第3章 南米事業拡大期
1. サーマルビジネスの拡大
(2) NDBC ベッチン工場、ピンダ工場の立ち上げ
エアコン工場を新設した頃から、カーメーカーの生産合理化が目立つようになり、納入業者にもジャストインタイムの供給体制や物流費低減への要求が高まった。
フィアット社も「ウーノ」の新モデルの発注にあたり、サイズが大きく輸送効率が悪いHVACの物流費低減とジャストインタイム対応のため、NDBCに南東部ミナスジェライス州のフィアットベッチン工場近郊での生産を求めた。

本格的な自社工場を建設するためには、本社承認を含めて時間がかかる。しかし、レンタル工場ならば要望に即座に応じることができ、将来的な受注動向や生産規模の見通しが不透明であっても投資を最小限に抑えることができる。そこでベッチン地区にある顧客工場から車で10分強の距離にあるレンタル工場を借りて、1993年から生産を開始した。


フォルクスワーゲン社からも「Gol」向けHVACを受注し、サンパウロにほど近いピンダモニャンガバ市にレンタル工場を借りて、1994年にピンダモニャンガバ工場(通称:ピンダ工場)が稼働を開始した。