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デンソー、「2023年度省エネ大賞」で省エネルギーセンター会長賞を受賞

株式会社デンソー(本社:愛知県刈谷市、社長:林 新之助、以下デンソー)は、2023年度省エネ大賞 省エネ事例部門において、「省エネと工場環境改善の両立を目指した 『WIN・WIN の省エネ活動』」の取り組みが「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。表彰式は、2024年1月31日にTOC有明にて開催されます。

「省エネ大賞」は、一般財団法人省エネルギーセンターが主催し、企業や自治体などにおける優れた省エネ活動や技術開発などによる先進型省エネ製品などを表彰するものです。今回の受賞事例は、これまで暑熱対策が困難だと思われていた焼成炉などの熱源を有する工場において、大規模な投資をともなわずに工場内環境を改善し、快適性を実現しながらも省エネを達成した点が高評価され、受賞に至りました。

なお、省エネ大賞の受賞は2009年から14度連続で、省エネ事例部門での受賞は15度目となります。

【受賞した取り組みの概要】
省エネと工場環境改善の両立を目指した 『WIN・WIN の省エネ活動』

大安製作所(三重県 いなべ市)の601工場は41年の長い歴史を持っており、スパークプラグなどのセラミック製品の製造に使用する焼成炉など、熱源となる設備が多数稼動しています。そのため、設備から排出される熱が工場内に滞留し、夏場は作業場が35℃を超えるエリアも発生していました。従来は、空調が行き届かない作業場には移動式スポットクーラーを増設して対応していましたが、その排熱もまた熱源となり、CO2排出削減の妨げにもなることから工場全体での環境改善が求められていました。
2021年から2023年にかけて実施した本取り組みは、既存設備や工場周辺の涼しい自然環境を最大限に活用しながら熱源と気流を最適に管理することで、5月~10 月の工場内平均温度 を4℃以上低減させ、CO2を年間559トン(約1.54%)削減することに成功しました。実施した活動項目は以下の通りです。

■工場内の熱マネジメント 
1.設備排熱対策
・設備からの排熱を断熱カバーや遮蔽ボードで遮断し、作業者への影響を低減。
・設備の排熱吹出口に煙突ダクトを設置し、身長より高い位置で熱を逃がすことで作業者から排熱を遠ざけ、作業域の温度上昇を抑制。

2.工場換気能力の最大化 
・工場の外周に通気口を取り付け、夜間や早朝の冷えた外気を給気することで気温を低減。また、熱源となる設備が集中する工場中央部に排気装置を設置し、熱気を最短経路で効率的に排出。広大な工場の換気に必要な吸気・排気量を、必要最低限の設備投資と消費エネルギーで確保。
・既存の空調機に気流搬送ファンを導入し、工場内全体の空気の流れをコントロールすることで効率的に体感温度を低減。

■F-IoTの活用
・既存の設備稼働管理システムに機能を追加し、いつでも、どこでも、誰でも工場内の温湿度が把握できる環境モニタリングシステムを開発。工場内の36か所に設置した温湿度センサーからリアルタイムで情報を取得し、異常を迅速に察知。広大な工場でもスピーディな異常処置ができるようになった上、本システムをさらなる工場環境改善に活用することで、より働きやすい職場環境づくりが可能に。

デンソーは、今後も人と環境にやさしい職場づくりに取り組み、カーボンニュートラルの実現と持続可能な社会の発展に貢献していきます。