CAREER-LIFE

2021.6.2

ハッカソンから起業!? 「好き」を仕事で発揮する“楽しさ”とは

やりたいことに一歩を踏み出せば、自分も社会も変わっていく

  • ソフトキャリア支援室所属 兼 「ふれAI」プロジェクト代表加納 健良(かのう たつよし)

    2005年に新卒でデンソーに入社後、ラジエータや自動運転ECUの設計開発に従事。2018年 名古屋市主催のハッカソンで最優秀賞を受賞後、複業として「ふれAI」プロジェクトを立ち上げる。「ふれAI」のデンソー社長表彰をきっかけにコネクティッド事業推進部署に異動し、事業開発を担当。社内有志コミュニティ「D-SPRINGs」を立ち上げ、2700人以上の参加社員の新しい一歩を踏み出すきっかけ作りをおこなう中で、2022年7月にソフトウエアエンジニアのキャリア支援部署に異動し、人材・組織開発を担う。また、大阪・関西万博プロジェクトの実務リーダーを兼務し、モビリティ社会の未来構想を推進中。

"やりたいと思ったことは今やろう" と日々精力的に活動する加納 健良。社外のハッカソンやビジネスコンテストで何度も受賞、副業起業にも挑戦している。その活動が認められ、本業でも事業創造の担当を任せられる。"好き" を仕事に変えてきた加納がこれまで歩んできた道のりや大切にしている人生観とは。

この記事の目次

    自分が好きなこと、生き生きできることをやる。それが私の人生観です。

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    お金のため、これは仕事だからと割り切って、与えられた仕事だけを淡々とこなしていく。でも、本当にそれだけでいいのでしょうか。

    人生100年時代。定年時期も延びる中、長い年月をワクワクしながら、自分が好きなこと、生き生きと感じられることをして働き続けたい。

    お金をたくさん稼いでいてもモヤモヤしている人はいます。それよりも笑顔シワが刻まれて幸せに生きている人生の方が楽しいと思うんです。

    テレワークや副業が認められ、自分のやりたい時にやりたいことをやれる社会になりつつあります。

    また、変化の激しい市場に対応するため、今までの延長線上のことだけをやるのではなく、自分のやりたいことと従来のことをかけ合わせながら、新しい発想をどんどん取り入れ、価値を生み出していこうという時代。

    やるべきことと自分のやりたいことを両立するのは大変ですが、 自分の気持ちに正直になり、やりたいことをやる。その方が人生楽しいし、世の中の役にも立てるはず!と思うんです。

    やりたいことを、今やりたい、僕がやりたいと思えたきっかけ

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    子どものころから絵を描いたり工作したり、モノづくりが好きでした。保育園の時に、車のプラモデルを切り貼りして作ったロボットを褒めてくれた先生の笑顔が忘れられず、将来、人の役に立つロボットを発明することが小学生の頃の夢でした。

    そんな想いもあって、機械工学科へ進学。しかし、大学ではいろんな人と出会うことが楽しくなり、ロボット関連のサークルには入らずに、芸術系の部活に入って文化祭の実行委員をしたり、数十カ国を旅したりして世界を広げていきました。

    充実はしていましたが、子どもの頃の夢が薄れていくのを感じていました。

    ロボットの世界に飛び込もうと決意したのは大学3年の夏休み。語学留学先のニューヨークから帰国した3日後に同時多発テロ事件が起こったのがきっかけでした。

    ── 昨日まで当たり前だったことが急に無くなってしまった。やりたいと思ったことは今やらなくちゃ。

    そう思って、ロボット研究室の門を叩き、機械工学を1から学び直して、大学院に進学。マッサージチェアや歩行ロボットの開発にも夢中で取り組んでいきました。

    大学院を修了後、デンソーに入社。世界トップレベルの技術と "遊び心" に惹かれたのが理由です。

    社内のアイデアコンテスト "夢卵:ムーラン" があり、社員のみんなが楽しそうに、自分の技術やアイデアを発表する場があったのが決め手の1つでした。

    しかし、入社後6年間、目の前の業務に追われて余裕がなく、ロボット作りから離れていました。

    やりたい気持ちはあったのですが、与えられた仕事にもやりがいを感じていて、始めるきっかけをつかめなかったのです。

    そんなある日、社内の講演会で海洋生物ロボットの発明家と出会いました。 まるで生きているような、リアルなイルカのロボットを目にした時、自分の中で眠っていた情熱に火が付いたんです。「僕も作ってみたい!」と。

    そこからはノンストップでした。その発明家にロボットの作り方を教えてもらって、仕事の後や休日の時間を使ってロボット作りに没頭しました。

    そして、完成した世界初の "出産するイルカロボット" を夢卵で披露。それを見た人の笑顔や涙を流している姿を見て、「自分たちのモノづくりで人を感動させられるのは最高だ!」と胸が熱くなるのを感じました。

    みんなと協力して、やりたいことをもっと広げる

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    それから10年、いろんなロボットを作ってきましたが、 僕は、一人で没頭するより、みんなでワイワイ作るのが好きなんです。

    そんな僕が2017年、ハッカソンに出会いました。ハッカソンとは、24時間ほどで行われる発明コンテストです。

    提供されるテーマや社会課題に対し、チームでアイデアを競い合います。最初は見学者として参加したのですが、いろんな専門分野を持つ人たちが楽しんでモノづくりをする姿を目の当たりにし、自分も出場したい!と思わずにはいられませんでした。

    そして、社内のモノづくりサークルや技能五輪の金メダリストの仲間たちを巻き込んで20を超えるハッカソンに挑戦してきました。

    ハッカソンで大事になるのが、やりたいことや得意なことを活かし、協力すること。

    チーム内はもちろん、時にチームを超えて情報交換をして協力し合いながら、お互いの困りごとを解決し、それぞれのチームのゴールを目指します。

    ハッカソンはチーム対抗で競い合うイベントですが、周りを巻き込んで楽しみながらいい雰囲気で協力している方が、結果としてすごくいいモノができるんです。

    その後、行政の支援を受けながら事業化の検討を行い、デンソー社長表彰を受賞。
    それをきっかけに当時の副社長や役員の方から声を掛けられました。

    「人の為に自分が出来ることをしようと湧き上がる気持ちが、自分自身だけでなく社会も変えていく」「個人の夢で知の探索を行い、会社の資産や技術とマッチングさせて活躍してほしい 」

    こうして、新規事業の部署への異動が決まり、今まで業務外で取り組んでいたことを本業として、事業化に向けて進めていくことを会社も認めてくれたのです。

    今は、愛知県が運営する起業家支援オフィスに入居しながら活動しています。

    同じフロアにいる起業家たちと、開発しているモノやサービスなどへの想いを語り合うんです。
    意見交換するだけでなく、相手が困っている部分を助け合う。そんな、人とつながる瞬間に僕はおもしろいと感じるんです。

    今あるアイデアで完成したとしても、広がりがない。いろんな人から意見を聞き、時にサポートを得ながらアイデアを広げ、もっといいモノになるよう磨いていく。

    そのプロセスを楽しみながら、今やりたいことに力を入れています。

    やりたいことへ、はじめの一歩を踏み出すために

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    やりたいことを始める時、なかなか踏み出せない。

    もしそう感じていたのなら、それについて誰かに話してみたり、オープンにしてみてはどうでしょう。

    仲間のサポートや多くの知識がないから始められない、と思いがちですが、 想いを持ってそれを発信していると少しずつ共感してくれる人ができたり、協力者がついたり、少しずつ前に進むことができるんだと思います。

    僕も、やりたいことに手を付ける前に二の足を踏んでいたことがあります。

    学生の頃、世界中を旅してみたいと思っても、自分にできるか不安で一歩を踏み出せなかったのですが、その気持ちを周りの人にこぼしてみたところ、本を紹介してくれたり、バックパッカー経験者を紹介してくれたりしたんです。

    そうして情報を得ているうちに自分もできるかもと思えるようになり、外国に飛び出すことができました。

    また、社会人になった今でも、ハッカソンや新規事業のアイデア出し会などをしようと人を集める時に、人が来なかったり、いいアイデアが生まれなかったりして盛り上がらなかったらどうしようと手が止まってしまうことがあります。

    気心の知れた仲間に相談したり、興味を持ったセミナーに足を運んだりして得た情報の中からヒントを得ることができました。

    そんな風に自分から動いて、少しずつでも発信していくと、やりたいことをやれるようになる糸口が見つかっていくんじゃないかなと思います。

    私はこれからも自分の気持ちに正直に、やりたいと思うことをやっていきたい。

    一方で、そういう風に生きたいんだけどなかなか難しいとモヤモヤしている人がいたら、是非一歩踏み出して、自分のやりたいことを実現してほしい。

    僕はそう思います。

    【あとがき】

    そのような想いを持ちながら、加納は昨年から社内でオンラインでセミナーや交流イベントを主催している。延べ2700人以上もの参加社員の中から、新しい一歩を踏み出して生き生きと働く仲間が出てきており、彼らの笑顔を見た時に幸せを感じると話します。

    どの活動も、自分が楽しむためだけではなく、その先にあるのは会社や社会をよくしていきたいと思う気持ち。そこに可能性を感じた会社は、活動を応援します。

    "楽しむ" という、根源的で大きなエネルギーとともに人生を歩む加納ですが、彼の生き方を聞いていると、あなたも、と背中を押してくれたような気持ちになるのです。

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