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日本の自動車市場は、小型車へのシフトや海外向け売上の減少等により、売上収益は2兆6,645億円(前年度比1.9%減)と減収になりました。営業利益は、売上減少による操業度差損や、労務費等固定費の増加により1,969億円(前年度比29.0%減)と減益になりました。
日本経済は、消費増税の影響が和らぎ、また円安・原油安の後押しにより、輸出・ 設備投資が回復し、緩やかに持ち直すと想定しています。一方で、自動車市場の回復は遅れ、軽自動車税の増税による販売不振の影響もあり、前年割れになると予想しています。
このような中で、1/N加工機・ラインの導入による「ダントツ工場」づくりを通し、投資効率と生産性(人・設備・面積)を大幅に向上させていきます。また、新規ライン導入時に、過去の類似ラインの設計を取り入れることで、設備費低減と円滑な立ち上げを目指します。開発についても、予防安全などの成長分野へのパワーシフトにより、限られたリソーセスの最適配置を行っていきます。生産・開発の効率化により、市場が低迷する中でも、利益水準を維持できる体制を構築していきます。
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米国の自動車市場は、経済の回復により、自動車販売・生産とも堅調に推移しました。当社の業績は、トヨタ・ホンダ向けの車両生産の増加に加え、HVACやガソリン直噴製品の拡販により、売上収益は9,665億円(前年度比18.4%増)と増収となりました。営業利益は、売上増加による操業度差益等により395億円(前年度比156.9%増)と増益になりました。
米国経済は、ドル高による輸出減や利上げが見込まれるものの、引き続き安定した雇用環境と 原油安が下支えし、緩やかな成長が続くと想定しており、自動車市場も同様に、安定した伸びを示すことを予想しています。
このような中で、生産拡大に対応するため、メキシコ工場の拡張により、北米全体での最適な生産・供給体制の整備を行っていきます。また、円滑な立ち上げと安定操業の基盤となる、生産・保全などの製造人材の育成を強化し、利益を生む体質づくりを強化します。また、技術開発では、テクニカルセンターや社外連携を活用し、北米に期待される高度運転支援技術での開発能力を向上させていきます。
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欧州地域は、市場の回復に加え、HVACやディーゼルコモンレールシステムの拡販などにより、売上収益は5,548億円(前年度比11.2%増)と増収となりました。営業利益は、売上増加による操業度差益等により168億円(前年度比39.6%増)と増益になりました。
欧州経済は、金融緩和、原油・通貨安による下支えと良好な雇用環境により、消費・投資・輸出が持ち直し緩やかに回復すると想定しています。自動車市場も同様に、18年に向けて徐々に回復していくと予想しています。
このような環境の中で、引き続き欧州顧客を中心にパワトレイン・熱製品の更なる拡販活動を進めていきます。生産については、部品・設備の更なる現地化を加速させ、仕入れ先も巻き込んだ最適工程の構築を通じ、競争力ある生産システムづくりを実施します。開発については、環境・安全規制で先端を行く要求の高い市場でも、設計機能を強化することで、顧客のニーズを満たす製品開発を進めていきます。
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タイ・インドネシアの成長が鈍化したものの、主に中国における車両生産の増加により、売上収益は1兆497億円(前年度比11.3%増)と増収となりました。営業利益は、将来の成長のための工場・テクニカルセンター立ち上げ費用や労務費が増加したものの、売上増加による操業度差益や円安による為替差益等により、809億円(前年度比13.1%増)と増益になりました。
アセアン各国の足元内需低迷は継続し、緩やかな景気拡大にとどまると想定していますが、中長期的には今後も成長が続く地域であると考えています。自動車市場は、先行きが不透明な部分もありますが、全体としては着実に増加すると予想しています。
このような環境の中で、引き続き、低コスト活動により、コンパクトカーなどへの拡販を目指します。また、環境・安全分野での規制が整備されて行く中、地域の各課題を解決する最適仕様製品を市場に投入することで、差別化を図ります。環境分野でも、アイドルストップシステムや省燃費エアコンの市場創出に向けた活動を強化していきます。安全分野では、エアバック拡販に注力しながら、将来の先進安全製品の拡販に向けた備えを進めます。