「お客様や社会と共創するカーボンニュートラル」を、実現するために。

原動力は社会貢献への熱い想いと、「好き」の掛け合わせ

  • 自動車&ライフソリューション部 所属伊神 公博

    生活用品メーカーで営業・事業企画のキャリアを経て、2013年デンソーに中途入社。デンソーエコキュートの営業を経て、現在はカーボンニュートラル事業の立ち上げ・営業に携わっている。

株式会社デンソーで、カーボンニュートラル事業立ち上げの戦略策定と営業を担当している伊神 公博さん。カーボンニュートラルな社会を達成するため、共創パートナーを探索するキャラバン活動を実施中です。当プロジェクトがライフワークになったという伊神さん。「好き」を原動力に仕事を楽しむ彼の熱い想いに迫ります。

この記事の目次

    パートナー企業と共に、社会全体でカーボンニュートラルを目指す

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    ―本日はよろしくお願いします。現在、伊神さんは、カーボンニュートラルを実現するために、将来のパートナーを探索するキャラバン活動をされているんですよね。こちらはいつからスタートしたのでしょうか。

    伊神:「 2021年の7月からです。 それまで私はエコキュートの営業をしていたのですが、2021年4月から、カーボンニュートラル商材の営業を任命されまして。 なんとか3ヶ月で準備を完了し、7月からお客様へのキャラバン活動を開始しました」

    ―たった3ヶ月で……!ものすごいスピード感ですね!

    伊神:「事業部や、アカウントにも協力してもらって、ギリギリなんとか形にできました……。我々がこのキャラバンで扱う商材自体は、2025年以降に完成するものなんです。なので、通常だと2025年に商品が完成して初めて「商品できました!どうですか?」と言って提案をしにいきますよね。
    けれども、『カーボンニュートラル元年』と言われる年に、特急で準備をしてこの活動を開始したのは、お客様とともにカーボンニュートラル実現に向けた長期的なパートナーシップを築いていきたかったからなんです」

    ―「お客様への拡販」ではなく、「パートナーとの共創」といいますか。

    伊神:「そうなんです。たとえデンソー1社だけがカーボンニュートラルを達成しても、世界全体のCO2削減という意味では、影響は僅かなものですから。世界のカーボンニュートラルを推し進める、という大きな目標のために、たくさんのパートナーと一緒に連携し、推進していきたいなと……」

    ―共創をする……となりますと、通常の営業活動とはコミュニケーションの仕方も大きく異なってきますよね。

    伊神:「まだ企画がかなり柔らかな状態からお客様とお話しして、意見交換や実証を通じて製品企画にフィードバックしていく、というやり方ですね。実際に使ってもらう人と一緒に作り上げていくことが大切だと思っていまして」

    ―お客様の業態も規模もバラバラでしょうから、ワンパッケージというわけにはいきませんよね。

    伊神:「そうなんです。50社ほどの企業様と意見交換させていただいて様々な意見や考え方を聞いていく中で、デンソーとして目指していく方向性や戦略が定まってきました。今後は、無理なく、楽しんでカーボンニュートラルに参加してもらうにはどうしたらいいかについても考えていきたいです。色々な事を我慢して無理矢理カーボンニュートラルを達成するやり方では、やがて息切れしてしまいますから。取り組みとしてもサステナブルにしていかないとな、と思っています」

    寄り添うコミュニケーションで、ギフトをお渡しできるような営業を。

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    ―お客様視点をとても大切にされていることが伊神さんのお話から伝わってきます。営業というお立場で、とくに意識されていることはありますか?

    伊神:「お客様に、ギフトと言いますか、コミュニケーションのたびに何かをお渡しできる営業っていうのが、すごく大事だなと思っているんですよ。それができると、『デンソーと一緒にやりたい』『また会いたい』って言っていただいて、次につながるのかなと」

    ーギフトという表現、素敵ですね!今回のキャラバンでいうと、どのような……?

    伊神:「お客様は、必ずしもカーボンニュートラルのことを熟知しているわけではありません。そのため、できる限りわかりやすい提案を意識しています。最初はいきなり商品の説明から入らずに、カーボンニュートラルを取り巻く情勢や、これから世の中がどう変化していくか、何を求められるようになるか、といった未来予測を最初にお伝えし、その未来に求められることに対して、デンソーが取り組もうとしていることを最後に提案する、というような……」

    ―未来の共通認識を持てると、現時点で何をすべきなのかを考えやすくなりますもんね。お客様にとって頼りになる存在なんだろうなと思います。伊神さんと対面してお話するのは初めてですが、初対面特有の壁のようなものを全く感じないところがさすがだなと感じていまして。もともとコミュニケーションはお得意なのですか?

    伊神:「いやいや!どちらかと言うと喋るのはあまり得意ではなくておとなしい部類の人間なんですよ……!前職時代、まだ営業職としても駆け出しの頃、配属先だった大阪で、ちょっと怖い人がいる店舗の担当になった時なんかは、嫌で嫌で仕方なくて、駐車場の車の中で『行きたくない……』とメソメソしていたこともありましたもん(笑)」

    ―今のお姿からは想像できないですね!(笑)。どのように乗り越えられたのでしょう……!

    伊神:「コミュニケーションにおいて、相手のことを『好きになる』、ということが何より大切だと気づいたんです。どうやって好きになるかというと、まずはひとつ、尊敬できるところを見つける。どんな人でも、ひとつはあるじゃないですか。むしろ、みんなからちょっと厄介と思われているような人ほど、一度良い関係が築けると強いんですよ(笑)。一気に情報が入ってくるようになってきたりして」

    ―その大阪の店舗でもそういった経験があったのですか?

    伊神:「最初の頃は毎度『何しに来たんや!』みたいな感じだったんですが、最後は『なんで今日来てくれへんかったん』と言ってくれるようになって。店舗の担当を外れる際に、送別会をしてもらったりもして、仕事を超えた繋がりができた感覚があったんですよ。そこで初めて、『営業って面白いな』って思ったんですよね」

    カーボンニュートラルの達成を見届ける──人生をかける仕事に出会えたから

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    ―「カーボンニュートラル」って、あまりに壮大なテーマで、なかなか自分ごととして捉えるのは難しいのでは……と思っていたのですが、伊神さんはいかがですか?

    伊神:「いや、むしろ、これは生涯を賭けて取り組めるテーマというものに当たった!『やった!!』という気持ちの方が大きかったですね。ずっと、世の中に貢献できる仕事がやりたかったんです」

    ―そう思われるようになったきっかけを知りたいです。特に私達B2B企業では、「世の中に貢献」って、どこか遠く感じてしまうように思うのですが……

    伊神:「そうですね……。前職で入社5年目くらいの時に、管理者養成学校というところに行ったんですね。そこの先生に、『仕事って何のためにやるかわかるか?社会奉仕だ』って言われたんです」

    ―すごく壮大な話ですね……!すぐ飲み込めたのでしょうか?

    伊神:「聞いた当初は『あぁ、そうか』くらいの受け止め方だったんですけど。その時も営業をやっていて、お客様に物を売っていたんですけど、ふと、自分がなぜ仕事をするかって、自分の会社の利益を出すためじゃなくって、その利益をどう社会に還元していくかなんだなって、ある時に腹落ちできたんです。
    自分の所属している企業だけ儲かって、社員がたくさんのお給料をもらうこと、そこばかりを重視している会社なんて、世の中に求められなくなるじゃないかって思うんですよ。
    デンソーの場合、たとえば自動車メーカーさんがお客様になるわけですけど、そのメーカーの車を買うのは一般生活者の方。一般生活者の方々に、自分たちが出した利益を、どう価値として還元していくか、そこが大切なんだなと。なので、カーボンニュートラル商材の営業に抜擢された時は、シンプルに、すごくうれしかったですね! 」

    ―つい目先の仕事の目標を達成していくことにフォーカスしてしまいますが、その先の「なんのため」「誰のため」をものすごく意識されているんですね。

    伊神:「はい。とはいえ……しっかり事業にならないと、どれだけ綺麗事を言っていても駄目なので、そこのバランスをすごく意識しています。目先の競合や売上に集中しちゃうと、それだけしか見えなくなってしまうので、未来予測をしながら、一歩引いた目で全体を見るようにしています」

    ―まさに、デンソーへの貢献と、社会への貢献の両立ですね……!伊神さんにとって、カーボンニュートラルを仲間とともに実現するということは、綺麗事や表層的なものではなく、本当に人生の目標のひとつになっているのだな……ということがよくわかりました。

    伊神:「私は、死ぬ時のことを結構考えるんですけど、自分の人生を総括して『良かったな』と思えるためには、何かに貢献できたと実感できることが大切かなと思っていて。『カーボンニュートラル、2050年に日本で達成できたよ!』と言って死ねるというのがいいかな、と思っていますね」

    ―伊神さんの今のお歳だとまだまだ早いですよ!

    伊神:「生きて見届ける!ということにします!(笑)」

    「好き」を原動力にポテンシャルを引き出す。そんな働き方を広げたい

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    ―プロジェクトを人生の目標に据えて邁進していくことのできる、その熱意とモチベーション、本当にすごいとあらためて感じました。その力は一体どこから湧いてきているのでしょうか。

    伊神:「そうですね……。『好き』の気持ちと『好奇心』なのかな。わたし自身、取り組むほどにカーボンニュートラルにすごく興味が湧いてきていて、仕事としてというより、半分くらい趣味のような感覚で取り組めています(笑)。
    好奇心があるとグイグイ入っていけるし、勉強も苦痛じゃなくなってしまう。そうやって前向きに取り組んでいるうちに知識が頭の中で整理されていくし、さらに知識と知識の組み合わせで、いいアイデアが生まれたりするんですよね。仕事ってまあ、ほぼ100%キツイと思うんですよ。でもその中に1%でも好きなこと、楽しいことがあれば頑張れるんじゃないかなと」

    ―「この仕事嫌だな」と思っていても、「この仕事のここだけは好き」をなんとか見つけてみるという……。

    伊神:「そう!前の会社でも、最初入社した時、仕事が嫌で嫌でしょうがなかったんです。そんな中、唯一好きだったのが店頭の売場作りで。どれだけキツくても、売場作りだけは頑張ろうと思って。
    そしたら、その売場が店舗のお客さまから評価されたとのことで、『この売場を作ってほしいから採用するわ!』『もう値段のことはいいから、どんな売場が良いか提案してくれ!』と、広がっていって。『好き』を原動力にした仕事って、自分も楽しいし、いい結果につながるんだなって、その時に実感したんですよね」

    ―何のために仕事してるんだろう?ってモヤモヤしてる人って、デンソーにたくさんいると思うんです。そんな人達が、「好き」を見つけて、それを原動力にポテンシャルを開花できたら、すごいことになりそうですね。

    伊神:「そうなんです、社員のみなさんがもっと『好き』を見つけて仕事に取り組めるようにしたいと思っていて、ポテンシャルを引き出すための活動もしていたりします。皆さん本当に優秀ですから、全員が本気で『好き』に取り組んだら、世の中が変わっちゃうくらいのインパクトになるんじゃないかなと僕は本気で思っています」

    ― 社会貢献への熱い想いと、自身の「好き」を掛け合わせているからこそ、高いモチベーションを保てていらっしゃるんですね。今日はありがとうございました。今後のパワフルなご活躍にも期待しています!

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