感じていて。実は幼い頃、友人のお兄ちゃんを車の事故で亡くしてしまったんです。幼いながらにご遺族の悲しみに触れ、交通事故で命を落とすとはどういうことなのかを目の当たりにしました。

    それを機に、「人の命を守る仕事に就きたい」と思うようになって。警察官を志した時期もありましたし、お医者さんみたいに直接人の命を助ける仕事には、いまだに憧れますね。とにかく人の命に関わる仕事がしたかったです。なので今こうして、幼い頃に抱いた夢を叶えられて嬉しいですし、自分の仕事に誇りを持っています。

    小さな積み重ねを怠らず、自問自答しながら完璧を目指す

    ―そんな青木さんが仕事をする上で大事にしていることも伺いたいです。

    青木:アンテナの材料や基板を作る仕入先さんや、デンソーの製造部門のもとへ実際に足を運び、直接想いを伝えに行くことを大事にしています。人の命を守る仕事は、いろいろな方の協力がないと実現できないので。

    杓子定規に書類でのやり取りだけでなく、直接話すことで熱意が伝わったり、仕事に対して理解を深めていただけることもあると思うんです。

    これはお世話になった大先輩の教えで、ずっと続けていますね。ミスが許されない仕事なので、むしろ小さな積み重ねこそ怠らないようにしています。

    ―車の部品一つにも関わる人の情熱が込められているのだとハッとさせられました。青木さんのお話を伺っていると、とてもストイックなのだろうなと。常に完璧が求められるとなると、集中力や精神力が続かないときもあると思うのですが......。

    青木:もちろん私も人間なので、疲れますし妥協しそうになるときもありますよ(笑)。でも誤った判断をすると人の命に関わるので。

    ―そうならないように心がけていることはあるのでしょうか?

    青木:常に「自分の想いに正直か? やっていることは正しいか?」と自問自答するようにしています。

    例えば先日、設計したアンテナの性能を測ったんですが、微妙に設計値と違いが出たんです。モノのばらつきの範囲内と、目をつぶってそのまま進めてしまいがちなケースですが、何度見てもデータがおかしい。そう思って、時間をかけて全部見直したんです。そしたら案の定、問題を見つけて。色んな人の力を借りて一つずつ直したら全部きれいに直りました。

    時間や手間を惜しんで「まぁいっか」と進めていたらどこかで大きなトラブルに発展していたかもしれない。そう思うと、想いや正しさを自問自答することは欠かせない習慣ですね。

    ―大切なマイルールになっているんですね。

    青木:実はこれも設計の仕事を始めたとき、お世話になった大先輩に教わったことなんです。みんなが、もういいじゃないかと区切りをつけようとしても空気を読まず、素人になって「どんなに小さな違和感も、勇気を持って見に行け」と、技術者として大切な姿勢を教わりました。
    そのおかげでここまで判断を間違わずにやってこられたと思いますし、これからも大事にしたい心がけです。

    自分が手がけた製品を搭載した車を、街中で見かけたときが一番の喜び

    ―上司や先輩、仕入先さんなど多くの人との関わりの中で、姿勢や技術を磨いてこられたんですね。

    青木:そうですね。もともと入社当時は研究・開発を担当していたのですが、設計の仕事を志すにあたっては、入社後ほどなくして参加した弊社役員の講演会も大きなきっかけでした。質疑応答の際、参加者から役員へ「今までの仕事で一番やりがいに感じたことは何ですか?」と質問が投げかけられて。

    ―ええ。

    青木:「それはもちろん、自分が手がけた製品が搭載された車が道路を走っているのを見たときだよ!」と、答えていたんです。それを聞いた瞬間、マッチに火がついたように「かっこいい!自分もやりたい!」と、スイッチが入っちゃって(笑)。設計がやりたい、技術者になりたいという気持ちが高ぶりましたね。

    ―その一言が、技術者になるきっかけになったのですね。

    青木:実際に技術者になってみると、やはり自分が手がけた製品が搭載された車が街中を走っているのを見かけたときが一番嬉しいですね。ドライバーさんに「ありがとう」と言われたわけじゃないのに、勝手に嬉しくなっちゃうんです(笑)。

    基本は安全に走れて当たり前なので、褒められたり感謝されたりする機会はほとんどないのですが、一つのシステムを作るために何百人もの人が汗水流して努力をしている。それを知っているからこそ、じんっと感動しちゃいますね。

    ―この仕事ならではのやりがいですね。それこそ散歩するだけで楽しめそうです!

    青木:そうなんです!子どもと散歩していて「あの車、お父さんがつくった製品がのってるんだよ!」って話してみますが、まだ小さいので分かって貰えません(笑)子どもが大きくなるまで、良い製品を世に送り続けたいですね。

    不安は、チャレンジの証。「できる見込み50%」で旗を立てる

    ―お話を伺っていると、作った製品には、まさに我が子のような愛着が芽生えるのだろうなと感じました。だからこその不安や葛藤もあるように感じます。

    青木:いや〜、本当に我が子のような存在ですよ。世界中に絶対に安全な製品だと言い切れる一方で、本当に大丈夫かな?という不安も常につきまといます。もし自分が作った製品が原因で交通事故が起きてしまったら......。そう思うと怖いですし、改めて責任の重さを実感します。まさに我が子を慮る親の気持ちですね。

    ―不安とはどのように折り合いをつけているのでしょう?

    青木:「不安はチャレンジした証」と捉えるようにしています。私たちが作っている製品は競争相手が世界中にいます。そうなると他社との差別化を図ったデンソーオリジナルの強みも発揮していかないといけない。それには挑戦が必要で、不安を生む要素なんですね。なので不安はチャレンジし続けるためには無くてはならないプロセスなんです。

    ―素敵な捉え方ですね!とはいえ、なかなか一歩が踏み出せない人もいると思うんです。青木さんがwill(夢・志)に向かってチャレンジし続ける上で意識していることはありますか?

    青木:50%くらいできる見込みがあれば、「やります!」と旗を立てちゃうことですね。できるか、できないか、わからなくても、やりたいならまず「やる」と宣言する。そうすれば自然と、できる方法を考えるようになり、手を動かし始められます。

    ―なるほど。

    青木:一番もったいないのは、踏み出す前に足踏みしてしまうこと。3つくらい選択肢があってどれを選ぼうか迷っているのなら、その時点でどれを選んでも大きな変わりはないと思うんです。
    キャリアも仕事のやり方も、選んでからがスタートなので。そうやって物事をどんどん前に推し進めるようにしていますね。

    ―まず選ぶ。そこから成功に向かって全力で走る。なるほど、学びになります!

    青木:もちろん私も完璧ではないので、旗を立てたは良いものの思い通りにいかず「間違ったかなぁ」と頭を抱える日もあります。夜も眠れないほど、どうしよう、どうしよう......と悩むこともありますよ。
    でもやると宣言したのなら、きっとなんとかなります。周りの人との約束事や目の前の仕事を愚直にコツコツ積み上げること。どんなに小さな違和感も無視せず、確認すること。その繰り返しの先に、解決の道筋があると学んできました。

    もし今、不安に覆われて踏み出すことを躊躇している人に私がかけられる言葉があるとしたら「間違えて、間違えて、ようやく辿り着く。みんな同じだから大丈夫。あとは、勇気を持って飛び込むだけだよ」と伝えたいです。

    どこまでも高みを目指す夢。デンソーの製品を世界中に届けたい

    ―最後に、今抱いているwill(夢・志)についても教えてください!

    青木:交通事故で亡くなる方をゼロにしたい。この想いは、ずっと持ち続けてきましたし今後も揺らぐことのない夢です。交通事故が起きるたびに、自社の製品でなくても自分ごととして重く受け止めていて。特に子どもの痛ましい事故は本当に辛い気持ちになります。

    もし健康にすくすく育っていれば、ノーベル賞を受賞するような世紀の大発見をするかもしれない、日本や世界に大きく貢献する仕事を成し遂げるかもしれない。夢ある子どもたちの命が亡くならないように、私にできることは「世界一安全なADAS製品を世界中のお客様に届け続けること」だと思っています。

    ―人の命を守りたい想いと、使命感がひしひしと伝わってくる夢です。

    青木:あとデンソーの社員としての夢は、「社長になること」ですね。

    ―社長ですか......!すごい!

    青木:やはり競争社会なので、何かで一番になりたい。そう思ったとき、会社のトップを目指したいと真剣に志しています。そのためには、誰よりも豊富な知見と経験を兼ね備えて、誰よりも会社・お客様に貢献できる人材になっていきたいです。

    もし仮に社長になれなくても、「なりたいと思って真剣にチャレンジすること」それ自体が重要だと思うので、誰になんと言われようと夢は掲げ続けます。

    ―どこまでもまっすぐ高みを目指す姿勢、素敵です。

    青木:手掛けている製品においても、「デンソーのADASが世界一だよね」とお客様から認めていただけるよう、どんどんパワーアップしていきたいですね。絶対に負けたくない、という気持ちが強くあって。負けず嫌いなのかもしれないですね(笑)。

    ―「一番になりたい」という情熱も、青木さんを突き動かすエネルギーになってくれているのですね!

    青木:あとは何より、仲間の力が必要不可欠です。一人でやれることには限界があると常々感じていて。社内のメンバーはもちろん、アンテナの基板を作ってくれる仕入先さんなしでは、完璧な設計はできません。
    これからも日本中......いや、世界中に共感してもらえる仲間をつくりたいです。新しい価値観が加われば、できることの幅も広がりチャレンジがさらに面白くなる。そうやって自分が作った製品・システムを、もっともっと世界中の人に届けていきたいですね。

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