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第8回新機械振興賞・経済産業大臣賞を受賞 - 省エネ小型低圧ダイカストシステム

2010年12月14日

 株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:加藤 宣明)、東洋機械金属株式会社(本社:兵庫県明石市、社長:片山 三太郎)、株式会社宮本工業所(本社:富山県富山市、社長:宮本 芳樹)の3社は、「省エネ小型低圧ダイカストシステム」を共同開発し、従来システムに比べて50%以上の省エネルギー化と大幅な小型化を実現しました。この成果により、このほど財団法人機械振興協会の第8回新機械振興賞・経済産業大臣賞を受賞することになりました。授賞式は、2月24日に東京プリンスホテル(東京都港区)で行われる予定です。

 ダイカストとは、溶けた金属を高い圧力で金型に注入・成形する加工法であり、そのシステムは一般的に金属を溶かす溶解炉と金型への圧入を行うダイカストマシンで構成され、その他に成形品の硬度を上げ、寸法精度を高めるために再加熱する熱処理炉を含むものも多くあります。自動車部品をはじめ、家電や通信機器部品の製造など、様々な分野で用いられています。
 今回受賞した「省エネ小型低圧ダイカストシステム」では、材料である溶けたアルミニウムを金型に注入する直前まで温度を低下させないよう高精度にコントロールすることなどにより、成形時に必要な圧力を半減することを可能にしました。それにより、設備構造を簡素化でき、かつ、従来のような剛性が必要なくなったため、従来比6分の1という大幅な小型化を実現することができました。
 また、必要なときのみ動くよう制御できる電動ダイカストマシンや、少量単位で溶解量を制御できる小型高効率溶解炉を開発するとともに、従来、ダイカストマシンと別に独立して設置していた熱処理炉を小型化しダイカストマシンに直結させることで製品の運搬による温度の低下を極力少なくし、50%以上の省エネルギー化も実現しました。

 「省エネ小型低圧ダイカストシステム」は、2008年4月に初めてデンソーの西尾製作所に設置し、現在は国内外で38台を稼動させています。

 新機械振興賞は、財団法人機械振興協会(会長:庄山 悦彦)が経済産業省などの後援を得て実施しています。機械工業界における技術開発を推進するため、日本の機械工業技術の進歩向上に著しく貢献した企業および研究開発担当者に授与されています。

写真

省エネ小型低圧ダイカストシステム
設備構成 :ダイカストマシン+溶解炉+熱処理炉
設備サイズ:たて6.5m×横5.5m×高さ1.8m

以上