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ケイン・コスギさん × デンソー社員 対談 「eスポーツの魅力とは」

2019年3月8日

株式会社デンソーは昨年、第1回全国高校eスポーツ選手権に協賛致しました。

3月23日(土)、24日(日)に幕張メッセで行われる決勝大会を記念し、PCオンラインゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」(以下、LoL) の生配信が人気を呼んでいるアクション俳優 ケイン・コスギさんと、LoL国内ランキングで4位になったこともあるデンソー社員の渡辺育之介の対談を行いました。

最近注目のeスポーツやゲームの魅力などについて、おおいに語り合う対談となりました。

ゲームとの出合いは?

渡辺: 大学1年生のときに寮生活をしていて、友だちと一緒にやるゲームが好きになり、それで一番人気のあるゲームってなんだろうと調べたらLoLだったので、足を踏み入れました。

LoLの魅力は?

ケイン: まだ2年しかやっていないのですが、ほぼ毎日プレーしてもまだまだ勉強しなければならないことがいっぱいあるくらい奥が深い。知らない人たちとチームを組んで逆転勝利した時の気持ちよさは、他のスポーツにはないものです。

eスポーツはスポーツではないという意見が根強いのですが、                      スポーツマンのケインさん、学生時代バスケットボールに熱中していた  渡辺さんはどう思いますか?

ケイン: 子供のころからいろいろなスポーツをやってきましたけれど、初めてLoLをやって、1試合だけでもすごく疲れました。集中しなければいけないし、個人の技量もありますが、アメフトとかバスケットと一緒で、周りの状況に対する判断力とかチームプレーも重要で、やっぱり「スポーツ」だなと感じます。

渡辺: どちらかというとスポーツというより一つの競技。チェスや将棋のようなマインドゲームというか思考を使ってやるものに近いスポーツ競技であると考えています。

eスポーツの魅力とは?

ケイン: 10代から60代、70代の方たち、女性も男性も関係なく一緒にプレーできるのは、たぶんeスポーツしかないのかなと思いますね。そこにエンターテインメントがミックスされていて、特別なスポーツですよね。

渡辺: 体格的な優位性が関係ない、平等さが魅力です。バスケは身長という肉体的な壁を強く感じていたのですけれど、eスポーツはプレーヤーの体格差は関係ありません。障がい者でも対等にプレーできますし、「平等さ」というのが、eスポーツにある最大の魅力かなと考えています。

ケインさんがゲーム動画の生配信を始めたきっかけは?

ケイン: 配信を見ている人たちからいろいろなアドバイスをいただいて、強くなりたかったので始めました。1年間配信して、一人でプレーするより、みんなと一緒にプレーして上達が早かった。知らない情報を毎回毎回、いろいろな人からいただいているのですごく勉強になりました。

お二人は全国高校eスポーツ選手権の予選を視聴されたと思うのですが、どうでしたか?

ケイン: まさか高校生があのレベルでプレーするとは思ってもいませんでした。今まで見たことないプレーがいくつかあって、おもしろかったですね。若いから、やっぱり判断力はすごく早いですよね。

渡辺: プロにそのまま即戦力で行ける実力をもつ子たちも数人いて、すごくレベルが高い。まだLoLが日本に浸透していないせいか、個としてはすごいのですが、チーム一体となったときにまだもう少し伸びしろがあるのかなと感じたので、今後もっと盛り上がってくる可能性があると思います。

渡辺さんはケインさんの動画配信を見られたことありますか?

渡辺: 印象的なのはグリーンバックのビーチで、ワンちゃんが走り回る中、ケインさんが腕立てしているシーンが好きです。それとゴールド(LoL内の階級)を達成したときにウルってきました。SNSでも話題となり、みんな感動していました。

ケイン: もう本当にゴールドとなった瞬間は人生でトップスリーに入るぐらいうれしかったです。ゲームで昨年2回泣きました。ゴールドになった瞬間と、LoLのチームを作ってトーナメントでずっと勝てなくて、最後の試合にやっと勝てた時です。

渡辺: 跳び箱22段を飛んでも泣かなかった男を泣かせたゲームとTwitterで話題になっていました(笑)

ケインさんはゲームの経験が俳優活動に生きたことはありますか?

ケイン: 日本にやって来た時、格闘ゲームを半分趣味、半分は俳優のためにやっていました。1歳半からいろいろな国の格闘技をやりましたが、型や蹴りに限界があり、武道以外のものを研究して、何かアクションで使えるものがないかと思って。ブレークダンスをするゲームキャラクターがいたので、2年間ブレークダンスを習い、トーマスという技をコンビネーションで、また昔ストリートファイターのキャラクターが使っていた三段蹴りみたいな技を映画で使っています。

渡辺さんにもゲームと仕事のつながりを伺いたいのですが、進学先を        決めた理由やデンソーに入ったきっかけを教えてください。

渡辺: 元々数学が好きで技術者になりたかったので電気系の学科に進学しました。その後ホームステイや旅行で海外に行ったときに日本の自動車が高く評価されているのを聞いて、日本人として誇らしく感じ、ゆくゆくは日本の自動車業界に貢献したいと考えました。その中からデンソーに入社しようと思ったのは、すでに入社していた同じ大学の先輩たちの魅力や人柄に強くひかれたからです。

渡辺さんはゲームをやってきてよかったということがありますか?

渡辺: LoLがうまくなるためには、小さな目標をつくって達成していくってことが大事。ゲームの中でPDCAサイクルを回していって上達できるように、不足部分を補って最適化していくっていう部分は、仕事に限らず、僕が一社会人になっていく中で必要なスキルの基礎になってるのかなと思います。

お二人が考える、夢を叶える秘訣とは?

ケイン: 5歳のときから「俳優になりたい」という目標は変わっていなくて、自分はそれに向かってがんばるだけでした。高校生の頃は、なにになりたいかわからなかった周りの友達が多く自分はすごいラッキーだったと思う。もしかしたら、自分が本当にやりたいことはまだわからないかもしれません。本当にやりたいことが見つかるかもしれないので、どんどんいろいろなことに挑戦して、諦めずに頑張れば、いつかいいことがあると思います。

渡辺: 大切なのは等身大の自分を理解するということ。LoLで「ティルトする(傾く)」という言葉があって、よい面に傾いても、悪い面に傾いてもプレーに影響が出るという考え方があります。目標に対して自分が高すぎると努力を怠ってしまいますし、自分のレベルが低いと認識していると目標に到達できないので、努力しないとなってしまうかもしれません。等身大をちゃんと理解してその上で小さな目標を作って達成していく。他人と比較するんじゃなく自分で歩んでいくっていうのが大切かなと思います。