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デンソー、ジャパンモビリティショー2023にてプレスカンファレンスを開催

2023年10月26日

株式会社デンソーは、2023年10月26日(木)、東京ビッグサイト(東京都江東区)で行われた「ジャパンモビリティショー2023」にてプレスカンファレンスを開催し、「環境」「安心」領域における価値最大化に向けた戦略を発表しました。

代表取締役社長の林 新之助は、次のように述べました。

長年多くの方に親しまれてきた東京モーターショーが、「ジャパンモビリティショー」と名称も新たに開催されておりますこと、大変うれしく思います。この変更は、「クルマ」という枠を越え、「モビリティ社会」という視点で広く課題を捉え、さまざまな産業の人と技術が「つながる」ことで、新しい価値を創っていく時代に突入していることを表しており、私たちには大きなチャレンジが求められているのだと強く感じております。

デンソーは、業界を支える「自動車業界のTier1」から、社会全体を下支えする「モビリティ社会のTier1」へと進化し、より多様なお客さまの価値創造に貢献するため、3つのテーマに取り組みます。本取り組みを加速するため、電動化とソフトウェア領域においては社員採用および、成熟領域からの人財シフトなどを推進することで、2022年から2025年までの4年間で計4,000名の人財を増強します。

  • 「モビリティの進化」への貢献
    「環境」領域では、インバーター・モータージェネレーター・電池監視システムの技術革新に努めながら、HEV・PHEV・BEV・FCEVのすべてに搭載できる形で、水平方向の品揃えを強化してきました。今後は、電動化製品とエネルギーマネジメントを連携させた大規模システムから、パワーモジュールといった部品まで、垂直方向での品揃えも拡充することで、BEV普及期の多様なお客さまのニーズに応え、世界各国のカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

    「安心」領域では、クルマの周囲を監視するシステムに加えて、車室内のドライバーの状況を監視するシステムや社会インフラと連携するクラウドベースの大規模なシステム開発を通じ、各国の交通事故シーンカバー率を高めることで、交通事故死亡者ゼロの実現を目指します。

    さらに、モビリティの進化への取り組みを空にも広げ、より自由な移動の実現、モビリティの可能性の拡張に貢献していきます。

  • 「新価値創造」への挑戦
    現在、エネルギー、食農、サーキュラーエコノミー領域など、モビリティ以外の領域でも数多くの技術開発や事業化の検討を進めています。特に水素ビジネスでは、SOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell / 固体酸化物形水電解用セル)*1とSOFC(Solid Oxide Fuel Cell / 固体酸化物形燃料電池)*2といったエネルギーシステム製品を2024年以降、市場投入します。

  • 半導体とソフトウェアの強化
    半導体では、2030年までに約5,000億円に上る積極投資を進め、2035年には事業規模を現在の3倍へと拡大します。また、生産拡大には材料の安定調達が不可欠であり、さまざまな企業との戦略的パートナーシップを構築します。

    ソフトウェアでは、製品化につなげる実装フェーズに移行する段階において、さまざまなお客さまとのパートナーシップを強化し、企業の垣根を越えた一体開発を進めることで、ユーザーニーズを起点とした電子プラットフォーム企画やOTA技術開発等を加速していきます。
    体制面では、デンソーグループの半導体IP開発会社である株式会社エヌエスアイテクス(NSITEXE)と、車載ベーシックソフトウェア開発会社である株式会社オーバス(AUBASS)をデンソーに合併し一体となることで、より付加価値の高い統合システムの開発を強化します。また、車載ソフトウェアで培った知見や経験を織り込んだ特化型AIを開発に導入することで、ソフトウェアの開発スピード2倍を実現します。

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プレスカンファレンスの画像やスピーチ全文などはこちらからご覧ください。
https://www.denso.com/jp/ja/about-us/corporate-info/press-info/

*1 SOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell):セラミック膜を電解質として高温で動作し、水蒸気を電気分解して水素を製造する装置
*2 SOFC(Solid Oxide Fuel Cell):水素をはじめとする燃料と酸素の化学反応によって電気と熱を発生させる燃料電池