2. DIINが販社から多機能な地域統括拠点へと転換
(1) 地域統括拠点としてのDIINの基礎
「総智・総力」と「適応性」
集中型本社としてDIINを設立
始まり
インドにおけるデンソーの歩みには、重要な転機としてDIIN(デンソー・インターナショナル・インド)の誕生が刻まれている。すべては1999年7月、デンソー・インドが事業をスタートさせた時に始まった。当初は顧客への営業活動の管理を専門とする営業所として機能していた。
地域統括拠点としてのDIINの基礎
DIINが本当の意味で本領を発揮するのは、2010年にインドにおけるデンソーの地域統括拠点に定められてからのことだ。2015年が近づくと、デンソーの事業環境に変革的な転換が起こった。デンソーがインド市場の非常に大きな可能性を認識し、拡大と再編の道のりを歩み始めたのだ。DIINは大きな変貌を遂げ、インドのグループ企業のための地域拠点へと移行した。業務の集中化が図られたこの再編は、効率性とシナジーに向けた戦略的な一手となった。
この変革の重要な節目の一つが、DNHA(デンソー・ハリアナ)第2工場の準備でも中心的な役割を果たした、新しい「生産革新」部の設立だった。この拡大を通じてデンソーの生産能力が強化されただけでなく、インドのグループ企業(IGC)に各種機能サービスを提供する中心的なハブとして、DIINが位置付けられることになった。機能部の集中化により、DIINの地域ハブとしての役割はさらに強固なものとなり、多様な事業領域にまたがるインドグループ会社へのシームレスな支援が促進された。

2012年、DIINはグルガオンからマネサールの新しい独立したオフィススペースへと移転した。成長とイノベーションに対するデンソーの取り組みを象徴するこの一手は、DIINが地域統括拠点として成功する上で有利な環境をもたらした。
さらに2012年には、重要な組織であるインドテクニカルセンターがDIIN内に設立された。先進的な研究開発活動によって卓越を目指すデンソーの尽力を裏付ける施設であり、技術的な専門知識を通じてインドの顧客の規制順守をサポートすることなどを目的としていた。
スキルレベルを高め、ディーラーへの研修支援を提供するインドサービスセンターが設立されたことで、優れたサービスの中心的なハブとしてのDIINの評価が高まった。
地域統括拠点としてのDIINの土台には、デンソーの戦略的ビジョン、適応性、卓越に対する揺るぎない努力が凝縮されている。集中型オペレーション、イノベーション、サービス提供の新時代がこうして幕を開け、絶えず変化するインド自動車業界の実力者としてのデンソーの地位が確立された。


