CAREER-LIFE

2023.1.20

若きリーダーの苦悩と成長。

自分と向き合い、相手に寄り添うことで気付けたこと

デンソー豊橋製作所で製作所内のDXに取り組む西尾 伊織。2018年入社の若手ながらチームリーダーを任されています。モノづくりの土台は人と人との関係づくりにあると話す西尾ですが、人と関わることが元々苦手。人に関心を持ち、リーダーとしての素養をいかにして育んだのか。これまでの人生を振り返りました。

  • 豊橋製作所 サーマル製造3部 所属西尾 伊織

    製作所内のDXやIoTを担当。大学では機械工学を専攻し、CFRPを材料とした3Dプリンタの研究に携わる。その後、2018年にデンソーに新卒入社。生産ラインや製品、人の情報をデジタル化し、モノづくりに関わる社員の働き方を変える仕事に従事している。

この記事の目次

    休学を経て見つけた「自分の道」

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    大学1年生のとき、進路に迷ってしばらくのあいだ休学をしたことが、人生のターニングポイントとなりました。

    物理を学ぼうと関東の大学の機械工学科に入学したものの、初年度の講義は数学や化学などの基礎教養科目が中心。自分が想像していた学習内容とのギャップに耐えられなくなったんです。

    自分が将来何をやりたいのかを考えるために、半年間の休学を選択。大学を辞めて自分で生計を立てていこうとも考えていました。

    ですが、休学して得られたのは、自分にはまだ”何もない”という気付きでした。

    当時はレコード集めが趣味だったので、海外でレコード買い付けるバイヤーをやってみたいと思っていましたが、当然、実用レベルの英語能力やレコードに関する専門知識が無いと成り立たず挫折することに。他のことに手を出そうとしてみても、さまざまな壁に行く手を阻まれました。

    何をするにも、しっかりと努力を重ね、それを証明できる資格や実績を持たないと、選べる進路は限られてしまう。自分を磨かずには先はないし、何者にもなれない。そんな自分の未熟さや社会の厳しさを痛感させられました。

    結局、自分を磨くためにもう一度大学に行かせてほしいと親に謝って、大学2年生から再スタートを切りました。

    それからは、何をするにしても、「なんとなく」で進めるのではなく「なぜ必要なのか」を自分なりに納得して行動できるようになりました。早い段階でそれに気づけたことは、本当に良かったと思います。あの休学がなかったら、今の自分は無かったと思いますね。

    過去の成功にとらわれず、“いま”と真剣に向き合っていく

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    デンソーに興味を持ったのは、研究室の先輩から聞いた「デンソーの生産技術がすごい」という話から。

    デンソーが作る自動車部品の生産量は、1つの製品あたり1日約数千~数万。つまり数秒に一個のペースで次々と製品を生み出していて、それを支えているのが生産技術だと。「そんなことが果たして可能なのか?」と学生の自分は半信半疑でしたが、それがきっかけでデンソーに純粋な興味を持つようになりました。

    就職活動の時も、自分が納得できる道を探すなかで、最終的に辿り着いたのがデンソーでした。技術力の高さはもちろん、海外勤務のチャンスがあることや、仕事とプライベートを両立しながら働けることも、デンソーに惹かれたポイントです。

    それに、デンソーの本社がある愛知県は私の地元でもあります。休学の時にたくさん迷惑を掛けてしまった両親も、デンソーへの入社を心から喜んでくれましたね。

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    入社後は、カーエアコン製品や熱マネジメント製品を扱うサーマルシステム製造3部に配属され、製作所内のDXやIoT化を担当しています。生産ラインや製品、人の情報をデジタル化して、それを活用することでモノづくりに関わる社員の働き方を変えていく仕事です。

    仕事でのコミュニケーションで意識しているのが、“自分の考えを押し付けないこと”。それは、大学時代の居酒屋チェーンのアルバイトで得た教訓です。

    バイトリーダーを任された時の話。バイト歴が一番長かった私は、これまでのノウハウをフル活用しながら、全店舗の中でNo.1の売上を達成するために挑んでいました。しかし、その意気込みとは裏腹に、売上が伸び悩んでしまったんです。

    「なぜうまくいかないんだろう……」と悩み続ける毎日。そんな時、社員の人からこんな言葉をかけてもらいました。「過去のやり方にとらわれすぎじゃない?目標は同じでも、アプローチの仕方は変えていくべきだよ」と。

    その言葉で、自分の成功体験をみんなに押し付けていたことに気付いた私は、一度立ち止まり、メンバーみんなの意見を聞くことにしました。すると「こういうふう変えたらいいんじゃないか」と次々とアイデアが出てきて、強い団結力が生まれたんです。結論ありきのコミュニケーションをするのではなく、周りの意見に耳を傾け、みんなでよりよい方向に変えていくことが大切だと気付かされた経験でした。

    デンソーも同じように、さまざまな専門性や価値観を持っている人がいて、大きな目標を達成するために常に進化し続けようとしています。

    デンソーに入ってあらためて思うのは、自分だけでやれることはほとんどないということ。一人ひとりの想いを尊重しながら、全員でひとつの方向を向いていくことの大切さを日々噛み締めています。

    リーダーとなり学んだ心理的安全性の大切さ

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    これまでのキャリアで最も大きな出来事は、入社3年目でチームリーダーに抜擢されたこと。それまでひとりで担当していたDX関連の業務をチームで取り組むようになりました。

    メンバーは4名で、自分より年上の豊富な知識を持ったベテラン社員1名と、高い技能スキルを持った年下の社員3名。皆このチームに参加するために他部署から異動してきました。

    チームを結成したばかりのときは、考え方など何もかもがバラバラ。議論にもならないし、言いたいことを言い合える関係でもありませんでした。加えて、自分対メンバーだけでなく、メンバー対メンバーのコミュニケーションもうまくいっていない状態でした。そんな状況の中、リーダーとしてメンバーをまとめていかなければならないことに、正直面食らっていましたね。

    何とか引っ張っていかなければと思い、リーダーの理想像を追い求めて色々と試してみたりしましたが、それが逆に温度差を生むことに……。そんなとき目に留まったのが直属の上司の姿勢でした。上司は相手の話をすごくしっかり聞いてくれる人。「そうだこれだ。今こそバイトの時の教訓を生かさなければ」と、気付かされました。

    そこで、自分が一番知識やスキルがないことを逆手に取り、「これってどういう仕組みなんですか?」「どう考えてこうしたんですか?」と、とにかく色んなことを正直にメンバーに聞くことから始めました。その質問をみんながいる場でやることによって、ほかのメンバーも同様に、わからないことがあれば何でも質問できる雰囲気を作っていきました。その結果、徐々にチーム内の風通しが良くなり、心理的安全性が保たれるようになっていきました。

    今ではもう風通しが良すぎるくらい、思ったことを素直に言い合えるチームになっていますね(笑)。

    自分なりの価値を提供できるユニークな存在になりたい

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    私の今の目標は、会社の中で少しでも”ユニーク”な存在になること。

    私はいまITの専門性を磨いていますが、そこにもし生産技術のスキルや海外経験などが掛け合わされば、よりユニークさが増していくと思います。いろんなことにチャレンジし、多くの経験を積みながら、自分ならではの価値を提供できるような人間になっていきたいと思っています。

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    少し前に、子どもを授かったことで、子どもを持つ社員の気持ちが分かるようになりました。子どものためにも倒れるわけにはいかないので、あまり一人で踏ん張り過ぎないで、周りにSOSを出すようになりましたね。逆に、周りの仲間にも皆大切な人がいるということを自覚して、今まで以上に配慮しなくてはと思うようになりました。より良い人間関係を築いていくうえでも重要な視点だと思っています。

    振り返れば、元々自分は人に興味を持てない人間でした。大学時代のバイトやデンソーでのリーダー経験を通じて、人と関わることのおもしろさ、チームで心を一つにすることの大切さを学んできました。また、子どもを持ったことで、家族のために働く仲間たちへのリスペクトも生まれました。

    モノづくりの土台にあるのは、人と人との関係づくり。
    周囲といい関係を築いていくために、自分なりの”人との関わり方”をこれからも磨いていきたいと思います。

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