DRIVEN BASE

CMzO MESSAGE

デンソーが切り開く新たなモノづくりの世界

CMzO(Chief Monozukuri Officer) 経営役員 海老原 次郎

不安定な世界情勢やCASE進展によるビジネスモデルの変化、さらには気候変動や資源循環への対応、労働力不足など、激動する社会に対し、デンソーは新たな時代を見つめながら、モノづくりとヒトづくりを大切に、社会課題解決に貢献していきます。すでにデンソーでは、先人たちの時流に先んじた開発やグローバル生産供給体制の構築を通し、各地域に開発・製造拠点を構え、世界中のお客様により良い製品をお届けするリソーセスを有しています。

今後は、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーにも対応しながら、様々な変化に最速で適応すべく、次の3点に取り組みます。

1. 徹底的な標準化とデジタル化

デンソーの工場では、工場長が先頭に立ち全員参加で取り組む「Excellent Factory活動」(以下、「EF活動」)を推進し業務プロセスと作業の標準化を徹底しています。該当ラインだけでなく、前後工程も含め工場全体で最適化を図る改善活動や、ライン立ち上げ前に作業者の動きまで想定して自動化・省エネ効果を検証する仮想ラインシミュレーションなどの取り組みで、問題点が分かりやすい工場をつくり、その問題点を全員で改善し続けています。このEF活動をさらに進化させるべく、今起きていることをデジタル化し、データとしてつなげ、それを設計・生産技術担当者から現場作業者まで全員が活用できる環境を構築中です。

2. 自動化とデジタル人財づくり

あらゆる業種で労働力不足が課題となる中、今まで人が担っていた付帯作業や官能検査などの複雑な作業を、「ロボットの知能化」や「AIとデータサイエンスの組み合わせ」によりロボットや機械に代用させることで、安全で品質の高い自動化工場を実現します。現場管理においても、紙帳票をデジタル化し、自動化を進めるなど、デジタルツールの拡充に伴い、それらを使いこなすデジタル人財へのリスキリングを推進します。

3. サプライチェーンスルーでのデジタル化

自社工場内はもちろん、サプライヤー様やお客様とも情報をつなぎ、品質だけでなく増減産やリスク発生時の対応力を向上させるとともに、今後CO2排出量証明や、リサイクル・リユースなどで使用する経歴証明に必要なトレーサビリティデータを信頼性のある状態で提供することで、当社製品の社会価値向上につなげていきます。

これらの取り組みは、モノづくりに携わるすべての仲間が創造的な仕事に従事し、誰もが新たな課題にチャレンジしワクワクできる現場の実現につながります。それをデンソー流デジタルツイン工場と呼び、実現に向け各工場で実証、実装を進めています。